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ウルトラマンとの衝撃的な再会(2)

さて、前回、突如私の前に現れたウルトラマンブレーザーという存在。

第1話を観て衝撃を受けた7月。
全話は観れず、第1~3話、そして第7話、第8話を観て更に衝撃を受けました。
そして、自分の"好き"が感覚的に反応したというところから、更に掘り下げたところ、なるほど、"好き"な要素が多分に含まれている、ということに気が付きました。

現在公式にて無料公開中の
 第7話:"虹が出た 前編" ※YouTube 2023年9月8日まで公開
 第8話:"虹が出た 後編" ※YouTube 2023年9月15日まで公開

こちらについて、感じたことを書いていきます。
今回もネタバレが含まれますので、まだご覧になっていない方は、是非下記からご覧になって下さい。
(YouTube 公式チャンネルです)


視聴して感じたこと

こちらはもう前編、後編のストーリー両方を観て頂きたいと感じました。

人間と自然についてのお話。

君にとって怪獣とは何かね?駆除すべき相手か?

ウルトラマンブレーザー第7話 ヨコミネ教授

確かに人間はこの星の自然を破壊してきました。
ですが人間も自然の一部です、その人間を滅ぼそうというのは、この星の生態系への冒涜ではないですか?

ウルトラマンブレーザー第8話 テルアキ

生物は絶滅を繰り返す、それも自然の摂理。

ウルトラマンブレーザー第8話 ヨコミネ教授

この一連の会話。
どれも頷くしかないやりとり。
どう進むのかと固唾を飲む。

あくまで現代文明を洗い流すだけだ。
そして生き残った人類は、新たな道を歩き出す。
親から子へ、子から孫へ、自然の恐ろしさを語り継ぎながら、今とは違う文明を築いていく。
それが私の願いだ。

ウルトラマンブレーザー第8話 ヨコミネ教授

他の生き物はどうなるんです。
草木や虫や動物たち、そして怪獣すら洗い流そうというんですか。
生きたいと思う気持ちこそ、全ての生物が持つ、絶対に奪ってはいけない一番大切なものではないんですか?

ウルトラマンブレーザー第8話 テルアキ

前編での問いかけ、そして後編での問いの回収。

正しいな。
正に真理だよ。
だが同時に2つの正解はあり得ない。
君か、私か、間違った方が淘汰され、正しいものが生き残る。

ウルトラマンブレーザー第8話

切り取り方が違うだけで、どちらの意見も"正しい"。

心の中でもやもやしていたものが少しだけ、澄んだような気がしました。

この世に"正解"はない

大人になってから聞くようになった言葉。
この言葉を、音として、文字として、考え方として理解しようとしてきました。

でも、分かっている気にはなっても、気が付けば日常の中でも無意識に正解を探そうとして悩んでいる自分がいる。

外来種の持ち込みや、温暖化によって生態系が変化する。

固有の生態系を守ろう、外来種を駆除しないと。

そんな時、固有の種が残って欲しい、という気持ちもある半面、長い歴史の中で徐々に生息範囲を増やして進化を遂げた生物、そして絶滅した生物は数えきれない程いたはず。
人類の文明の発展と共に、生息範囲を急激に広めることに繋がったかもしれないけれど、それは人間が生まれる前から繰り返されてきたこと。

外来種と怪獣が重なりました。

そして日常の様々なことに対して、正解を求めて思い悩む自分がいたことが重なりました。

絶対に何か良い方法、最適な方法があるはず、と。

でも

この世に1つだけの正解はない。

ウルトラマンの隊員と怪獣専門の教授の会話から、改めて感じたことでした。

だから世界から意見の対立が消えることはない…

幼い頃、争いのない平和な世界が正解だと思っていました。
今、私の中でそれが正解ではなくなった、訳ではありません。
でも、人の数だけ正解があって、この世の中には、私が知り得ないことが数えきれない程、それこそ感覚としては無限に広がっている。

何も知らない自分が考えたことなど、本当にちっぽけなもの。
考え方は1つだけじゃない。

"正解はない"

でもここで、1つだけ改めて分かったこと。

私が正解だと思っても、他の人にとって正解ではないかもしれない。

そう思った時、私の中で正解だと思っていたものが、途端に不安定なものになる。

でも、人の数だけ正解がある、ということは
私の中の正解も

正解である

新しい知識や知見で、その正解は変化することもある。
論理的ではないことを正解だと思おうとしているかもしれない。

でもそれには、自分が認識しているか認識していないかを含め、感覚、感情、様々なものが影響している。

それは、誰が何と言おうと、私の中では正解なのだ。

揺らいでも良い、時には全く対極にあったものが自分の正解になっても良い。
ただ、自分の中で正解だと思うことを、間違っている、正解ではないと決めつけてしまうのは違うのではないか…


