ギミックプロジェクトを10年続けてきて
2013年6月30日に前職の会社を辞め、2週間の準備期間を経て、2013年7月16日祇園祭の宵山の日に、ギミックプロジェクトを起業する。そう今から丁度10年前のこと。それからどうにか10年会社を続けてきており、7月1日に11期目に入ったところである。
本当10年はあっという間である。あっという間であるが、色々な事があった10年間である。設計建築事務所の営業マンであり、新規事業開発を担当していただけで、セールスフォースのコンサルタント業務を生業にする会社をSierでの経験なしに立ち上げるなんて、普通はやらない話。普通はSierに入って修行するなり、セールスフォース・ジャパン社に入り、色々とやってからならば、まあ色々な経験の元に起業もしやすいはずだし、業界としてのセオリーも色々とわかる。それをすっ飛ばして、ユーザーサイドからパートナーサイドに来たわけだ。
ただこれは、デメリットも多いが、メリットもある。そうセオリーを知らないから、それらに一切捕らわれずに仕事の仕方を進めているという点だ。勿論その結果時間がかかったり、失敗を重ねることもありえる。ただ、それらもいい経験になるわけだ。それと、絶えずユーザーサイドに立って仕事をしていきたかった点もある。どうしてもこちら(パートナー)側の理論で仕事をしがちであるが、ユーザーの時にベンダーやインプリベンダーにこうして欲しかったのに、なぜしてくれないんだろうと思う場面が何度もあった。特にセールスフォースの地方ユーザーグループとして、ルーキー会関西を立ち上げ、他のユーザーと色々な話をしていく中で、同じように感じている企業が多いこともわかった。じゃあ、それに応えるようなことを仕事としてやっていけば、ビジネスチャンスがあるんじゃないのだろうかと。そうして10年前に立ち上げたのがギミックプロジェクトである。
とは言え、こちらの想定通りに仕事が採れるものではない。まして、経験もなく、顧客リストも無い訳だ。初めは過去の設計建築事務所の取引先を前職の許可の元、リストとして作成し、挨拶訪問の毎日。3か月で300人ほどと会ったがクラウド(コンピューティング)は聞いたことがある、知っている人はそれなりにいたが、セールスフォースと言う社名を知っていたのは3人だけだった。勿論それだけ知られていないのだからと前向きには捉えていたものの、なかなか受注にはつながらない日々。一年目は燦燦たる売上結果であったものの、二年目ぐらいからは、初めの挨拶訪問した先から、こういった時に相談をかけたらいいのかとご連絡が入るようになり、どうにか仕事ができるようになっていく。
大きな転機は、アプリベンダーさんからの仕事の依頼でしょうね。一年後の暑い夏の日アプリベンダーの営業さんから電話が入る。大阪の料理学校さんに導入済みのBIツールの更新の提案をされたとのことですが、先方からの要望がかなり複雑であると。それをクリアしないと、最悪解約の方向だと。その為には大掛かりな改修が必要であるが、それができますかとの連絡であった。一社導入済みではあるものの、まだまだ経験不測の身。できるかどうかは何ともわからないものの、まだまだリソースは余っている状態。まずは話聞きますとのことで、京都駅前の居酒屋で東京からのメンバー複数名と合流。その日のお客様との話を聞かせていただき、やるべきこと、作るべきボードの話を色々と聞く。結構な工数がかかることと、難易度が結構高いことが予想されるものの、酒の力も借りながら「やります!」と即答。
その後の半年は、この案件にかなりの時間をかけることに。そもそものセールスフォースの作りが厳しかったので、ボード側の構成も結構むずかったのだが、何日か徹夜もしながら、どうにか年末リリースに。お客様から感謝いただくと共に、その後はそのベンダーからセールスフォース絡みのややこしい案件はギミックプロジェクトに任せたらいいんだと、東京の案件もいくつか舞い込む。まあ、こちらしては嬉しい事だし、結果マニアと言う称号までいただくことに。
勿論いつもいつも上手くいくことばかりではなく、残念ながら上手く活用が進まず、解約されたお客様もいくつかある。こちらとして非力な部分もあり、お客様の満足を勝ち取り切れていない部分もある。それらを克服していくには、こちらのスキルも高めながらお客様に寄り添い、一緒に活用ができるように誠心誠意努めていくしかないと思っている。効率は大事だが、効率だけではできない部分も多い。やはり、人数ももう少し増やしていきたい。そんなことを考えながら、一歩一歩今後も進めていければと考える。そんなこんなで、ギミックプロジェクトと今後も色々とお付き合いいただければ幸いです。あと、この会社で一緒にやりたいという声があれば、是非ともお声がけを。
2023年7月16日 祇園祭宵山
ギミックプロジェクト
代表取締役 山口純平