迷い

言葉にならない、情けない悩みがある。
これからどうすればいいかわからない。
私は、理系で今年受験生だ。毎日勉強や進路のプレッシャーに追われている。正直怖い。コロナ禍、共通テスト、いろいろなどうしようもない現実に降り舞わされながらも自分の夢、目標に向かって毎日を全力で送っている友達や同級生がたくさんいる。

僕は...夢も目標もない。だから勉強もそれなりにしかやってきていなかった。校内でも中の下あたりの成績で、何処の大学に行きたいとかもない。
避けようのない進路選択は、考えが甘いまま理系に進んでしまった。でもそれも少しはしょうがなかった。本当になりたいものがなかったからだ。
その後はその選択への不安、若干の後悔を忘れるために、勉強をしてきたつもりだった。でも本当に決心できていたわけでもなくて、学校を休みがちになってしまった。半端な決心とともに半端な生活を送ってきてしまった。

さっきは夢も目標もない。といったど、本当にやってみたいことがないわけじゃないんだ。
「喫茶店を開きたい」それが今一番明確に考えれる将来のこと。
もともと料理や菓子作りが好きで、バレンタイン、ホワイトデーの時や時間ができたときにお菓子を作ったり、小学校の時から母に夕飯のレシピを教わったり、手伝いをしたり、高校に入ってからは自分で手軽にレシピを調べれるようになって、親がいないときは好きなものを作っていた。
今までは料理が好きなだけで、それを職業にしたいとは思っていなかった。
でもこの１年の間で、自分を動かす出会いがあった。

１つはyoutubeで同じ県でレストランを経営している人の動画を見たことだった。レシピ動画とは違いそのお店の雰囲気を感じることができるその動画に料理人という職業が頭の中に生まれた。

２つめは、地元を盛り上げようとしている同年代の活動がとても輝いて見えたことだった。「自分も地域を盛り上げるようなことをしてみたい」と思った。

でもそこまで自分を突き動かした出会いがあったにも関わらず、「理系の大学を目指している」という自分の建前を崩すことが怖くて、考えられない。
さっきのような出来事のことを話せば、もしかしたら友人は賛成してくれるかもしれない。でも今までよく考えもせずに適当に進路選択をしてきてしまったせいで、理系を勉強するために塾に通わせてくれていた親や親身になってくれていた塾の先生になんて言ったらいいかわかんない。そもそも本当に料理人になりたいのかもわからない。

自分を整理できない。今度こそ正しい選択をしなければいけないという焦りと自分の中で肥大し続ける不安を正面から受け止める勇気がない。