クルワンってなんなのよさという話
「クルワンって何?」
そう質問したいのは、むしろファンである私の方だ。
簡単に答えると、JUST B(推し)とATBOというK-POPボーイズグループが合体し、The CrewOne(クルワン)という新グループが誕生した。結成時は12人だったが、諸事情により現在は11人で活動している。ファンダム名はJOURNEY。
クルワンの結成経緯について詳しいことはわからないが、どうやら今放送中のサバイバル番組『ROAD TO KINGDOM ACE OF ACE』(通称ロトゥキン)に出場するためだったようだ。もともとATBOが出場予定だったこの番組に、JUST Bが同じチームとして参加する形になった。
ロトゥキンは、デビューはしたものの正直売れていない7組のアイドルグループが、毎回のお題に挑戦し、ファン投票などを経て競い合うサバイバル番組。過去の優勝者、THE BOYZがメジャーシーンに進出したきっかけとなった番組でもあり、出場グループにとっては知名度向上のチャンスだ。しかし、推しがこの番組に出る=「売れていない」と認めるようなものでもあり、ファンとしては複雑な気持ちになる。さらに「二つのグループが合併チームとして出演」という状況が、不確定要素を増し、ファンの不安を煽った。
JUST BはB事務所、ATBOはI事務所の所属で、両者はともにカカオという巨大エンタメカルテルの傘下だが、それぞれの活動を動画で知る程度で直接の面識はなかった。それにも関わらず、急に「プロジェクトグループとして結成され、所属はI事務所になる」といった発表が続き、ファンは大いに動揺した。当時は、事務所もメンバーもファンに多くを説明できなかった事情もあったのだろうが、不安や不満がX(旧Twitter)に飛び交った。
• JUST Bは事実上解散なのか?
• B事務所はI事務所に吸収されるのか?
• ATBOってどんなグループ?(逆にATBO側も同じように思ったはず)
ファンの一部は事務所への不信感や推しグループの不透明な状況に限界を感じ、ファンダムがすでに縮小していた中、JUST Bメンバーの一人が活動休止に追い込まれる出来事も重なり、さらにファン離れが進んだ。ロトゥキンを目前に控えたものの、ファンダムは盛り上がれず、Xには不安や不満の声が渦巻いて止まなかった。
考えてみてほしい。JUST B側のファンとしては、JUST Bの実力を知っているものの、見知らぬチームと結成した新グループとしてのパフォーマンスは未知数。クルワンとしての曲はまだ出ておらず、ロトゥキン初戦がファンにとって初めて見るパフォーマンスだったのだ。ファンですら混乱している中、他チームのファンから「クルワンって何?」と聞かれれば「こっちだって知りたい」と思うのは無理もない状況を分かって欲しい。
JUST Bのファン(オンリビ)も、ATBOのファン(ボート)もそれぞれ容認派・静観派・反対派に分かれた。その中でもごく少数の容認派が手探りで連携し、クルワン応援チームが結成された。
ただ、事務所の一存で結成されたこのチームを「応援しろ」と言われても、ファンとしては複雑な心境で盛り上がりは今ひとつだ。
二つの企業の吸収合併に似た状況で、互いに異なる文化ややり方を持つファンダムが統合される際には当然混乱が生じる。JUST Bファンダムは各国連携で組織的に投票活動をしていたが、その組織を離れたファン自体もおり、ATBO側も加わって新たな協力体制を築くのに大変な時間と労力が必要だった。(お給料ください)決して、「わーい!2グループが合わさってパワーも2倍!一緒に頑張って応援しよー!」といった単純な展開とはならなかった。
番組が始まったら始まったで、クルワンは課題に挑戦するも期待通りの評価を得られず、ほぼ毎回最下位。さらに他チームファンからも厳しい目が向けられ、心無いコメントに胸が痛む(見なきゃいいんだけど)。そんな中、デビュー前からずっとJUST Bのゴヌを応援してきたオンリビの仲間の一人に、「もう何もかも捨てていますぐにでも辞めたい」と本音を漏らしたところ、「私も同じ気持ち。でもゴヌのためだけに頑張ってる」と励ましてくれた。こうして、なんとか踏みとどまることができた。
ロトゥキンでは、合計得点の低い2チームが脱落する。クルワンは初の脱落決定戦でわずかの得点差で生き残った。この時もネガティブなコメントは散見された。どんな状況でも自分の好きなグループの悪口を言われるのは悲しい。脱落決定戦で戦ったメンバーが生き残りへの強いプレッシャーから解放されたあまり、おいおいと泣き崩れた姿を観るのも辛かった。
それでもクルワンは勝ち残った。
現在は次の対戦回のパフォーマンス動画が先行公開され、再生数が最終得点に加算されるため、ファンダムも全力で応援している。今回の対決はテーマが「ノーリミット」。クルワンはK-POPの大先輩であるSHINeeの『Sherlock』を元に、軍隊ストーリーのパフォーマンスを披露した。彼らの一体感がようやく発揮され、純粋にエンタメとして楽しめる内容で、ファンとしては「やってくれたぜ!」と非常に満足している。ファンダム以外からも高評価が寄せられ、現時点で6位中2、3位の再生回数を記録するなど、ファンの応援が実りつつある。
今週木曜日にこの対戦の結果が発表され、ここで1チームがさらに脱落する予定だ。崖っぷちのクルワンだが、ファイナルに行けるよう心から願っている。
これを読んでくださった方も、ぜひ下の動画をご覧になり、再生回数を増やしていただければ幸いです。