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【プリズンライターズ】刑務所から龍宮城へ行ってきた!

初投稿です。汪さんが8年前に出所したG刑務所にて39年回を務めている無期囚です。
10月15日に72歳になりました。
是れ迄の人生で病院には全く縁が無く、歯医者以外の医者にかかったことのなかった僕が、8月18日深夜に
鳩尾(みぞおち)の奥にドリルを突き差されたような激痛に襲われ飛び起きました。
報知器を出したが、巡回看守の対応が無く、医者の診察を受けたのは午後0時で「盲腸の疑いがあるから病院へ連れて行くように」とのことで
救急車に乗せられたのは、午後2時5分でした。

 12時間以上、激痛に耐え、搬送されたのが、岐阜市民病院なのですが、
まさか岐阜にこんな大病院が在るのかと思いました。
11階建てで、僕の病室は10階でしたが窓からの眺景は良かったし、何よりも20代、30代のナースが日替わりで世話をしてくれるのでまさに、僕にすれば龍宮城に居るような10日間でした。
刑務所の医者は盲腸の疑いが有ると言ったのですが、病名は虫垂炎破裂だったので1週間、寝たきり状態で、その間、若いナースが3人がかりでおむつを代え、全身を拭いてくれるなど…

 世話をして貰っている間、少し話をするのですが、若い女性と会話をするのは40年振りですから、僕が龍宮城に居るような10日間だったと書く気持ちが分かって貰えるのではないでしょうか。
この病院にはナースが300人以上勤めているとのことで、何故か、僕の病室の担当は毎回替わり、しかも30代前半迄の若いナースしかつかないのです…
受刑者だから若い女性と接することが無いからと、病院が配慮してくれた?そんな訳で夢のような10日間でした。

 プリズンライターズを読んで思うのは、100人100色の経験と思考が有るのは当然のことですが、39年服役した僕が言えることは、前を向いて生きろ、と謂うことです。
言い古された語句ですが「今日は残りの人生の最初の1日」なのです。
後方を向いても過去は例え1分前でもやり直すことは不可能です。
ならば未来を、明日を、少しでも良い人生にしようと生きるべきだと、僕は思います。
G刑務所は10年位前迄は1000人以上いたのが、現在は400人余りで半数が僕と同じ無期囚です。
事実上、終身刑化している無期刑ですが、後方を向いている無期囚は見ていません。  

  2023年10月29日

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