【受刑者からのメッセージ】A22さん
こんな許されない罪を犯した自分でも、更生することを信じてくれて、長い年月、支援し続けて下さっています…
私がかえるPJに入会したのは、約8年前です。
日本の刑務所って、とにかく不必要としか思えないような制約が多くて、こちらでは一月本が4冊しか買えないので、最初は単純にもっと本を買える事に喜んでいました。
大して良書を読もう、もっと勉強しようという意欲があるわけではないが、刑務所においての本の役割は、多分社会の人にとってのスマホにも匹敵する程重要であることは、入った事のある人しか分からないかもしれません。
たとえ普通の小説、マンガでも、そこから自分とは違った世界観、人生観、価値観といったものが参考になったり、勉強になることが多々あります。
入会して暫く経つと、本ばかりではなく、自分は精神的にもスタッフの方々に支えられて、人の情に触れて、心が柔らかくなってることに気づきました。
受刑者の中には、全く反省しない人もいるけど、多くの人は、やはり自分の罪を認識して、社会から唾棄されてることを自覚してます。
普段の生活の中でも厳しく接され、情のある言葉をかけられることは滅多にありません。
そう言う環境に慣れてる中で、かえるPJの皆さんから温かい言葉をかけられ、励まされ、様々な生活のサポートをして頂ける事は、私にとって感動的で、実際に大変助かります。
なによりも、皆さんは誰一人として、上から目線で叱りつけてくる人がいません。
こんな許されない罪を犯した自分でも(私は包み隠さず、自分の犯罪経緯を全部会に報告してます)、更生することを信じてくれて、長い年月、支援し続けて下さっています。
毎年の誕生日に、カードまで送ってくれます。
家族でさえ面倒がってもうとっくにやめてしまっているのに、です。
こういった細かい心遣いが、私たちの枯渇した心にとって、恵みの雨のようなものです。
会員全員がそうではないとしても、きっと私と同じように感じ、今後自分もできるなら誰かの役に立ちたいと思う人や、ささくれた心が少しでも慰められて、日常生活が穏やかに過ごせるようになった人が一部いると思います。
これは刑務所の中で行なっている、刑ばかりの更生教育より、よほど受刑者にとって自ら進んで、自己改善しようとする、言葉の要らない教育になります。
反省してる、してないに関係なく、人間は本能的に強制、抑圧に対して、反発します。
刑務所だからしょうがないのは確かですけど、やはり人として生きてる以上は、人として認めて欲しい願望は、受刑者皆持っています。
皆さんの支援のおかげで感化され、心を入れ替えて、自棄にならずに頑張ろうと思う人が一人でも増えれば、その分、社会に迷惑をかける人が一人減ることにもなります。
ムショ生活はまだ続きますが、私は皆さんの支援のもと、更生の正しい道を歩いてる自信はあります。それは単に法を犯さないだけではなく、後ろ指を指されない、筋の通った人間を目指して歩いているということです。
刑務所の全ての規則を守ることが、イコール法を守ることとは思ってませんが、原則的なものは、守るべきだとは思います。
受刑者の中には、汚いマネをする卑怯者が決して少なくありません。
でも、たまたまヘタを打つ人もいたりします。
皆さんのおかげで、私は人を許すことを学びました。
こういったものは、他人にこうしろああしろと言われてできるものではありません。
かえるPJの活動によって、本を沢山読めて、余暇時間をもっと充実して楽しく過ごせて、心にゆとりが出来て、更に自分を見てくれてる人がいると思えば、もっと将来に対して前向きになれます。
私達の更生は、社会との繋がりを持つ事が不可欠です。この中で、家族との縁が切れた人も結構いますから、かえるPJはその人達にとって、心の寄る辺になってると思います。
又、今サユリさんはプリズンライターズでスマホの事を色々教えてくれてるので、皆メッチャ興味あるんじゃないでしょうか。
私はガラケーも知らない30年選手ですから、正直、実機を手にしないと、読んでいてもチンプンカンプンです(泣)。
出れたら、家族につきっきりで教えて貰うしかありません。
その時は多分スマホも今とは大分変わってると思いますし。
今かえるPJがアクシデントに見舞われて、更に大変になってると思いますが、それでも活動を続けると言って下さる、もう感謝しかないです。
事務局長殿が嫌疑から晴れて、戻って来ることを信じて(あんな頭の良い人が、あんな杜撰でしょうもない事に加担する筈がない。どうせ断れない性格が仇になって、他人の相談事を聞いてしまったんだろう)、皆さんの支援を受けながら、自分なりに目の前の一日一日を、考えながら、無事に過ごしていきたいと思っています。
あと、この前サユリさんが色んな受刑者の反省投稿を読んでると書いてありましたが、色んな反省とはどんなものだろうと、私は考えました。そんなものあるのかな、と思ったが、考えてみれば、ある、ありますね。これはまたこんど改めて書くことにします。
今日は舎房の中でシンカンとして、この冬一番寒く感じます。
カイロを手にしても、ちょっとブルッてます。字もどんどん汚くなって来ました。
これから正月連休に突入しますが(この手紙、間に合うかな?)、どうか、もうあちこち痛めることのないよう、お体に気をつけながら、全力で楽しんでください。
一年間、お疲れ様でした。
Wishing You Have A Happy New Year!
A22さんのプリズンライターズの投稿は下記より