第3回ラジドリコロシアム感想2
紫月探偵事務所の作品
仕事を辞めた男が電車で知らない土地に行く話
キャラクター少なくてスっと入ってくるストーリー。1回目聴いた時はスっと入って出ていった。
春先、5月位ですかねぇ...GWくらいに辞めていく人は確かに何人も見てきた。
日々の暮らしの中で悩み疲れて何もかも投げ出したい時はある、でもそれではダメだと分かっていても脱却する方法を知らなかったりキッカケが無かったり。
さて作品は電車で当てどなく遠くに来た所からスタート。憧れますね、鈍行列車の旅。
そして降りた町を散策してると田植えをする子供の集団と遭遇し、泥を浴びてしまう。紫月さんはコミュ障の陰の者なんですかね。教えてあげますよ、子どもに泥かけられたらね、まず整列させます。ここに、並べと。そして目線を同じ高さにする様に腰をおろして言うんです、目を見て。「ごめんなさいは?」って。
そして明らかに陽の者が声をかけてきてピアノを運ぶのを手伝ってくれと言ってくる。「はい」という紫月さん。たぶんこの陽の者はガタイも良くて断ってもしつこく迫ってくるタイプ。
それを一瞬で見抜き、機嫌を損ねないように「はい」と。ご立派。
陽の者の「ちょっと待ってろ」はだいぶ長い。
そして田んぼの男と運命の再会。ゲームなら内部の好感度ゲージが上がる演出発生。そして部外者を巻き込んだ非礼を謝る前に名を名乗る陽の者好き。
「コウダイ君はいつもそそっかしいから」
ただならぬ2人の関係性が一言に濃縮されている。コウダイ君はそそっかしいのではなく「いつも」そそっかしい。そう、いつも。いつも2人で何してるんでしょうね。そんなそそっかしい所も可愛いな、みたいな。
そして田舎特有の強引さで身の上を語り出す。
うんうん、お前らの育った環境ならの話な。
と、言いたくなる有難い話をしてくれる。
「素敵な考え方ですね」
紫月さん、我慢しなくていいんですよ。
もっと苦虫を噛み潰したような声で言って良いんですよ。
ほたかさん?の過去の独白が爽やかで、それが怖い。あのトーンでシリアルキラー役とかやって「こ○しちゃいました」とか言われたら最高だなぁとか思って聴いてました。
自ら作った壁を無い物かのように陽の者はぶち壊してくる、というのがよく分かる良い作品でした。3回聴いて好きになりました。
ポロンクセマ
初めてのようなおつかい
ひきこもりと母の話。
冒頭のゆうくんの第一声「今無理ー」が最高すぎる。モニターでもみながら背面の扉に向かって首上げて言ってる、みたいな姿が浮かぶし、「なんやコイツその態度」という気持ちにもなる、上手い。
狭そうな部屋、新しくは無さそうな家
少しやつれた母、でも凄く綺麗な人で愛情深い人なんだろうな。一人っ子かな。愛する我が子だもの、何もかも許して育ててきて、もういよいよ限界、という感じがジワジワと。
お母さんの「頑張ろう、ちょっとくらい頑張ろうよ」がもうなんとも言えない気持ちになる。
そこからの「もうやだ」「大人になってください、お願いします」までが聴いてる側をお母さんサイドに立たせてくる。そうはさせんぞ、頑張れゆうくん。ATフィールドが壊れそうだぞ。
そして僕が1番好きなシーン
「履歴書書くか」と書き始める後ろで流れる「あ、ここから明るい展開になって感動する流れだ」みたいなBGMが流れ始める。
「ホントかよwwww」と思わず口に出た。
ごちゃごちゃ言い訳しまくって逃げてたゆうくんが行動を起こす。そうだ!頑張れ!と視聴者は感動曲と共に展開を見守る。履歴書のそんな所はどうでも良いよゆうくんwwwとか思いながら微笑ましく見守っていると「履歴書ある?」と、地獄みたいな現実社会の声がくる。
ここで思い出す訳ですね「あ、これやまさんの作品だ」って
ゆうくんからしたら怖いよね、この店長。
あと妙にコンビニ面接がリアル。
「うち結構忙しいのね?」から始まる業務説明は普通に優しい感じだけどゆうくんにはキツいよなぁ。
久々の面接で緊張しまくってるゆうくんにはキツかった。テンパってダッシュで逃げ帰ってしまうゆうくん。
お母さんに泣きながら謝るゆうくん。
普通の面接だったけどゆうくんにはそう聞こえてたんだなぁっていう言い訳がまた良い。でも
偉い偉い、結果はどうあれ行動したゆうくんが偉い!と視聴者は思う。
やはりこれは感動作品なのかもしれない。
最後の「普通に働け!」がめちゃくちゃ心に響く人は居るんだろうなぁ...。
花魁のやつ 深く体酔う鼠
「失礼いたしんす」と、冒頭のセリフでこれが花魁ものか?と思わせる。
花魁...遊郭。
難しい題材。まず今と時代が違う、時代が違うという事は生きている人間の価値観も違う。
それに言葉遣いや専門用語。用語が分からないとスっと話が頭に入ってこない。だがあえてこの遊郭で花魁という箱を持ってきたのには理由がもちろんあるんでしょう。
やりたい話を書きましたのでつべこべ言わずに聴きなさい、と言われた気がする冒頭でした。
そして花魁大、中、小の遊郭でのやりとりと続く。
冒頭の「梅の木を送るから一輪咲かしてくれ」
のセリフがもう後半かな「梅が咲いた」と来るので、あぁ花魁小の事だったのかとわかる。
が、まだ何故かまではボヤけてる。
「花折新造のおねーーりーー」と声がかかる。
キャストを見るとその他声/詩奶とあったので驚愕した。こんなおじさんのような声が出来るなんて...これが1番驚いた。
あと花折の新造出しに藤のお姉さんが同行してないのにも驚いた。大体姉さんが付き添うものだと思っていた。
まぁそれは良いとして、この後に藤の姉さんがとんでもない事を言うわけです。
「やっとクナイが持てる」
そうNINJA
ワカラナイ。何故NINJAなのか。
ただ身請けされて去るだけではダメでNINJAである必要があった理由が僕には読み取れなかった。凄く悔しい。
花折の声の人が子犬みたいで可愛かったです。
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