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明石市の子育て支援策の財源
明石市の泉市長の施策や業績を評価する際の注意点だが、市長は話を都合よく脚色・粉飾する傾向がある(👇一例)のでそのまま信用することは禁物で、すべて必ず裏を取らなければならない。
私が市長に就任した11年前の明石市は、①人口減少が続き、②財政赤字も膨らみ、③駅前も衰退の一途だった。あれから11年。今の明石市は①9年連続人口増、増加率中核市全国1位、②税収増で財政黒字化、基金残高7割増、③駅前の人出7割増、商店街も過去最高益となっている。明石市は不死鳥の如く蘇った。 https://t.co/eMlWrlFmTM
— 明石市長 泉 房穂(いずみ ふさほ) (@izumi_akashi) August 30, 2022
今回は、明石市の「子ども予算倍増」の財源を総務省「地方財政状況調査」を用いて確認するが、結論を先に書くと、泉市長の在任期間には全国的に税の自然増収が続いた→明石市の一般財源歳入も増加した→その増収分を全振りして半分を賄った(残り半分は国と県の支出金)となる。泉市長の「お金のやりくり」だけで賄えたかのような説明はミスリードである。
【子育て支援策の継続について】
— 明石市長 泉 房穂(いずみ ふさほ) (@izumi_akashi) October 14, 2022
「5つの無料化」をはじめとする『明石市の子育て支援策』は、私が退任してからも続けられるように、財源的な裏付けは、しっかりとできています。大丈夫です。私自身も次の市長選に責任を果たし、市民に安心していただける方(次期市長)にバトンタッチする予定です。
【朝日新聞へのお願い】
— 明石市長 泉 房穂(いずみ ふさほ) (@izumi_akashi) July 21, 2022
『子ども予算「倍増」財源“難題”』との見出しだが、
“難題”でもないのに、どうして“難題”にするのか?
明石市は、現に予算のやりくりで
「子ども予算の倍増」(126億円→258億円)を
実現している。
国債も発行できる国なら、すぐできることだ。
“誤報”はやめていただきたい。 pic.twitter.com/tfcBmtEMOD
明石市は“お金のやりくり”で、こども予算を倍増し、
— 明石市長 泉 房穂(いずみ ふさほ) (@izumi_akashi) June 24, 2022
“所得制限なし”での『5つの無料化』を実現し、
“地域経済活性化”で好循環。
ゆえに、高齢者にも、インフラ整備にもしわ寄せなく、
公務員の待遇も水準並みで、マイナス面はない。
だから国民から評価いただいている。
なのに、マスコミって・・・ https://t.co/LiSrqgbZYu
2011年5月に泉市長が就任して以来、明石市の児童福祉費は2倍以上に増えているが、その増加分の約半分は国と県の支出金で賄われており、市の充当一般財源は2012年度→2020年度に+約70億円となっていた。
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同期間に一般財源歳入も+約80億円(市税とその他が各々+約40億円)であった。
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その他の主なものは地方交付税と地方消費税交付金
この期間に、一般財源の歳入と児童福祉費の一般財源充当額はほぼ同ペースで増加している。
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つまり、児童福祉費の増加分のうち、約半分は国と県の支出金で賄い、残り半分は一般財源の増収分を丸丸注ぎ込んでいた計算になる。ということは、一般財源が減収になれば、児童福祉費以外のどこかにしわ寄せがいくことになるが、それを「財源的な裏付けは、しっかりとできています。大丈夫です」と言ってもよいのだろうか。
なお、泉市長は最近のインタビューで子供関係の支出を3倍にすることも可能と発言していたが、そのためにはもっと過激な「お金のやりくり」が必要になる。
泉房穂・明石市長の引退表明のニュースが世間を賑わしてますが、そもそも #明石市ってどんな自治体なの?持続可能なの?
— NewsPicks [ニューズピックス] (@NewsPicks) October 14, 2022
気になる方は #デューデリだん へ。企業も自治体もまるっと解剖します。
番組視聴▶️https://t.co/nwk6Hslj3S pic.twitter.com/hNXSfyp2Kv
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補足
一つ目と三つ目のグラフの全国版。
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泉市長は明石市は子ども施策による経済の好循環で税収が増えたと主張しているが、その在任期間に市町村の地方税や一般財源の歳入は増加傾向にあり、明石市の伸び率は平均的なものにとどまっている。
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泉市長の「こども予算倍増」を可能にしたのは、全国的な景気拡大に伴う税の自然増収だったことになる。
無料化政策や「強烈な個性とポピュリスト的言動で人心を掌握」など、ベネズエラの故チャベス大統領に似たところがある。
大統領が2人いる国 疑惑の継承者と強運のカリスマ https://t.co/VyorJTow5f
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) February 5, 2019
チャベス氏は貧困層向けの無料の医療サービスや教育、住宅政策などを推し進めた、貧困層の英雄です。強烈な個性とポピュリスト的言動で人心を掌握したチャベス氏と違い、マドゥロ氏にはカリスマ性がありません。
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