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ゲーテの色彩環
初めに
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、1749年8月28日にフランクフルト・アム・マインで生まれ、1832年3月22日にワイマールで亡くなったドイツの詩人、小説家、劇作家、自然科学者、政治家です。彼はドイツ文学の代表的な人物であり、その影響は文学のみならず、哲学、科学、芸術など多岐にわたります。
私が最も尊敬する人の1人であり、多くの視点、気づきを彼から学びました。
彼が研究していたあらゆる自然現象の中で、今回記事にしたのは、
「色彩論」です。内容をまとめました。
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概要
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、色彩理論において重要な貢献をしたドイツの詩人兼自然科学者です。彼の『色彩論(Zur Farbenlehre)』は、色の心理的および感覚的な側面に焦点を当てたもので、ニュートンの光学理論とは異なる視点を提供しています。ゲーテの色相環は、色の関係とそれが感情や心理状態に与える影響を示すためのツールとして重要です。
ゲーテの色相環の構造と色の関係
ゲーテの色相環は、基本色とそれらの混色で成り立っています。以下は、その構造と色の関係です。
基本色:
赤(Rot)
黄(Gelb)
青(Blau)
二次色(基本色の混合):
オレンジ(Orange):赤と黄の混合
緑(Grün):黄と青の混合
紫(Violett):青と赤の混合
補色:
赤と緑
黄と紫
青とオレンジ
色の意味と心理的影響
ゲーテの色相環では、各色が特定の感情や心理状態を引き起こすと考えられています。以下に、主要な色の意味と心理的影響を詳しく説明します。
赤(Rot)
意味: エネルギー、情熱、興奮
心理的影響: 赤は心拍数を上げ、アドレナリンの分泌を促進するため、興奮や情熱を感じさせます。エネルギッシュで活動的な印象を与えるため、注意を引きたい場面でよく使用されます。
例: 広告や警告標識、スポーツイベントなど。
黄(Gelb)
意味: 幸せ、希望、注意
心理的影響: 黄は幸福感や楽観主義を感じさせる色です。一方で、長時間見続けると不安感やストレスを感じることもあります。注意喚起のために使われることが多い色です。
例: 笑顔マーク、交通標識、学校のバス。
青(Blau)
意味: 冷静、信頼、知性
心理的影響: 青は心を落ち着かせ、冷静さや信頼感を与えます。また、知性や専門性を感じさせるため、ビジネスシーンや学術的な場面でよく使われます。
例: 企業のロゴ、医療機関の制服、教育機関のウェブサイト。
オレンジ(Orange)
意味: 創造性、活力、暖かさ
心理的影響: オレンジは赤のエネルギーと黄の幸福感を組み合わせた色で、活力や創造性を刺激します。暖かさや親しみやすさも感じさせるため、食品業界などでよく使われます。
例: 飲食店のロゴ、子供向けの広告。
緑(Grün)
意味: 自然、調和、安心感
心理的影響: 緑は自然を連想させ、調和や安心感をもたらします。目に優しく、リラックス効果があるため、ヘルスケアやエコ関連の分野でよく使われます。
例: 環境保護団体のロゴ、病院の内装。
紫(Violett)
意味: 高貴、神秘、創造力
心理的影響: 紫は高貴さや神秘性を感じさせます。また、創造力を刺激する色としても知られています。高級ブランドや芸術関連の場面でよく使われます。
例: 高級商品のパッケージ、劇場の装飾。
なぜこのような理論に辿り着いたのか
ゲーテの色彩理論は、彼自身の観察と実験に基づいています。彼は、色が単なる物理的な現象ではなく、人間の感覚と密接に関わっていると考えました。以下に、彼がどのようにしてこの理論に辿り着いたかを詳しく説明します。
観察と実験:
ゲーテは、色の知覚に関する多くの実験を行いました。彼は、プリズムを使って光の屈折を観察し、色がどのように見えるかを調べました。この過程で、色は光と暗闇の相互作用によって生じるという結論に至りました。
心理的影響の考察:
ゲーテは、色が感情や心理状態に与える影響を重視しました。彼は、色が持つ心理的効果を観察し、それを理論化しました。例えば、赤は興奮を、青は冷静をもたらすといった具合です。
ニュートン理論への反発:
ゲーテは、ニュートンの色彩理論に対して批判的でした。ニュートンは、色を光の波長に基づいて説明しましたが、ゲーテはこれを物理的な説明に過ぎないと考えました。彼は、色の知覚には心理的な要素が重要であると主張しました。
まとめ
ゲーテの色相環は、色の知覚と心理的な影響を理解するための重要なツールです。彼の理論は、色がどのように私たちの感情や心理に影響を与えるかを示しており、デザイン、教育、心理学など多くの分野で役立ちます。ゲーテの観察と実験に基づいたこの理論は、色彩の基本概念を理解するための貴重な資料となっています。