少しだけ、自分の中で理解し始めたような気がしました。

そして、正解、も、正義、も同じもの。

万人にとっての正義は存在しない。

だからこそ逆に憧れるものもある、
と、ふと思い出しました。


鳥肌が立つ程の

さて、ここからは気付きではなく、自分の好きについて。

第8話の視聴中、
2話構成の物語もクライマックスに入ってきた瞬間でした。

鳥肌が立ちました。

しかも首筋や背中上部のような部分的なものではなく、手や足までばらばらと。

丁度、公式チャンネルの動画だと22:50から終わりまでの下り。

何度も繰り返して観てみました。
毎回鳥肌が立つのです。
もう何故か分からないけれど、何回見ても鳥肌が立つ。

これは貴重な体験、もうここまで体が反応してしまうということ、これは"好き"について真っ向から向き合う最高のチャンス。

鳥肌が立つシーン

鳥肌が立つ瞬間、それは何度見ても毎回同じ。
22:49からエンディングまで。
繰り返し観ました。
(この動画の時間は、公式チャネルのCM箇所を含む時間です)

  • ヤスノブがアースガロンで攻撃(23:00)

  • 攻撃が命中し怪獣(虹蛇紙:ニジカガチ)の額から虹が出る(23:12)

  • それを見たウルトラマンブレーザーが気が付く素振り、そして飛び上がる(23:19)

  • オープニング曲がカットイン(23:20)

ぞわぞわと鳥肌が立ちました。

  • ウルトラマンブレーザーが虹を掴む(23:25)

  • ゲント隊長の右手が映し出され、ウルトラマンブレーザーに向けて語りかける(23:30)

  • 新たな虹の技を会得し錬成のようなポーズ(23:53)

  • 技が完成し、手で掴み体勢を整える(23:58)

  • ニジカガチへ向けて攻撃を投げる(24:10)

  • 攻撃がニジカガチを一刀両断(24:12)

  • ニジカガチが内側から熱を発するかのような光を放つ(24:13)

  • 虹色の光を放ちながらニジカガチが真っ二つに割れながら爆発(24:16)

  • 二段階目の大きな爆発で四方に虹色の閃光が走る(24:17)

  • 四方に走った虹色の閃光が消え、最後に空へ向かって虹がのびる(24:21)

ここまで鳥肌が立ったまま。

この流れがあり、その後のエンディングまで1セットで、永遠と繰り返し観ていられました。


鳥肌シーンの深堀

挿入歌

先ず確実に言えるのは、オープニング(僕らのスペクトラ)の存在です。
この曲自体が"好き"であることは間違いなく、
この曲が鳥肌に大きな影響を与えていることは確かです。

このシーンでこの曲は冒頭からカットイン、そこから1番のパートがバックで流れながらシーンは進行するのですが、途中で曲編集が入り、早めにサビへ入ります。
そして最終的に怪獣を倒し、その後の余韻を持たせる箇所で一緒に終わるように編集されています。
曲自体の余韻も相まって、倒した…という余韻と、虹を見送るような余韻。

曲単体を聴く際には、そこまで鳥肌が立った覚えがないので、映像効果も相まっての鳥肌だったということは確かなのですが…私自身が少々想像力豊かなようで、該当シーンを音声のみで視聴した際、映像が脳内再生されてしまい鳥肌が立ってしまいました…
同じく、音声ミュートで映像を視聴したのですが、脳内で音声が再生されてしまい、鳥肌が立ってしまうという…

少々、繰り返し視聴し過ぎたようです。

そう言えば小さい時に、スタジオジブリのもののけ姫のサウンドトラックを全曲聴く間に脳内で音楽に合わせて台詞が言えた記憶があります。
(流石に今は一部忘れている気がしますが、一時は全部覚えていたかもしれません)

繰り返し観る、聴いたからということもありますが、そんな記憶力一体何処に今あるのだろう?と少々不思議に思いつつ、そんな頃に働いていた脳の何かが今回働いたようです。


虹を掴む

掴めないはずのものに手を伸ばし…そして掴む。

何故、虹を掴もうと思ったのか?
そして、その後ゲント隊長は恐らく無意識でウルトラマンブレーザーに"力を貸してくれ"と呼び掛けたのか?

