円安でも増えない輸出数量

貿易統計の2024年速報が公表された。

実質実効為替レートは変動相場制移行後の最安水準だが、

BISより作成|年平均

輸出数量は一向に増える兆しが無い。

財務省
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円安が景気を刺激するかつての構造から、物価(生活コスト)上昇のデメリットが大きくなる構造へと改革されてしまったことが、アベノミクスが日本経済を再興させなかった根本原因の一つである。

輸出数量がアベノミクス期の円安にもかかわらず上昇しなかった点はこれまでも指摘されてきた。輸出数量が伸びず、設備の稼働率が伸びず、したがって製造業の設備の拡大がなされなかった、という3点は実は一体である。

日本経済の故障箇所』p.139

2002~2007年の円安期(戦後最長の景気拡大期)には輸出数量が大幅に増えたが、中国経済の急成長の寄与が大きく、円安→輸出競争力アップの効果は見た目ほどではなかったことにも留意。

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