時価総額上位の企業にも倒産事例はある
経営状態が悪くなれば自ずと時価総額が小さくなって上位から抜けていくものですが、稀に時価総額が高いまま倒産することもあります。
エンロン
最も有名な倒産事例はエンロンです。
エンロンが倒産した2001年12月2日時点では、時価総額は7位でした。
当時のエンロンは、売上高1008億ドル、純利益9億8000万ドルを誇る、アメリカを代表する巨大企業でした。
しかし、粉飾決算が発覚し、信用を失ったエンロンは、株価が暴落し、最終的に破産に至りました。
エンロンの破綻前の時価総額は以下の通りです。
1位:マイクロソフト(約5900億ドル)
2位:ゼネラル・エレクトリック(約4700億ドル)
3位:エクソンモービル(約4400億ドル)
4位:シスコシステムズ(約4200億ドル)
5位:ウォルマート(約3800億ドル)
6位:インテル(約3700億ドル)
7位:エンロン(約3000億ドル)
エンロンの破綻は、アメリカ経済に大きな衝撃を与え、コーポレートガバナンス改革のきっかけとなりました。
ワールドコム
ワールドコムは、アメリカで2番目に大きな長距離電話会社であり、世界最大のインターネットキャリアでした。しかし、ドットコム・バブルが終わり、企業が通信サービスと機器の支出を削減すると、ワールドコムは利益を増やし続けるように見せかけるために不正会計を行いました。
ワールドコムは2002年7月21日に破産を申請しました。
その時点では、時価総額は情報通信サービスプロバイダーTop20から外れ、27位だったようです。具体的な数値は、取引停止時点の株価8.3ドルで算出した場合、約246億ドルとなります。
日本長期信用銀行
日本長期信用銀行が1998年9月に経営破綻した時の時価総額は、約1兆4,000億円でした。
当時の日本株の時価総額ランキングでは、10位前後と推定されています。
なお、日本長期信用銀行は、1998年3月期決算で約1兆2,000億円の不良債権を抱えており、その処理が経営破綻の直接的な原因となりました。
また、当時の金融業界全体では、不良債権問題が深刻化しており、日本長期信用銀行以外にも、多くの金融機関が経営破綻しています。
山一證券
山一證券が1997年11月に自主廃業した時の時価総額は約3,000億円でした。
当時の日本株の時価総額ランキングでは、20位前後と推定されています。
なお、山一證券は、1997年9月末時点で約2,720億円の損失を抱えており、その処理が自主廃業の直接的な原因となりました。
北海道拓殖銀行
北海道拓殖銀行が1998年11月に経営破綻した時の時価総額は約5,000億円でした。
当時の日本株の時価総額ランキングでは、20位前後と推定されています。
なお、北海道拓殖銀行は、1998年3月期決算で約1兆7,000億円の不良債権を抱えており、その処理が経営破綻の直接的な原因となりました。
総評
過去事例を見ますと、粉飾決算に誰も気が付かなかった、不況時の金融業の弱さというのが特徴のようです。
いずれにしても、時価総額上位であっても倒産は稀にあり、適切な分散投資が必要ということがわかります。
下記記事では、適切に分散投資するインデックスファンドの比較検討を行っています。
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