時間が経過するにつれて、メディアで引っ張りだこになった「権威」のお粗末さが露になっているが、
その中でもこれ👇は酷すぎる。この程度の思考レベルの人物が「専門家」として有り難がられるようでは世も末である。
プーチン大統領が軍事侵攻に踏み切った理由ははっきりしている。
👆をロシアのプロパガンダなので信用できないという読者もいると思われるので、第三者の見解として元スイス軍情報将校Baudの分析👇を示す。"Part Two: The War"の"1. The Outbreak Of War"を読んでもらいたい。
簡単に経緯をまとめると、
2021年後半にウクライナ軍がドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を制圧する軍事作戦の準備に入る(クロアチアがセルビア人地域に行った「嵐作戦」のウクライナ版)。
ロシアがこの動きを察知→断念させるために国境付近に軍を展開して圧力をかける
ウクライナ政府はロシアの警告を無視→2022年2月中旬に前哨戦を開始
ロシアが外交的解決は不可能と判断して軍事侵攻に踏み切る
となる。「プーチンの被害妄想」よりも説得的だろう。
これ👇も軍事に無知過ぎる。
この時点👇では「劣勢のロシアの言い訳・負け惜しみ」と思い込んだ人が多かったようだが、その後の第二段階の展開を見ればロシアの思惑通りだったと判断できる。ちなみに、エマニュエル・トッドは昔から「ロシア人相手にチェスをやってはいけない」と言っていた。
👇の"The Operational Situation"と"Russian Success or Failure?"を参照のこと。
これ👇については
👆の"The Conduct of Battle"より引用。“Forward!”と“Follow me!”の違いである。
「プーチン大統領が知らなかった」と本気で言っているとすれば救いようがない。おまけに、現時点でもロシア軍が劣勢だと信じているのだろうか。
一々指摘するときりがないのでここまでにするが、この「専門家」は何を情報源にしているのだろうか。
なお、この記事では対照としてJacques Baudを引用したが、同様の分析をしている専門家は珍しくない。
付録①
日本で反ロシアの世論工作に携わるウクライナ人のツイートが、ガルージン大使の話👇を裏付けてくれる。
元々ロシア領でロシア人が多く住んでいた東部と南部がウクライナ領になった歴史的経緯を考慮すれば、このウクライナ人の主張の道理の無さと異常さが分かるだろう。ウクライナの民族主義者とキエフ政府が企てているのは、経済水準が高いロシア系地域の「浄化」と乗っ取りである。
付録②
ウクライナとクロアチアの共通点は、第二次世界大戦時に民族主義者の組織がナチス・ドイツに協力して他民族の「浄化」を行ったこと。ウクライナはアメリカが支援した2014年の暴力クーデターによってOUNもどきの武装集団が支配する異常な国になった。
付録③
ミアシャイマーの最近のインタビュー。
クーデターの経緯と実態を知っていれば、ミアシャイマーが言い続けているのは誰でも考え付くような常識的なことであって、取り立てて斬新な分析ではないことが分かるはず。
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