Part5-2【解説】ストーリーコミュの小ネタ/伏線回収を深掘りしてみよう【白雪千夜】
注:当記事は2部構成です。
『Part5-1【考察】第2章完結 白雪千夜の「目的」と「理由」』の続きです。
この記事について
ストーリーコミュ79話は、まさに白雪千夜5年間の集大成ともいえる。
これまでに公開された大小様々な情報がこのコミュへと繋がっている。
この記事では、そんなストーリーコミュ79話に隠された小ネタ、元ネタ、伏線回収などを解説し、コミュの理解と魅力を深めていく。
なお、コミュの内容に関わる記事は【Part5-1】にて解説しているのでそちらをご覧頂きたい。
小ネタ・元ネタ・伏線解説
寝坊
コミュ冒頭、千夜は寝坊から始まる。
千夜が朝が苦手なのはFascinate時点で明かされており、彼女は苦手ながらもちとせのために早起きして朝の準備をしているとのことである。Fascinateのエンディングでは寝坊もした。
ソロCD同梱のドラマパートでは、自身の得意なことについて堂々と「早起き」と答えていたが、見栄を張っているだけである。
美術
千夜は美術部の部員である。
これは、フェスブラン[アマ・デトワールの烙印]で仮入部状態になり、その後の限定SSR[巡る朝、夏の夢]にて正式に入部していることが明かされている。
美術そのものにも関心があり、ウワサ①では「美術館が好き」とのことである。
ストーリーコミュにはゲストとして砂塚あきらも登場している。砂塚あきらもまた美術部員であり、専門は造形という違いこそあれど創造に一家言あるようだ。
ストーリーコミュでは「自画像を描くか否か」が千夜の心情を表すものとなり、その後の展開へと繋がっていく。
この自画像と、それを描くために必要な「鏡」もこれまでに公開された情報が元になっている。
自画像・鏡
ストーリーコミュでは、千夜は自画像を描くことに否定的だった。
作中で明言こそされていないものの、[アマ・デトワールの烙印]から考えるに、千夜が描きたいものは美しいもの、価値があるもの、遺したいものであり、そうでないもの=自分は描きたくない、ということなのだろう。
そして、その自画像を描くにあたって必ず用いなければならない鏡についても、価値のない自分を映すから嫌いだったと考えることができる。それに近い存在である写真やカメラにも苦手意識があったのかもしれない。
そんな白雪千夜が自分の分身ともいえるソロ曲を歌うに至ったということは、間接的に自身の価値を認めたともいえる。
幼少期
ストーリーコミュでは、新たな立ち絵と共に幼少期の千夜とちとせが描かれた。千夜が両親を喪う前後の時間だと思われる。
千夜の幼少期の様子は、ちとせからは[Fascinate]の特訓エピソードで、ちとせのことは千夜から[ひとり、時は過ぎて]で語られている。
両親の死・高いところ・窓際
そして、幼少期の白雪千夜を語る上で避けて通れないのは両親の死である。
千夜が12歳の時に何らかの理由で死別したことがFascinateの時点で語られており、ストーリーコミュでその詳細が明らかとなった。
白雪千夜の両親が亡くなった原因は飛行機事故だったようだ。
Fascinateで語られていた「炎が荒れ狂う夢」がここで繋がる。
さらに、「高いところが苦手」「窓際が苦手」といった情報もこれが原因であると考えられる。おそらく窓際の席に座っていたのだろう。
小日向美穂
ストーリーコミュのゲストに小日向美穂が登場している。
小日向美穂と白雪千夜の初めての共演はIsoscelesのイベントコミュである。
詳しいことはPart2でも書いたが、ここで小日向美穂が登場したことによって、コミュ終盤で白雪千夜が希望を伝え、それをプロデューサーが叶えるという展開の妥当性が高まっている。
ようするに伏線回収である。
余談だが、小日向美穂が仲間のアイドルの活動休止を案ずる展開はアニメ『アイドルマスターシンデレラガールズ』における島村卯月を彷彿とさせる。
二宮飛鳥
二宮飛鳥と白雪千夜がコミュ内で共演したのは初めてのことである。(cgSF Afterを含めれば2度目)
同一コミュ内に登場したのは『堕ちる果実』だが、そこでは会話をしていない。
他には、カフェに出かけたことがデレぽに載っている。
ConnecTrip大阪公演で不自然に『不埒なCANVAS』を歌っていたことも今となっては納得であろう。
なにより、彼女の言う「存在証明」こそが白雪千夜の打開の一手になっており、このコミュには欠かせない人物だったといえる。
ちなみに、二宮飛鳥はメモリアルコミュ5話でプロデューサーと水族館に行っている。
