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組織が成長すると直面する 『サイロ化』の問題

これが放置されると、企業の競争力を大きく損なう可能性があります。
本投稿では、サイロ化の原因と解決策を探ります。

1)サイロって何? どういう状態?
サイロ(silo)とは、もともと工業原料や農産物を一時的に貯蔵するための大型容器の事を指します。
ビジネスやIT分野での「サイロ化」とは、部門間の連携が途絶え、情報共有が不十分になる事を指します。

2)なぜ組織は成長すると「サイロ化」するのか?
⇒ 縦割りの組織構造による以下の歪が原因です。

① 成果主義の弊害
成果志向が強まりすぎると、部門ごとに競争が生まれ、協力関係が薄れます。
企業では方針展開が行われ 方針つまりミッションと成果の定義が上位層から下位層へ展開されます。
方針展開によって自部門や自身のミッションと成果が契約されるので、その中で 高得点な成果を出すのが第一目的となってしまい、他人よりも自分が大きな成果を得ようと競争が起こります。 つまり余計な(自分の成果にならない)仕事や考察を排除する様になってしまいます。
(過去には、部門分割で縦割りを推進した大手電機メーカーが各部門での情報の抱え込みや意思疎通の悪化が生じ、全体戦略を描けなくなった事例があります)

② 「情報の抱え込み」
その結果、自部門の存続価値や既得権益ばかり考える様になり、
「他の部署に情報を提供しても、自部門に何のメリットがあるのか?」という損得でしか考えなくなってしまいます。
実際 私が大手企業に長年いた中でも、自部門の成果を守る為に他部門を敵視する風潮さえありました。

③「システムや書式の違い」
業務プロセスとして、部署間で情報を伝達して行く必要がありますが、フォーマット(書式)が異なっていたり使用するシステム(ツール)が異なる為に、書式変換をする必要が発生する為、そこでの作業ロスや時間ロスが発生してしまいます。

3)「解決策」 組織が大きくなってもサイロ化させない為には?
サイロ化を防ぐには、部門間の壁を取り払い、全員が自由にアイデアを共有できる「協働の社風」を醸成することが重要です。
部門間が競争ではなく、協力できる風土を作る事が大切です。
例えば、
・定期的なクロスファンクショナルミーティングを実施し、異なる部署が情報を共有する場を設ける。
・成果評価に「部門間協力」の要素を加える。
・社内SNSやチャットツールを活用し、リアルタイムで情報を共有する。

4)「まとめ」 小さな一歩が大きな変化を生む
サイロ化を防ぐには部門間の壁を取り払い、協力し合う風土を育む事が鍵です。 大きな変革を目指す前に、まずは部門間の対話や小さな共有の場を作る事から始めてみては如何でしょうか?
一歩を踏み出す事で、組織全体がより良い方向に進む筈です。

元記事(ホームページBlog)⇒ https://prismx.jp/organizational-theory/organization/

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