Valkyrie制作秘話③ ~Aメロ制作編~
どうも、久々の投稿Prodigiumです。最近大学もバイトも忙しくてですね…家に帰ったら食っちゃ寝する生活が続いております…。
ということで、前回から期間は空きましたが、今回は制作秘話の第3回、Aメロ制作編です。ここら辺までは割と勢いで制作してしまったので、できる限り理論立てて整理したいな、と思ったり。
さて、Aメロで特筆すべきは、8の倍数小節(8、16小節目)に現れる、Gのコードだと思います。最初の8小節のコードを整理してみると、
1:A♭(Ⅳ)
2:B♭→Gm7(Ⅴ→Ⅲm7)
3:Fm7→B♭(Ⅱm7→Ⅴ)
4:E♭→Gm(Ⅰ→Ⅲm)
5:Cm7(Ⅵm7)
6:B♭→Gm7(Ⅴ→Ⅲm7)
7:A♭omit5→Fm7(Ⅳomit5→Ⅱm7)
8:G(Ⅲ)
このようになります、見てると頭が痛くなりますが、もう少しお付き合いを。
さて、8小節目におけるGのコード、こちらは3rdにB(ドイツ音名だとHですが)が用いられています。この音はE♭-Majorのスケールには表れない音になっています。つまりこいつは所謂「ノンダイアトニックコード」なわけです。これこそが、前回言及した「新たな要素」です。
ついでに、これをTSD(Tonic, Subdominant, Dominant)で見てみると、
1:S
2:D
3:S→D
4:T→D
5:T
6:D
7:S
8:D
このようになります。かなりシンプルになりましたね。
ということで、これら2つを見比べてみると、
・前半4小節は4小節間での起承転結が成り立っており、最後は解決感が強い。
・後半4小節は一般的なTSDT進行が逆転しており、なおかつ最後がドミナントかつノンダイアトニックコードになっているので、9小節目以降への接続の強さと独特の雰囲気が醸成されている。
・1、5、8小節目(前半の頭、後半の頭、最後)は小節内でコードの動きがなく、よりコードの色が色濃く出る。それ以外の小節は、機能が同じであるふたつの和音を用いることで動きを出している。
といったことが分かります。「何を言ってるんだお前」と思った方、これこそが「音楽理論使いまくって雰囲気が最高な曲作ってみた!」です。まさになろう系並のチートパワー。私が学んだ音楽理論なんて端っこの端っこですが、この程度のモノを作れています、やはり「音楽理論は学ぶべきだ!」ということでして…(おいProdigiumステマするな)。
ということで、ここまでがコードの話。Aメロは独特の雰囲気が出ていると思うのですが、それは様々なコードが絡み合って生み出されている、というのが分かっていただければ幸いです。
ここまでで1000文字を優に超えてしまったのでここからはシンプルに(…シテ…ユルシテ…)。
まずはメロディーについて。(ピアノ地帯、シンセ地帯共通で)前半4小節のメロディーはコードを見て、構成音からうまく選んでいきました。実はそれだけ。実にシンプル。
ピアノ地帯の後半4小節は、処女作に使われている主題(メロディー)の展開形を用いました。これは私なりのこだわりで、
「新たに曲を書く際は、必ず過去の作品の主題の展開形を用いる」
というのがあるからです。変なこだわりでしょ?私もそう思う。
シンセ地帯の後半4小節は、これまでに加えてさらに動きを出してBメロに突っ込みたかったので、16分音符を用いてより激しさを増したメロディーにしています。まあそこまでは基本的に落ち着いたメロディーだったし、多少はね?
リズム隊は、前半8小節はフィルターをかけたキックだけにしました。これは試合に臨む前の緊張感を表現しました。心臓が緊張でバクバクする感じ、あれです。そして8小節目でリズム隊の動きを完全に止めて引きつけつつ、ピアノのグリッサンドと24分キックで雰囲気を一気に変えて後半8小節に入ります。後半8小節は、一般的なキックにスネアにハイハットに…と至ってシンプルな組み合わせです。リズムも裏打ち基本で区切れ区切れに少しfill-inを入れる程度。簡単ですね!(白目)
(リズムの単純さは本当に課題だと思ってるので、ちゃんとしたリズム隊を書けるようになりたいな…)
というわけで、今回はここまで。段々と書く内容が盛り沢山になってきて大変ですが(書くための時間も失われてきて大変ですが)、なんとか書き続けていきたいと思います。
次はBメロのお話です。1番時間がかかったところであり、1番こだわったとこでもあります、ぜひお楽しみに。
では、良いDTMライフを!