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プロデューサーとは観測者である +vα-livはアイマスか

この記事について

プロデューサーとは観測者である。
プロデューサーには、アイドルの存在を分離、統合する認知能力が備わっており、それは可逆的なものである。
そして、プロデューサーの本質とは観測することである。

この記事では、『ETERNITY MEMORIES』を題材に、プロデューサーの本質について書いていく。
なお、今回の記事は筆者の想像を多く含むものであり、公式の描写に基づかない部分があるのでその上で読んでいただきたい。

ETERNITY MEMORIESの描写

"観測者"とは誰か

「観測者」とは、いくつもの平行世界を認知できる存在、つまりプロデューサーのことである。

アニメ本編はこちらから

マジカルアナザーランドとは

このアニメの舞台である「マジカルアナザーランド」、および「観測者」については、このような説明がされている。

ここは、シンデレラガールズの時間と記憶のテーマパーク、「マジカルアナザーランド」。
これまで彼女たちとあなたが叶えた夢や思い出、それを振り返りながら、再び体験できる摩訶不思議な遊園地。

コンダクター 5:07より

おそらく、平行世界、パラレルワールドやマルチバースといったものだろうね。

二宮飛鳥 38:29より

観測者の記憶と想いの数だけ可能性があり、過去の世界すら変化し続ける。IfでありAnother、多次元であり無限。未来と過去の双方向に永遠なのです。

コンダクター 38:49より

今宵、皆さまが目にした物語は、数多あるシンデレラガールズの世界のほんの一部でしかありません。が、観測した時間と記憶は、特異点あふれし新たな未来への扉を開く鍵となります

コンダクター 39:38より

重要なのは太字で書かれた部分である。

まず「世界」の在り方について。
このアニメによって、シンデレラガールズの物語は単一の世界で描かれるものではなく、いくつもの平行世界の中で描かれるものであることが明確に示された。
おそらく、この記事を読んでいる皆さんはこれについて疑問を持つことはないだろう。なぜなら、それが当たり前だからである。

モバマスも、デレステも、アニメも、コミックも、それぞれ描かれる内容が違う。
U149の中で第3芸能課に所属する橘ありすは、プロジェクト・クローネに所属しない。モバマスとデレステでもアイドルとしての始まりが微妙に違うだろう。橘ありすだけでなく、他のアイドルにも同じ事が言える。各々自身の担当アイドルを思い浮べてみてほしい。

次に「観測者」について。
ここでの「観測者」がプロデューサー、つまり我々であることは、『彼女たちとあなたが叶えた夢や思い出』とあることから十分考えられる。

ではなぜ「観測者」と呼ぶのか。
上述したとおり、プロデューサーはいくつもの平行世界を認知できるからである。ゲームもアニメもマンガも独立した異なる世界だが、プロデューサーはその全てを観測することができる。反対に、アイドルはそれができない。基本的にその世界から出ることはできない。

てことは、みんな顔見知りなのに、はじめましてなの?

喜多見柚 38:38より 

以上が、EMで描かれたシンデレラガールズの世界設定の全容である。
世界はいくつも存在し、観測者であるプロデューサーはそれらを認知可能である。

観測と分離と統合の認知能力


観測

ここからは筆者の想像を多く含む部分である。これを裏付ける公式描写は特にないことに注意して読んでほしい。

冒頭でも書いたが、プロデューサーの本質とは「観測すること」。すなわち「アイドルの活躍を目と耳で捉え、自分の中に取り入れること」である。

逆に言えば、知らない活躍は存在しないのと同じである。
我々はアイドルのこれまでの活躍を全て把握しているということはあり得ないといっていい。「観測者の記憶と想いの数だけ可能性があり、過去の世界すら変化し続ける」とはそういうことなのである。

観測者ひとり1人が捉え構築した過去、現在、未来があり、2つとして同じものはない。プロデューサーを始めたタイミングが違えば、いつもゲームを開く時間も違うし、各種エピソードを見る順番も、CDの再生時間やリピート回数も、そこで得られる感想も、何もかもが少しずつ違っているはずである。
そうであるなら、プロデューサーひとり1人が構築したアイドルの世界も違うはずである。

