なぜ最強牝馬一番人気のリバティアイランドは大敗したのか?!!
こんにちは。
今回は馬の話をします。
みなさんは先週10月27日に開催されたG1競馬最高峰の一つ「天皇賞(秋)」をご覧になりましたか?
今回の「天皇賞(秋)」で最も期待されていたのはリバティアイランドです。
リバティアイランドは、昨年3歳だった時に牝馬3冠、つまり桜花賞、オークス、秋華賞の3つを制し、さらにはその後のジャパンカップで、あの王者イクイノックスに次いで2着という、昨年まで最強の牝馬でした。
そのリバティアイランド、レース前では文句なしの1番人気でしたが、ふたを開けてみると、なんと15頭中13着という大敗を喫してしまいました。昨年まで、あれだけ強かったリバティアイランドに何が起こったのか!誰もが疑問に思ったことと思います。
まずはレースを振り返ってみましょう。
リバティアイランドは序盤から中盤にポジショニングし、その後、少しずつ順位を上げ、最終コーナー回った時点で4番目くらいまであがったところまでは、ほぼ順調な形と思っていました。ところが、その後、リバティの末脚が全くでない、加速しない状態となり、さらには後続馬からもどんどん抜かれて、最後は13着でゴールするという結果となりました。
ですから、最初から調子が悪いわけではなく、いつものリバティのレース運びであれば、最終コーナーで4番目から一気に出て、トップに立つと皆が思っていたと思います。
レース後の川田ジョッキーのコメントは以下のようです。
「返し馬の雰囲気も良く、4コーナーまでは抜群の手応えで来れたのですが、(その後)これだけ動けなかったのは初めてです。」
一番人気のリバティがゴール前で失速した時には観客席では落胆の悲鳴が上がったことと思います。その落胆の声を打ち消すように2番人気のドウデュースがものすごいスピードでトップに立ち、大歓声に迎えられました。
今回のレースはこのドウデュースとリバティアイランドで大きく明暗が分かれました。両者ともに今回のGIレースが久しぶりのレースとなります。
さらには1着という「勝ち」にこだわると、ドウデュースは昨年秋の有馬記念、リバティアイランドは3冠を決めた昨年秋の秋華賞以来となり、両馬とも1年以上、白星から遠ざかっているのです。
そして、その後、両馬ともにドバイで開催されたG1レースに参加、ドウデュースはドバイターフで5着、リバティアイランドはドバイシーマで3着という残念な成績を残して帰国しています。
ただ、ドウデュースもリバティアイランドも、昨年、何度もG1を勝っている、両馬ともに一流中の一流の馬であることは変わりありません。
今回の「天皇賞(秋)」では、そんなドウデュースが久しぶりに真価を発揮して勝利しました。
さて、話をリバティアイランドに戻します。何故、素人目には最終コーナーまでほぼ順調だったリバティアイランドが13着という大敗を喫してしまったのか、色々と調べてみました。
以下が、競馬に詳しい方々の意見をまとめたその理由です。
1. レース運びが良くなかった
2. 前のレースから間が開き過ぎていた
3. 今年5月の右前脚の怪我が影響していた
4. 太り過ぎ(体重増加)
1. レース運びが良くなかった
このレースでは、勝ったドウデュースや2着だったタスティエーラのように、レースの中盤までは、あまり前にいかずにペースを抑えて、最後の直線で、溜めていたパワーを末脚として見せるレース運びが成功しました。
この点でみると、リバティアイランドは、実は前半、川田ジョッキーはあまり前に出ずに溜める作戦だったようですが、途中からリバティが前に行く気が強く、それに負けるように、前に行かしてしまった、という分析をしている方がいました。
もしそうであれば、そのために前半、中盤で若干体力を消耗して、それが最終コーナーの末脚パワーがでなかった理由の可能性もあります。
ただ、川田さんのコメントでは「4コーナーまでは抜群の手応えで来れた」とも言っていますので、本来のリバティアイランドであれば、それでもさらに最後に最速の末脚がでていたのかもしれません。
2. 前のレースから間が開き過ぎていた
前回、最後に1位で勝利したレースは2023年の10月15日の「秋華賞」であり、最後に走ったG1レースは2024年3月30日にドバイで行われた「ドバイシーマ」です。
「秋華賞」から約1年、「ドバイシーマ」からは7ヶ月レースに出ていないことになります。
これは競走馬にとっては長いと言って良いと思います。もちろん、その間、調教や練習はきちんとされていたと思いますが、メンタル面でレースに出ていないということは、競争心やレース感などを思い出すのが難しいのでは、とも思われます。
その点、1着だったドウデュースは3月の「ドバイターフ」の後に、2024年6月の「宝塚記念」に出場しています(結果6位)。
また、今回、リバティアイランドと同じくレース期間が開いてしまった「ダノンベルーガ」も、同じような状況で14着になっていることから、この「期間が開いた場合のリスク」はレースに影響を与えたと大いに考えられます。
3. 今年5月の右前脚の怪我が影響していた
2024年3月の前走である「ドバイシーマ」を終えて帰国したリバティアイランドは右前脚の球節部に傷による腫れが見られ、症状が長引いていたので、エコー検査を行ったところ、種子骨靭帯に軽度の炎症があることが判明しました。
そして、しばらくは軽めの調整に留めて、患部が落ち着くのを待つこととしたようです。その間はレースに出ずに休み、今回の「天皇賞(秋)」が復帰第一戦となりました。
ここで、耳慣れない言葉をいくつか解説します。
「種子骨」とは字の如く、植物の種子のような丸い形をしている骨で、手や足にあるものです。
「種子骨靭帯」は種子骨の位置の安定性を支える複数の靭帯だそうです。
馬の2つの種子骨は骨格筋とつながっていないため、球節の裏側で浮いている状態にあるそうです。それを繁(けい)靭帯とともに支え、総じてクッションを担うのが「種子骨靭帯」ということです。
この「種子骨靭帯」や「繁(けい)靭帯」の炎症は、一般に、一度発症すると治療が長引き、1年ほどの期間を要するものもあるそうです。また場合によっては、調教を再開すると再発しやすく、近年こうした故障によって引退に追い込まれた例は少なくないとのことです。
ちょっと心配ですね。「軽度の」と発表にあったのが救いですが。
4. 太り過ぎ(体重増加)
昨年勝利した「秋華賞」では、リバティアイランドの馬重は476kg、そして今回は496kgでした。つまり昨年に比べて20kgほど太っているということです。
ただ昨年もオークスで勝った後にリバティアイランドは体重が56kgも増えてしまい、それを秋華賞でもどしたという経緯もあります。今回の20kg増はそれと比べると大したことないですし、全身の筋肉は増加したようにも見えていました。
ただ、腹回りが太いとみられていた方もいたので、
した可能性もあります。
リバティアイランドが大敗した理由をこのように4つ挙げました。しかし、理由は一つではなく、いくつかの理由のミックスではないかと思います。
特に競馬では、当日のコンディションはレースに非常に影響を与えます。人間であれば、当日の体調不調を訴えることができますが、馬の場合はそうはいきません。
体調がどこかおかしくても、気合が乗っていれば、レースで頑張ってしまうかもしれません。
今回の理由が何であるにせよ、今後リバティアイランドが復活する可能性は大いにあると思います。次のレースはジャパンカップとも言われていますが、我々ファンは引き続きリバティアイランドを応援します。馬娘リバティのあの素晴らしい走りをもう一度みたいですね!
それでは。
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