虹を掴もうとすること、これ自体は、恐らくゲント隊長の直感、またはウルトラマンブレーザーと思考の一部を無意識に共有したからの行動としか言えないかと思うので、外野からは推測しか出来ません。

でも、ここで、

掴めないはずのものに手を伸ばして掴もうとした

ここが私にとって鳥肌が立つ前振りになり、そこへオープニング曲のカットイン。
これから何か大きなことが起こる、としか思えない一歩先の想像をかき立てる、そして、その後に正面からしっかりと虹を掴む姿を収め、更に援護するようにテルアキが"虹を、掴んだ…?!"と信じられない、いう表情で再度ゲント隊長へシーンのバトンを渡す。

そして、その上で、ゲント隊長の心の声がウルトラマンブレーザーへ向かって放たれる。

"ブレーザー頼む、力を貸してくれ"

そこには、ゲント隊長からウルトラマンブレーザーへの信頼が感じられるような台詞。
"ウルトラマン"でも"ウルトラマンブレーザー"でもではなく、"ブレーザー"と呼ぶ辺り、自組織の隊員名を名前、あだ名で呼ぶことを最初に宣言したゲント隊長らしいのかもしれない。

ブレーザーの新技

ブレーザー本人が新たな技を出す際に、両手を胸の前に合わせて錬成(鋼の錬金術師をご存知の方だと想像しやすい単語でしょうか?)のようなポーズ。
ここからのCGと動きの一体化が違和感ゼロの親和性。
私がこういったCG合成の映像を見な割れていないこともあり、これが最近の標準レベルなのかどうかも分かりませんが、もう世界観にどっぷり漬かれるCGでした。
回転する虹色の技(最後にレインボー光輪と命名されそうな流れでした)を掴み、投げるシーン。
横からの技を放つシーンはまるで全力投球シーン。
ウルトラマンサイズの通常スピード(スローモーション)で、投げ切った後のブレーザーの手足の動きや顔の動き。
スーツアクトの方、動きが、勢いを感じて好きです。

怪獣が閃光となる

攻撃が命中し、怪獣が爆発するシーン。
ここのじわじわ光が溢れ、一気に爆発するシーン。
この虹色の閃光が大変綺麗。
虹色、銀河を思わせるような色使い、ただただ、大好きな色合いで、その上CGとしても違和感がない空間でした。

その後虹だけが残ったシーンでは、それを見送るかのようなカメラワーク。
少ししんみりとする戦闘最終シーンとなりました。
息を飲む、あっと言う間の出来事でした。


好きな要素の深堀

先程の鳥肌シーン以外の場所について、好きを深堀してみます。

  • "これなら、宇宙から何が来ても撃墜出来るな"(15:22)
    →ヤスノブの攻撃1発目失敗時に弾丸が引力気を脱したとの報告を受けて、ゲント隊長がヤスノブに返した言葉。
    失敗に対してのリーダーの声掛け、これを瞬時に出来ること。
    嫌味なく、相手の気持ちを下げず次の機会へ繋げる。
    格好良い。

  • テルアキの説得シーン(16:12)
    →説得相手であるヨコミネ教授の著書から感じ取ったことを、言語化し、認めつつも、もう1つの自分の正解へ導く。
    教授に関することで賛同する部分まではBGMなし、そして、テルアキが見つけた正解の台詞から徐々にBGMが入ってくる。
    台詞と間、そしてその盛り上げに合わせて、丁寧なBGMの曲調、音量調整がされているように感じた。
    また、BGMの終わりと共に、ニジカガチの活動状況確認へシーンが以降し、一連の説得シーンが終わる。

  • 倒れたウルトラマンからアースガロン平面へのカメラワーク(22:50)
    →ウルトラマンブレーザーとニジカガチの戦闘シーンが続き、アースガロンが忘れられていた頃にウルトラマンブレーザーがニジカガチの攻撃で倒れる。
    自由には動けないもののレールキャノン1発くらいなら打てる、という状況で待機していたアースガロンへ、そのまま横スライドでカメラが移動。
    あ、ここでアースガロンが何かやってくれるのでは?と思った瞬間に、攻撃準備の機械音。
    1テンポ遅れて、アースガロンを振り返るニジカガチ、この間が特撮独特だと感じた。
    お約束、ではあるものの、慣れ親しんだ心地好い間なのかもしれない。

  • ヤスノブの攻撃(22:57)
    →前のシーンで同様の攻撃を実施しているが、失敗に終わっている。
    それでも勝機を見出して再度発射。
    前の失敗があってから、の攻撃だからこそ意味がある、鳥肌シーンへの盛り上げ要素の1つと感じた。