観測によって、誰かのものではなく、自分だけのアイドルとの過去、現在、未来を作っていくことこそがプロデュースの本質である。

分離

これまでに再三述べてきたのでここで新しいことに言及することはないが、プロデューサーは、デレステ、モバマス、アニメ、マンガなど、観測したそれぞれのアイドルを別の世界の存在だと考える。
これが分離の力である。

統合

仮に、「橘ありすのダイマが欲しい」と言われたとしよう。
プロデューサーは、ありすの魅力を伝えるために、ありすのことを振り返り、何が魅力で、それをどう伝えるかを考える。

例えば、橘ありすの魅力を伝えるために、モバマスとデレステとU149を材料に選ぶとする。ゲームはもちろん外せないし、U149はありすの描写が多い。量的にも質的にもきっといいダイマが作れるだろう。
このとき、統合の力が働く。

前述したとおり、モバマスもデレステもU149も世界が違う。
それなのに、ダイマを作るときは「モバマスではこう、U149でこうした一面が発見され、デレステとの繋がりは……」などと世界の境を飛び越え、どの世界のありすも合わせて「橘ありすとはこういうアイドルだ」というダイマを作ることができる。
これが統合の力である。

プロデューサーは、世界がいくつも存在し、そこに存在するアイドルは別の歩みをしていることを自覚していながら、その世界を一つに統合して認知することができる。それは無自覚に行われることがほとんどである。

例えば、「ありすがパスタにこだわりを持つのは親の影響なのでは」と考えるとき、わざわざ「U149の橘ありすが」と考える人は多くないだろう。
U149で得た理解が他の媒体で活かされることは自然である。逆もまたそうで、モバマスやデレステでの知識がU149での言動の理解を助けることもある。

第1話でパスタを食べていたシーンに由来する考察

vα-livはアイマスか

ここで少しvα-livの話をする。

アイマスポータルの紹介記事

結論から言えば、vα-livはアイドルマスターである

PROJECT iM@s 3.0VISONの施策の1つとして、vα-livが発表された。
アイマスポータルによれば、vα-livは、「配信活動を通して、アイドルに必要なスキルを磨き、トップアイドルを目指すアイドル育成バラエティ」とある。配信を始めとしたネット上の活動を主とし、支持を得ることでアイドルに近づいていくというものだ。

これまでゲームが中心だったアイマスから生まれていながら、ゲームを主としないブランドに疑問を抱いたプロデューサーは少なくない。
だが、同じくアイマスポータルの説明にはこう書かれている。

『ステップアップを許されるのは、視聴者=プロデューサーの支持を得たもののみ』

視聴者=プロデューサー
つまり、「アイドルの活躍を目と耳で捉え、自分の中に取り入れること」であり、vα-livの活動を追うこともプロデュース活動と言えるのだ。

3.0VISONのテーマは現実との融合である。物語の舞台は我々と同じ現実世界で、プロデューサーはそれを観測する。同時に、彼女たちはバーチャルな存在でもある。現実の存在でありながら現実には存在しない、インターネットという別の世界の存在ともいえる。
vα-livもまたシンデレラガールズと同様に統合と分離の力を働かせて楽しむものである。

たとえゲームでなくても、プロデュース活動ができるならそれはアイドルマスターであると思う。

まとめ

この記事では、筆者の想像も込みで以下のことを説いた。

  • シンデレラガールズの物語は単一の世界で描かれるものではなく、いくつもの平行世界の中で描かれるものである。それは『ETERNITY MEMORIES』で明確に示されたことである。

  • プロデューサーには分離の力が備わっている。分離の力とは、アイドルは媒体によって異なる世界の存在であると理解することである。

  • プロデューサーには統合の力が備わっている。統合の力とは、複数の世界の知識を共有し、アイドルを1つの存在として理解することである。

  • プロデューサーの本質は観測することである。観測とは、自分だけのアイドルとの過去、現在、未来を作っていくことである。

  • 活動を目と耳で捉え自分の中に取り入れることができるvα-livは、アイドルマスターである

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