明石市の「好調」は公共事業のおかげ
兵庫県明石市の泉市長が公共事業を「悪しき利権と無駄の塊」のように批判しているが、市長が誇る実績は公共事業のおかげだったことを指摘する。
明石市は泉市長の就任(2011年5月)前の2010年11月末に内閣総理大臣の認定を受けた中心市街地活性化基本計画(1期:2010~2015年度、2期:2016~2020年度)を実施してきた。その中核が再開発ビル(パピオスあかし)の建設を含む明石駅前南地区第一種市街地再開発事業(2011~2016年度)で、2013~2016年度に区画整理費等が膨らんでいるのはそのためである。
パピオスあかしの開業が明石駅周辺の活況と関係することは泉市長も認めている。
駅前南地区再開発事業が完了した2017年には転入が急増。
泉市長はハコ(パピオスあかし)の中身を見直したことが活況の理由と主張しているが、そう言えるのも就任前に決まっていた計画の通りにハコができたおかげである。
明石市の土木費は2020年度には児童福祉費の3割弱にまで減っているのだが、泉市長の公共事業叩きに賛同する人々は「土建の金は汚い金、子育て支援の金はきれいな金」と信じているようである。子育て支援に「悪しき利権や無駄」が紛れ込まないとは言えないはずだが。