色の魔法
科学と心理学の視点から
色彩は私たちの生活に深い影響を与えます。それは私たちの感情や行動に直接的な影響を及ぼす可能性があり、まるで魔法のような力を持っています。色彩心理学は、この影響を科学的に探求し、理解しようとする分野の一つです。デザイン制作において色彩に関する知識は、デザインの役割を決定づけるために必要不可欠な要素です。デザイナー視点から色彩が私たちに及ぼす様々な影響についてお話しします。
1. 色彩の感情への影響
青色の効果: 青色は一般的に穏やかで落ち着いた感情をもたらすとされています。青色の部屋にいると、心拍数や呼吸が落ち着き、リラックス効果が期待できます。これは、海や空の色と関連付けられるため、自然に触れる感覚をもたらします。
赤色の効果: 赤色は情熱や興奮を引き起こす色として知られています。赤色を見ると、脳内のアドレナリンが増加し、心拍数や血圧が上昇することが観察されます。そのため、赤色はエネルギッシュな行動や刺激を求める場面に適しています。
緑色の効果: 緑色は自然や安定感を象徴し、安らぎや癒しをもたらすとされています。緑の色彩は目にやさしく、長時間見ていても疲れにくいとされています。これは、森林や草原などの自然環境との関連性が要因だと言われています。
2. 色彩と時間の感覚
色彩は時間の感覚にも影響を与えることがあります。例えば、緑色の環境にいると、時間が過ぎるのがゆっくりと感じられることがあります。これは、リラックス効果や自然との調和が時間の感覚を変える可能性があるためです。また、不思議なことに青系統の色に囲まれていると時間が早く経過するように感じる効果があるため、単純労働などをする場合は青色の室内で行うと作業があっという間に終わったような気持ちになり、集中力の低下抑制につながるとも言われています。
3. 色彩の環境への応用
色彩心理学の理解を活用して、日常生活や環境設計に役立てることができます。例えば、リラックスや集中を促進したい場合には青色や緑色の壁紙やインテリアを取り入れることが有効です。一方で、赤色や橙色を目に飛び込むような状況を作ることで食欲を刺激する効果があると言われています。
学習環境やオフィスのデザインにおいても、色彩の選択は重要です。集中力を高めたい場合には青や緑を中心とした色彩を採用し、創造性やエネルギーを促進したい場合には赤色や橙色などの明るい色彩を取り入れることが推奨されます。また、即決で購買行動を促進するためには赤色や橙色で値段や品名を表示させると効果的と言われているため、スーパーなどのPOPは赤系統をうまく使った表示がスタンダードとなっています。
効果的に色彩を活用しよう
色彩は私たちの心理や行動に大きな影響を与える魔法の要素です。その効果は個人や文化によって異なりますが、一般的に特定の色彩が特定の感情や行動を引き起こす傾向があります。色彩心理学の理解を通じて、私たちはより効果的にデザイン制作において色彩を活用し、より快適な環境を創り出したり、広告効果を高めたりすることができるのです。
この記事を書いた人:株式会社アートオフィスプリズムの編集部🖊️
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