金沢で映画を撮ってました。
北陸新幹線が開通し、観光地化が進む金沢。
恋人や友人と金沢へ旅行に訪れては、21世紀美術館で映える写真を撮って、金箔のついたソフトクリームを食べて、とりあえずそんなに興味はないけど兼六園行って、満足げに帰ってくる大学やバイト先の友人をみて、
「で、結局金沢って何が有名なの?」なんてことを思ってました。
そんな私が、1/13〜26までの約2週間金沢オールロケで映画を撮ってきました。初金沢。天気は決して快晴とは言えないどんより雲でした。なんとなく、漠然とした不安が当時は大きかったのを覚えています。
ここでは中学時代のあふれんばかりの厨二病ブログぶりに、この2週間の振り返りと、備忘録と、気持ち程度の告知を込めて、文章を綴っていきます。
事の始まりは2019年9月。カナザワ映画祭の新しい試みとして、200万円の助成金をもとに、映画を作成する「スカラシップ制度」なるものが始動しました。
『愛うつつ』という作品がカナザワ映画祭期待の新人監督賞にノミネートされたこともあり、監督の葉名にもその話が舞い込んできました。
とは言え企画提出までの時間は約1ヶ月。
迷っている間も無く企画を作り、提出、そして採用。
瞬く間に映画製作が決まっていきました。
それから、映画祭を主催・運営している小野寺さんに脚本を見せては返され、悩みながら改稿したものを提出するも、また返されの繰り返しで、頭を抱える葉名の姿をよく見ていました。
今まで自主で映画を制作していた葉名にとって、出資を受けての映画製作は初めてでした。
そりゃ自主制作の映画はお金がとにかくなくて、やれることの幅も金銭や作品が持つ力の点で限られていたけど、
やりたいこと、伝えたいことを誰にも制限されることなく、ストレートに作品に投影できていたと思います。『愛うつつ』がまさにそれでした。
でもお金が出るということは、ひとりよがりの、いわばオナニー映画にはできない。
そこに携わる人に寄り添いながら、ぶつかりながら、作品を作らなければならないのです。
それは葉名にとっても、私にとっても、初めてのことでした。
戸惑うこと、悩むこと、悔しいことがなかったと言えば嘘になります。
それでも、もがきながら向き合い続けた作品。
企画から始まり、この世に生まれてまだ半年も経ってないのですが、
この作品への愛と、携わってくださったスタッフ、キャスト、そして金沢の方々への愛は想像よりはるかに大きくて深いものになってます。
映画を作るって、一人じゃできるわけがなくて、考えられないくらいたくさんの人の力があってはじめて形になるものなんです。今の日本じゃよっぽどの大作でもない限り、十分なお金ももらえない。安定なんて対極にある。それでも、いい大人が子供みたいな顔して、取り組んでいる。それが映画製作の現場なのかなと思います。
青春に年齢なんて関係ない。青春映画とかスポ根漫画でよく聞く臭い台詞ですが、この仕事を始めて、現場に出て、初めてそれを実感できた気がします。
なんて、映画製作に携わって2年そこらのペーペープロデューサーが熱く語るのも気恥ずかしいのですが、
この気持ちが原点なら、何年経っても、映画に携わっている限り、忘れずにいたいです。願わくば死ぬまで。
さて暑苦しい話はこの辺にしておいて、
ただいま、今年7/22の「タテマチ屋上映画祭」の上映に向けて絶賛編集中でございます!
タイトルは『愛に逝く(仮)』
若者たちそれぞれが愛にもがき苦しみながらそこに生きてます。どのキャラクターも普通の若者で、でももれなく主人公で、その人はもしかしたら今あなたとすれ違った人かもしれない。そんなどこにでもいる若者の愛の話です。
「愛とはなんなのか」という答えがなくて、ありがちなテーマに、葉名恒星が、キャストが、スタッフが、それぞれ最大限に頭を稼働させて向き合いながら作った作品です。観てくださった誰かの、愛への考え方を肯定できる作品になれれば幸せです。
そんな作品が、ただいま支援者を大募集しております。私たちのチームの一員として作品を盛り上げていただける方を心よりお待ちしております!
ぜひ下記リンクから詳細をご確認いただけると嬉しいです。
恥なんてありません、これが映画製作の現状です。みなさまのお力添え、何卒よろしくお願いいたします。
公式HP:
次の記事では先陣を切って作品を盛り上げてくださった、キャスト陣をご紹介したいと思います。
引き続き宜しくお願い致します!!!!!!!!!