感情
コミュ序盤で、公園で歌う子供たちを見て千夜が歌う楽しさを思い出したシーンである。
千夜が自身の感情に気付き、それに悩む展開は『君のステージ衣装、本当は…』『Drastic Melody』とよく似ている。それに対する見解が速水奏や松永涼から語られている。
速水奏は、認めたくないものは足掻いて意地を張るという姿勢を見せたが、千夜はストーリーコミュにおいて最終的に認めるという姿勢を取った。おそらくクールとキュートという属性の違いの表れだろう。
「アイドル、楽しい?」
ストーリーコミュの結びにちとせが言った言葉である。
これは、Fascinateのエンディングが元ネタである。
明日
ストーリーコミュで千夜がステージを終えたあと、仲間が千夜に対して言った言葉である。
「明日」というワードが始めて使われたのはメモリアルコミュ2話のことである。
「アイドル、楽しい?」と同様にこれもまた白雪千夜の物語の中でキーワードとなっているといえるだろう。
名前
白雪千夜にとって名前は彼女に残された、彼女が残した唯一のもの、と本人は言う。
Part5-1でも解説したとおり、「『白雪』の名を残し続けること」が白雪千夜のアイドルとしての目的となった。
名前と密接に関わる物語はモバマスの「LIVEツアーカーニバル 霧の中の迷い子」にもある。
作中では、主人公のチヅルが名も無き神使に「チヨ」という名前を付ける。
その後、チヨは人間と妖との間に生じた問題を解決するためチヅルに力を与えるが、その代償としてチヅルからチヨの記憶が無くなってしまう(最終的には思い出す)という物語である。
劇中劇のテーマに選ばれるほど白雪千夜にとって名前は重要であることが分かる。
歌
最後に、白雪千夜と歌について解説する。
白雪千夜にとって、歌は特別なものであり、コミュ中では家族との大切な思い出として描かれていた。
Part5-1でも解説したとおり、白雪千夜にとって歌が大切であることは現在においても変わらない。
「自画像・鏡」の項でも述べたように、自分自身と向き合うことを避け続けていた白雪千夜が、自分の分身ともいえるソロ曲を歌うに至ったということは、間接的に自身の価値を認めたということである。
白雪千夜の物語の大きな節目がソロ曲の公開であったことは当然の帰結といえるのだ。
まとめ
以上、ストーリーコミュ79話に関連する情報を徹底的に洗い出し、解説・考察した。
Part5-1も含め、記事で取り扱ったカード・コミュ等を列挙すると以下の通りになる
ストーリーコミュ79話
白雪千夜+
白雪千夜 メモリアルコミュ2話
白雪千夜 メモリアルコミュ3話
[Fascinate]
Fascinateイベントコミュ 3話 4話 5話 エンディング
[白面の騎士]
[Unlock Starbeat]
[Drastic Melody]
[ひとり、時は過ぎて]
[君のステージ衣装、本当は…]
[アマ・デトワールの烙印]
[巡る朝、夏の夢]
Secret Daybreak イベントコミュ 1話
Unlock Starbeat イベントコミュ 1話
君のステージ衣装、本当は… イベントコミュ 3話
Drastic Melody イベントコミュ 3話 エンディング
Isosceles イベントコミュ 1話
HALLOWEEN GAME エンディング
ストーリーコミュ76話
Fantasia for the Girls イベントコミュ 4話
ウワサ①②
Drastic Melody
Clock Hands
もーっと目指せ! シンデレラNO.1 -白雪千夜編-
LIVEツアーカーニバル 霧の中の迷い子
[誰が為に果たす務め]+
モバマス テクニカルレッスン
モバマス レッスンエピソード
モバマス ぷちデレラ
[Fascinate]黒埼ちとせ
[アストラル・スカイ]渋谷凛
二宮飛鳥 メモリアルコミュ5話
デレぽ
白雪千夜の経験の全てがここに繋がっていることがお分かりいただけるだろう。彼女が見たもの、聞いたもの、感じたもの、考えたことの全てが、さらには彼女の周りにいる仲間の経験さえもがここへ繋がっていたのである。
もちろん、ここで取り上げたものが全てだとは筆者も思っていない。
きっと見落としや至れなかった発想もあるし、持っていないカードになにか秘密があるかもしれない。
これは、と思ったものはぜひ教えて欲しいものである。
当noteではこれからも変わらず白雪千夜の歩みを注視し、都度記事にしていく。
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