『世界少子化考』―期待外れ
宣伝文が「大手新聞がようやく『不都合な真実』を書いた」と思わせる内容だったので期待して読んだが、残念ながら期待外れだった。個々のエピソードや政治家・研究者へのインタビューは大手新聞ならではの取材力の成果だが、イデオロギーに偏り過ぎて分析が足りない。
「人間重視で暮らしやすいフィンランドの出生率が日本を下回った、という現実が示す通りに、一筋縄ではいかない」
— 毎日新聞国際ニュース (@Mai_Intl) May 28, 2022
今週の本棚:藻谷浩介・評 『世界少子化考』=毎日新聞取材班 | 毎日新聞 https://t.co/OwCg7PJOKN
\著者インタビュー掲載/
— 毎日新聞出版 (@mai_shuppan) June 6, 2022
『#週刊東洋経済』6月11日号
少子化は「生活水準向上」「女性の権利獲得」と相関 『世界少子化考』を取りまとめた宮川裕章氏に聞く
毎日新聞取材班:著『#世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか』書誌情報はこちら👇https://t.co/WytAeB0dVGhttps://t.co/nYPiRVBx6A
例えば、第1章の大韓民国では、2016年以降の出生率急低下とフェミニズムの関係が取り上げられていない。
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【男性に不満を持つ「韓国女性たち」の容赦ない本音】 「男vs.女」バトルが激しさを増す韓国のリアル#東洋経済オンラインhttps://t.co/oxGPVQwS1m
— 東洋経済オンライン (@Toyokeizai) February 20, 2022
執筆者の一人👇からも感じ取れるが、リベラル/フェミの価値観が絶対的に正しいというスタンスが貫かれていることに根本的な問題がある。
婚姻の目的を生殖であるとする判決が出るような今だからこそ読んで頂けたら嬉しい外信部取材班の拙著「世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか」特に出生率が比較的高いフランスの章。少子化を代表する日韓は生殖と婚姻がセットだから少子化になりやすい側面もあります https://t.co/eR9hzLy44A
— 日下部元美 Motomi KUSAKABE (@MoKusakabe) June 22, 2022
この価値観が先にありきのために、
東亜の少子化は女が抑圧されていることの反映なので悪い少子化
西洋の少子化は女が解放されていることの反映なので良い少子化
や、
東亜の(夫の)親族との付き合いは妻にとって負担
イスラエルの親族との近さには学ぶべきことろがある
などの御都合主義になっている。
前述したように、エピソードやインタビューには読む価値があるが、記者の感想やリベラル/フェミ系研究者の話は読むだけ無駄である。