CEOの見極めと口説き方:リモート時代の戦略
CEOを見極め、口説き落とすプロセスは、まるで熟練した職人のように細心の注意と計画が求められます。現代ではリモート環境やSNSが普及し、従来のアプローチに加えて新しいツールや視点が必要です。本稿では、CEOの「見極め」と「口説き」の両面について、リモート時代ならではのポイントを中心に解説します。
見極め方のポイント:テキスト、評判、情報収集
1. テキスト文章に表れる本質を見抜く
リモート環境では、テキストベースのコミュニケーションが増えています。ここに個性や思考の癖が表れます。
誤字脱字や文法の乱れ:文章が雑な人は思考や行動も雑な傾向が。逆に整然とした文章を書く人は計画的。
相手への態度:丁寧な語調か、上から目線か。コミュニケーションの基本姿勢をテキストから判断できます。
実例として、ある有名経営者は誤字が多く、やや横柄なテキストを送る傾向がありました。その人物は後に某企業のCEOに就任しましたが、就任後にパワハラ問題が表面化。このように日常的なやり取りは相手の本質を知るヒントになります。
ちなみに私はCEO候補の方と面談するときに、敢えてメールのやりとりを少しだけ多くしています。レスのタイミングもありますし、忙しい先方の手を煩わせるのは心苦しいですが、比較的、実績のある経営者の方はマメでレスが早いことが多いです。おそらく社内でも同様なのでしょう。
2. 評判を徹底的にリサーチ
信頼できる情報源をたどり、業界内での噂や過去の行動を掴むことも重要です。
「友達の友達の友達」ネットワーク:業界内の口コミを調べ、本人だけでなくその会社や業界での評判も把握する。
情報収集は粘り強く:信頼できる人物からのフィードバックを得ることで、偏った見方を防ぎます。
外から見ていて良い情報しかない方であっても、経営者界隈では色々な評判がある方がいます。最終的には自分の目を信じるしかないです。ただ、情報は多く持っているに越したことはありません。火のない所に煙は立ちません。スタッフクラスと違い、すべての権限を管掌するCEOポジションです。ここは一番時間をかけたいところ。
3. 徹底した情報収集で「会いたかった」を伝える
相手へのリスペクトは事前準備で表現されます。以下を徹底しましょう。
経歴や趣味を調べる:学歴、部活、趣味、本の執筆歴などを把握する。本を出している場合は必ず読んでおく。
共通の知人がいれば活用:共通点をアイスブレイクに活用することで、会話がスムーズに進みます。
SNSの活用:日系の経営者はFacebook、外資系ならLinkedInでの情報収集が有効。
さらに、AIツールを駆使することで効率的な調査が可能です。ただし、AI検索には限界があるため、自分の手でも調査を進めるのがベストです。事前準備にどれだけ時間を費やしたかが、相手への敬意を示す指標となります。そして、いやらしいですが、お会いした時には、それとなく自分が調べた情報を混ぜ込むと良いでしょう。特に経営者の方に自己紹介を求めるのはナンセンスです。先に調べておきましょう。
口説き方の戦略:信頼を勝ち取るための時間と工夫
1. 時間をかけて信頼を築く
CEOは「一見さん」を信用しません。信頼構築には長期的な関係作りが欠かせません。
転職のタイミングを見極める:
就任後3年目:キャリアについてパートナーを必要とする時期。
就任後5年目:転職を検討するタイミング。
候補者の動向をデータベース化:
連絡頻度やコミュニケーションの内容。
現職での成果や課題。
キャリア志向性の変化。
会社規模や業態によって変わりますが、5年前後で変わる経営者の方は多いようです。会社のフェーズが変われば求められることも変わります。人事異動ニュースや有報を見ながら、どの様なフェーズの会社にいて、就任何年になっているのか。ネットに落ちている情報であればAIが拾ってくることができます。
2. SNSを活用した戦略的アプローチ
現代の名刺代わりとも言えるSNSを活用し、相手との接点を作ります。
自己開示を意識:相手に警戒されないためには、自分の専門性や人間性を示す投稿が重要です。
信頼を得るための配慮:ヘッドハンターを装った詐欺の報道もあり、CEOがSNSでの接触に警戒心を抱くこともあります。この背景を理解した上で、慎重な言動を心がけましょう。
以前は手紙や電話によるアプローチが多かったヘッドハンティング業界ですが、最近SNSを用いたアプローチが増えています。リモート環境になり出社することが限られるようになったことも一因だと思います。また、多くの経営者はSNSを利用するようになりました。
まとめ:リモート時代に必要な戦略とは?
CEOを見極め、口説くためには「準備」と「時間」が鍵を握ります。テキストや評判、SNSを活用して徹底的に情報収集を行い、信頼関係を築くことで初めて扉が開かれるのです。リモート時代におけるこれらの工夫が、未来のビジネスパートナーを得るための成功法則となるでしょう。