キャリアマネジメントとは人生そのものをマネージすることだった!!
こんにちは。
先日、改めて、キャリアマネジメントの観点で、自分のキャリアについて整理する機会がありました。
その際、一般に言われている「キャリアマネジメント」の考え方が自分にはいまひとつそぐわない、と思いました。
そこで「キャリアマネジメント」について改めて少し調べてわかったことを皆さんとシェアしたいと思います。
まず一般に言う(あるいは従来の)「キャリアマネジメント」とは
「個人のキャリアを主体的に構築していくこと」
「将来を見据えて個人のキャリアをマネジメントすること」
です。
さらには、そのためのプロセスとして、
自分の将来像をしっかりと描き、きちんと「プランニング」をして、計画的に「能力開発」をし、「キャリアを確立する」
とあります。
ここで言う「キャリア」とは、仕事のスキルや情報、ノウハウ、経験のことと思います。
企業の中において、この「キャリアマネジメント」という考え方は、一般的に人事管理の、特に人材育成の重要な柱の一つとして浸透しています。
実際に、企業が社員と一緒になって「目標」を設定して、「計画」を立て、それに合わせた「ジョブ」や「研修」を行い、「キャリアやスキルを確立していく」ということは、短期的には人材育成の効果をあげていると思います。
ただ、ここで私のキャリアをみてみます。
私はコンサルティング会社に入社した時、自分は「コンサルタントというキャリアでこうなりたい」という将来像が明確にあった訳でもありません。また、その後、計画を立てて能力開発やキャリアアップのために転職した訳でもありませんでした。
思うに、大部分のビジネスパーソンはそうではないでしょうか。
でも、その時点での「最適な経験や選択」により、キャリアを自然に身につけることができました。
そのため「キャリアマネジメント」とはいったい何なんだろう?考え方として実践的なのかな、と疑問を持った訳です。そこで、「キャリアマネジメント」について少し調べてみました。
すると、なんと現在では「キャリア」は従来の「ワークキャリア」から「 ライフキャリア」にその考え方が拡大しているようです。
「 ライフキャリア」とは「人生の過ごし方」「人生の時間の使い方全て」を有意義にすること、です。
「 ライフキャリア」については、すでにいくつか理論があるそうです。
1. サニー・ハンセンのキャリア理論(統合的ライフプランニング)
人生の選択と決断で、これからの社会を大局的な視点で捉えることを支援する広範囲のライフプランの概念。幸福なキャリアを構成する人生の4つの要素は仕事、学習、愛、余暇である。
2. ナンシー・シュロスバーグの理論
人生は転機の連続であり、転機を乗り越えるための方法を体系化。
3. ドナルド・E・スーパーのキャリアレインボーの理論
キャリアとは人生の各時期に果たすライフロール(人生の役割)の組み合わせである。キャリア発達とは一生を通じて自分のライフロールの中で行う選択と意思決定の連続である。
4. プランドハップンスタンス理論
職業生活(あるいは人生)は、実は「偶然」の出来事や出会いなどによって決まっていくことが多い。そのたまたまの「偶然」は本人が意識しないで行っている。
これらの理論をみると、「キャリア」の定義が従来の「ワーク」ではなく、「ライフ」として「人生」そのものですよね。
ちなみに文部科学省のキャリアに対する定義もこれに近いもののようです。
「人が、生涯の中でさまざまな役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分との役割の関係を見出していく連なりや積み重ね」
特に「ナンシー・シュロスバーグの理論」の「転機」という考え方や「プランドハップンスタンス理論」の「偶然」の出来事や出会いによってライフキャリアが形成される、とあるのはまさにその通りと思います。
また、予想外の偶然が成功を導く「セレンディピティ」の考え方に非常に近いですよね。
また「サニー・ハンセンのキャリア理論(統合的ライフプランニング)」や「キャリアレインボーの理論」のように、「キャリアプラン」を、より広範囲の「ライフプラン」とする考え方も良くフィットします。
私は、現在、自社の事務所を湘南海沿いに置いて、そこで「海の近くで働く」(自分にとって)理想的なワークスタイルを実践しています。そして、それによって、理論にある「幸福なキャリア」が実現できています。
このように「キャリアマネジメント」は「能力開発」「ワークキャリア」を中心とする「狭義のキャリアマネジメント」から「ライフキャリア」である人生そのものをうまくマネージしていく「広義のキャリアマネジメント」に変わってきているようです。
そして「広義のキャリアマネジメント」(ライフキャリア)はまさに人生哲学的な「人生そのものの上手な生き方」のガイドになるかもしれません。
なかなか興味深い分野ですね。
それでは。