  • 弾頭発射時の効果(23:05)
    →弾頭発射時からスローモーションになり、発射後が細かく描写され、BGMなしで効果音のみに絞られている。
    効果音の発射時の爆発音のような後、弾頭本体が出てくる際に周辺パーツが燃え尽きて剥がれ落ちていくような描写時の効果音が何だか心地好い。
    音の粒も映像との親和性が高いように感じた。ゆっくりと弾頭を見送る際の、静けさに息を飲む感じ、自分の心臓の鼓動を感じる瞬間だった。

  • テルアキが教授にサインを求めるシーン(24:47)
    →そう来るのでは?と思ったシーンではあったものの、予想以上に憧れの人にサインを求める時の演技が好きだった。
    (自分も同じ状況であればそうなりそう、という共感が大きかった)

  • テルアキ実家のトマトシーンで流れるBGM(25:39)
    →静かな入りの曲、会話中少し流れ、好き、と感じた。
    その直前の基地でのヤスノブ、アンリ、エミの会話シーンではBGMなしで和気あいあいとしている分、テルアキ、ゲント隊長の2人の静かな会話シーンがBGMで際立ったように感じた。

  • 教授が嫌疑不十分で釈放(26:00)
    →誰も悪者にならずに終わった、という安堵感。
    そして、関係者以外から見た時の判断が現実味ありと感じた。
    "あれだけ強力な怪獣が、一人の人間にどうこうできるはずないってさ"
    そして、そのゲント隊長の言葉を聞いて少々安堵しているような表情をするテルアキも現実味があった。

  • きっと今頃、どっかで釣りでもしてるんじゃないかな(26:14)
    →ありそうな台詞ではあるのに、台詞の間の調整、BGMの盛り上がり部分が加わり、何とも言えず好きだと感じた。

  • 夏の入道雲と川、そして中央で教授が釣りをしている後ろ姿(26:22)
    →このシーンはゲント隊長の台詞から切り替わった際に、BGMの盛り上がりが重なっていて、自然界の中、でもその中には人間が作った送電線の鉄塔や電波塔、民家が映り込んでいる。
    その中にぽつんと釣りをする小さな教授の後ろ姿。
    地球の造り出した全くの大自然の中、に身を置いているのではなく、敢えて人間が作り出したものと自然の間に居る…怪獣の目を通して人間を愛した、を表現しているように感じた。
    眩しい程の青空に大きな入道雲、実はよく見ると少し不自然な雲の発達の仕方をしている。
    恐らく雲が発達するのをここだけ早回しで合成しているのではないかと推測。
    また、直前のゲント隊長のシーンは曇り空。
    このシーンとの空の対比、そして曲の余韻と合わせて雲を早めに発達させることで、夏の終わりに見上げる入道雲の眩しさ、そして壮大な風景を見る時に感じる何だか物悲しい感じ、を思い出したような気がした。
    それが見事BGMと合わさって、何度か見返すと、このシーンは鳥肌とは全く別の切り口で、私の中で重要なシーンだと感じた。

  • 釣り中の教授が怪獣の声を聴いて嬉しそうな顔(26:26)
    →教授の強張っていた顔が、ハッとしてから少し探すような素振り、そして嬉しそうな懐かしそうな顔になり、何かをかみしめているような顔になる…
    自分が起こした行動、そしてそれに伴い人間の世界での裁きを受け、釈放となり、物思いに耽りながら釣りをする。
    そして、自分のせいで失われてしまったかもしれない怪獣の声を聴いたような気がして、きっと嬉しさと安堵があったのではないかと想像させられた。そして純粋な怪獣が好き、という気持ちも。
    この最後の表情、私が空を見上げている時、自分もこんな顔をしているのでは?と共感。
    そして、演技力のえの字も分からないですが、教授の役者さんが凄い方なのでしょうか。
    ヨコミネ教授は実在の人物なのでは?と思う程、でした。

  • エンディングの入り
    →ヨコミネ教授が嬉しそうな顔になったところからエンディングへ。
    1つの大きな物語が終わった、と感じた。


何処がどのように好きなのか?ということを言語化しようとすると、かなりマニアックな感じになっていきますね…
ここまで詳細に分析して、書き出したのは初めてです。


最後に

もうこの第7話、第8話だけで1つの映画のような満足感があり、これだけでもうウルトラマンブレーザーの生い立ちだとか、もう知らずに終わっても満足だと思ってしまいました…

が、次回予告が映った瞬間…

え?東儀さん?!何やってるんですか?!
(東儀さん=東儀秀樹さん、日本の雅楽奏者)

まさかの東儀秀樹さんがウルトラマンに楽団の団長として登場することに、どれだけリッチな番組なのかと目が丸くなりました。

これは、

観るしかない。

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