【プリズンライターズ】獄中小説・獄楽/番外編「自己紹介」
小説家を目指しているA348こと楠 友仁(くすのき ともひと)です。
私が「プリズンライターズ」に原稿を応募しようと思った動機を順を追ってお話させていただきたいと思います。
私が捕(パク)られたのは平成8年で、今から27年前となります。
末決では10年を過ごし、今のムショでは18年目を迎えました。
事件では被害者2名の命を奪う結果となりました。
私には他に共犯が3人いて、主犯は死刑判決で、私を含めた残りの3人は無期の判決が下りました。
裁判の中で、私は従属的で事件に巻き込まれた立場だと認められたものの、事件の重大性などの観点から無期懲役はまぬがれないという結果となったのです。 もちろん、それに異論も不満もありません。
私が重大な役割を果たしていたことはたしかなことなんですから、、、。
裁判で判決が下された当時、無期懲役の平均受刑年数は21年前後でした。
ところが、刑が確定して受刑生活がスタートすると、2年目になって、それまでより10年も延びました。
それというのも、それまで有期刑の最高刑が20年だったものが、法改正により30年となり、それにともなって無期を有期より早く出すわけにはいかないとなったのでしょうね。
この10年は大きいです。というのは、60手前という年齢で仮釈放が認められる可能性のあった私が、70前後のおじいちゃんになってしまうわけですから、、、。果たして、その年になって就職先が見つかるだろうか?しかも、無期懲役の仮釈放という身分で、、、。
仮釈放後の生計の立てかたに不安があるのは事実なんですが、私が働いて稼ぎたいという理由は他にあるんです。
それは、被害者の遺族に少しずつでも慰謝料をお渡ししたいからなんです。
この今の受刑生活で得られる作業報奨金、、、即ち、私が働いた給料は、現在、1ヶ月で2千5百円前後です。
今は被害者遺族の連絡先が分からないこともあり、公益財団法人日本財団というところに「贖罪寄付」というかたちで年に1万円をその作業報奨金の中から寄付をさせていただいています。
この1万円という額なら、ムショ側も割とすんなり許可してくれるからです。これが3万円となると、少し難しくなってしまうのです。
そこで「プリズンライターズ」への原稿応募という動機となるわけです。
このムショに務めてから文芸コンクール(全国または管区内の矯正施設に収容されている人によるもの)で、2回ほど小説部門で賞をいただいたことのある私は、小説家などというのはおこがましいのですが、そこを目差して、収入を得られるようになりたいと考えました。
そこでこの「プリズンライターズ」に小説を投稿し、皆さんに読んでいただいて、プロとしてやっていくために足りないところを学ばせていただこうと、そう考えたわけです。
物書きとして収入を得ようなどと、世の中はそんなに甘くないことは十分承知しています。
夢は諦めたらそこで終わり、という言葉を、この収容生活の中で受けた教育ビデオで何度も耳にしました。
だから、私は諦めずにやれるだけやろう、と強く決意したんです。
長編も書いているのですが、まず最初は短編の連作を投稿しますので、是非皆さんの意見を聞かせて下さい。
ただ単純に面白かったとか、つまらなかったでも構いません。
それとか、もっとこうした方が面白いんじゃね、とかの参考意見を是非お願いしたいと思います。
こんな私ですが、小説家になるために、皆さんで私を育てて下さい。
俺はそっち方面のプロだから任せろ、という方がいたら、そんな心強いことはありません。
投稿する短編は、全部140文字以内という縛りで書き上げました。
これは実際のX(旧ツイッター)を知らない私が、こんな感じなのかな?と勝手に想像して書いたものです。
とはいえ、これだとダラダラせずに済むので勝負が早いメリットもありました。果たしてこれがアリなのか、それともナシなのか、、、。それでは宜しくお願いします。
―了―
ペンネーム楠 友仁
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