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02.色で磨く科学者の眼と詩人の心



目次

  1. ■ 古代から現代まで続く色彩の問い

  2. ■ 科学と文学が交錯する瞬間

  3. ■色がもたらす問いと答え



◾️古代から現代まで続く色彩の問い

色が人にどのような影響を与えているのでしょう?これは古代ギリシアの哲学者プラトンやアリストテレスから、現代に至るまで問い続けられてきたテーマです。中世には、科学者のニュートンと詩人ゲーテがそれぞれ異なる視点で色について研究し、色彩論を深めました。色を科学者の眼で、そして詩人の心で見つめる旅に出てみましょう。



<色の科学者ニュートンの視点>
万有引力の発見で知られるアイザック・ニュートンを知っていますか?彼は実は色の科学にも大きな功績を残しています。ニュートンは光をプリズムに通して、光がさまざまな色に分かれる仕組みを解き明かし、「光線には色はない」と語りました。彼にとって色は、測定可能な物理現象であり、科学の研究対象だったのです。さらに、光が電波やX線と同じ電磁波の一種であることも証明し、光の本質についての理解を深めました。また、可視光を「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の7色に分け、音階「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」と対応させ、科学と音楽を結びつけようとしたと言われています。

<詩人ゲーテの感情的な視点>
一方で、詩人であり自然科学者でもあるゲーテはどうでしょうか?色を心の鏡として見つめた、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ。彼はニュートンの科学的な見方に異議を唱え、「色は人間の感覚と結びついてこそ意味を持つ」と主張しました。ゲーテは、色をただの物理現象ではなく、感情や心の動きと深く関わる存在として捉えました。さらに、色を見るときに起こる「補色残像」という現象を発見しました。これは、ある色をじっと見たあとに視線をずらすと、見た色とは違う反対の色が目に残る不思議な現象です。色が人に与える影響の探究は、色彩心理学の先駆けとも言われています。

◾️科学と文学が交錯する瞬間

ある教育の場で「氷が溶けたら何になりますか?」という小学5年生理科のテスト問題が出されました。ほとんどの人は「水になる」と答えるでしょう。これは、ニュートン的な科学の視点での正解です。しかし、この問題に「春になる」と答えた子供がいたことで、新聞にも取り上げられ話題になりました。あなたは、どう受け止めますか?その答えに対して、当たっている(○)、間違っている(×)と判断してしまうのは危険です。なぜなら、自分なりの感性と柔軟な発想を潰してしまうことになるからです。この「春になる」という答えは、単なる知識の枠を超え、豊かな想像力と文学的な視点を表現していると思いませんか?氷が溶け、冬が終わり、春が訪れる自然の流れを、感性豊かに捉えていますよね。

◾️色がもたらす問いと答え

このエピソードは、正解が一つではなく、多様な視点を持つことの大切さ
を教えてくれます。「水になる」という科学的な答えはニュートン的な視点
であり、「春になる」という答えは文学的なゲーテの視点を映し出しています。どちらも正しく、どちらも価値があります。科学と文学、いろんなモノの見方や捉え方あることで、世界はより豊かで多面的に見えてきます。

そして、自分なりの答えを見つけることが、物事の本質を理解し、自分自身の世界を広げる鍵となるでしょう。色彩もまた、同じように多様な視点を与えてくれます。色を見つめるとき、ニュートンが教えてくれる色の物理的な「事実」と、ゲーテが見せてくれる色が心に与える「解釈」を思い出してみてください。色はただ目に見えるだけではなく、私たちの感情や解釈により豊かな意味を持ちます。そんな色の存在が、心の奥に新たな視点と発見をもたらし、心の窓を開いてくれるのです。その窓を通して、あなたも自分だけの世界を見つけてみませんか?


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