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明石市の子育て支援策の財源

明石市の泉市長の施策や業績を評価する際の注意点だが、市長は話を都合よく脚色・粉飾する傾向がある(👇一例)のでそのまま信用することは禁物で、すべて必ず裏を取らなければならない。

今回は、明石市の「子ども予算倍増」の財源を総務省「地方財政状況調査」を用いて確認するが、結論を先に書くと、泉市長の在任期間には全国的に税の自然増収が続いた→明石市の一般財源歳入も増加した→その増収分を全振りして半分を賄った(残り半分は国と県の支出金)となる。泉市長の「お金のやりくり」だけで賄えたかのような説明はミスリードである。

2011年5月に泉市長が就任して以来、明石市の児童福祉費は2倍以上に増えているが、その増加分の約半分は国と県の支出金で賄われており、市の充当一般財源は2012年度→2020年度に+約70億円となっていた。

総務省「地方財政状況調査」|数字は億円未満を四捨五入

同期間に一般財源歳入も+約80億円(市税とその他が各々+約40億円)であった。

総務省「地方財政状況調査」
その他の主なものは地方交付税と地方消費税交付金

この期間に、一般財源の歳入と児童福祉費の一般財源充当額はほぼ同ペースで増加している。

総務省「地方財政状況調査」|数字は億円未満を四捨五入

つまり、児童福祉費の増加分のうち、約半分は国と県の支出金で賄い、残り半分は一般財源の増収分を丸丸注ぎ込んでいた計算になる。ということは、一般財源が減収になれば、児童福祉費以外のどこかにしわ寄せがいくことになるが、それを「財源的な裏付けは、しっかりとできています。大丈夫です」と言ってもよいのだろうか。

なお、泉市長は最近のインタビューで子供関係の支出を3倍にすることも可能と発言していたが、そのためにはもっと過激な「お金のやりくり」が必要になる。

補足

一つ目と三つ目のグラフの全国版。

総務省「地方財政状況調査」
総務省「地方財政状況調査」

泉市長は明石市は子ども施策による経済の好循環で税収が増えたと主張しているが、その在任期間に市町村の地方税や一般財源の歳入は増加傾向にあり、明石市の伸び率は平均的なものにとどまっている。

総務省「地方財政状況調査」

泉市長の「こども予算倍増」を可能にしたのは、全国的な景気拡大に伴う税の自然増収だったことになる。

無料化政策や「強烈な個性とポピュリスト的言動で人心を掌握」など、ベネズエラの故チャベス大統領に似たところがある。

チャベス氏は貧困層向けの無料の医療サービスや教育、住宅政策などを推し進めた、貧困層の英雄です。強烈な個性とポピュリスト的言動で人心を掌握したチャベス氏と違い、マドゥロ氏にはカリスマ性がありません。


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