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「めちょっく!」はイノベーションのはじまり ~プリキュアでイノベーション②

「めちょっく!」とは、2018年放送のHUGっと!プリキュア、通称ハグプリのテーマ「傷ついた心を抱きしめ応援する」を象徴する言葉です。それが、イノベーションのプロセスの第一段階「内に潜る入り口」に対応しているとは、どうゆうことなのでしょうか。

HUGっと!プリキュア | 東映アニメーションより引用


「めちょっく!」とは

「めちょっく!」とは、主人公の野乃はな(キュアエール)の口癖で、めちゃショックの略語です。シリアスな場面ではなく、ギャクのように使われるフレーズで、めちゃショックなことがあっても、明るく乗り切ろうとする姿勢を表現しています。

転校を機にオトナっぽいキャラに変わろうと意気込むも、初日に遅刻、教室にかけつけた勢いで自己紹介してクラスメイト達に笑われ、オトナデビュー大失敗で「めちょっく!」な野乃はな
 HUGっと!プリキュア(第1話) より


絶望vs希望

ハグプリで描いているのは、絶望VS希望。
人々の明日への希望であるアスパワワを奪う、クライアス社(暗い明日)と戦います。ハグプリメンバーそれぞれが、辛い出来事と向き合い、仲間の応援を受けて、乗り越えていく様子が描かれています。

敵であるクライアス社では、稟議の起案、承認ののちに怪物を発注するなど、設定が会社に寄せてあることが話題になりました。出産、育児についてもリアルに描かれており、ビジネスマン、特に子育て世代がはじめてみるプリキュアシリーズとしても、ぴったりの作品と思います。

稟議書に社長の押印 HUGっと!プリキュア(第1話) より

傷ついた心を抱きしめ応援することで、心のフタがひらき、「内に潜る旅」がはじまる

ハグプリでは、タイトルにもあるように、HUG、抱きしめるという行為が、ここぞというときに発動します。オープニング主題歌の映像でも、プリキュアの技、マザーハートが、敵の怪物オシマイダーを抱きしめて浄化します。

オシマイダーを抱きしめるマザーハート HUGっと!プリキュア(第1話) オープニングより

傷ついた心の痛みから、目を背ける、フタをするように戦うのがクライアス社なら、傷ついた心を抱きしめて癒し、応援することで浄化するのがハグプリです。

オープニング主題歌の冒頭にある、キュアエール(野乃はな)の台詞にも表れています。

「なんでもできる、なんでもなれる!輝く未来を抱きしめて!フレフレみんな、フレフレわたし、いっくよー!」

HUGっと!プリキュア オープニングより

夢を追いかけるとき、自分の信じた道を進むとき、周囲との摩擦が生じ傷つくこともあります。

はなも、いじめられた子をかばった結果、自分がいじめにあってしまい、かばった相手からも距離を取られて、逃げるように転校した過去があります。自分がいじめられた子をかばったことは、おせっかいだったのではないかと落ち込むはなに対して、ハグプリのメンバーそれぞれが、はなの痛みを受け止め、励まします。(第31話)

めずらしく元気のないはな(キュアエール)をえみる(キュアマシェリ)とルールー(キュアアムール)が歌で励まします  HUGっと!プリキュア(第31話) より

ハグプリたちの応援は、「傷ついた心を抱きしめて癒し、傷ついてもなお前に進みたい気持ちを尊重する応援」なのです。まさにマザーハート、母性的な関わり方です。これは、昨今のビジネスフィールドでは過剰に排除されているので、相対する存在として、クライアス社という実力主義の企業は、まさにピッタリです。

(クライアス社の社長、ジョージ・クライが野乃はなに対峙するのも、実は、はなへの愛情が根っこにあるのですが・・・そのお話はまた、別の機会に。)

こうした背景を踏まえると、はなが多用する「めちょっく!」という言葉には、傷ついた心をないことにせず、向き合って、抱きしめる、そして応援する、そんな意味が込められていると、私は思いました。

傷ついた心にフタをしてないことにしているのは、ありのままの自然な自分ではありません。内から湧き上がるはずの内発にフタをしている状態なのです。
内に潜る旅を始めるということは、その心のフタをひらくということ。傷ついた心に触れたくなくて、それ以上潜らず、内発とつながることもなく、そのまま一生を終える人も少なくありません。(それはそれで尊重すべき選択だと思います。)

痛みはあれど、なりたい自分になりたい=内に潜る旅を続けたいと願うのであれば、自分自身の傷ついた心をないことにせず、向き合って、抱きしめる、そして応援する。そうすることで、心のフタがひらき、内に潜る旅がはじまるのです。

以上の理由から、「めちょっく!」=「傷ついた心を抱きしめ応援する」をテーマとするハグプリは、「母性によって心のフタがひらく」=イノベーションのプロセスの第1段階「内に潜る入り口」の教科書と言えます。

こうして、内に潜る旅、すなわちイノベーションのプロセスが始まりました。イノベーションのプロセスの第2段階において大事なことは、2019年のスタートゥインクルプリキュア、通称スタプリが教えてくれます。

プリキュアでイノベーション③へ続く

参考:
ハグプリについて気になった方は、ぜひこちらをご覧ください。

YouTube 東映アニメ―ションミュージアムチャンネル
HUGっと!プリキュア 第1話 (24分20秒 フルバージョンです)
https://youtu.be/SzJEo6i5nV4

YouTube プリキュア公式YouTubeチャンネル
3分でわかるHUGっと!プリキュア (実際は4分48秒)
https://youtu.be/ZivoyESK1Uk

公式サイト
HUGっと!プリキュア|東映アニメーション
https://www.toei-anim.co.jp/tv/hugtto_precure/


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