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改めて知りたいLGBTQsの基本③(SOGIハラとは)

こんにちは!プリンセススクゥエアーの笠原です。

少し前に、トランスジェンダー女性へのSOGIハラが話題になりました。いまだにこんなことがあるのかと、つらく感じたニュースです。

そもそも、SOGIハラってどんな言葉を表すのでしょう。
プライド月間だからこそ、改めて復習してみましょう!


「SOGIハラ」という言葉の意味とは

そもそも、「LGBT」という言葉より馴染みの薄い「SOGI」とはどんな意味なのでしょうか。

「SOGI(ソジ)」とは「Sexual Orientation and Gender Identity」の略です。日本語の意味は「性的指向と性自認」です。

性的指向と性自認については、先日こちらの記事で紹介をしました。「どんな性別の人を好きになるのか」「自分の性別についてどういうアイデンティティを持っているのか」ということを表す言葉です。

つまり、「SOGIハラ」というのは、「性的指向や性自認に関するハラスメント」を表す言葉なのです。



「性的指向」に関するハラスメント

たとえば性的指向に関するハラスメントは以下のようなものが考えられます。

・「ホモ」「レズ」「オカマ」などの差別や侮蔑的表現や、「◯◯だから襲われる」「◯◯は気持ち悪い」などの偏見を元にした言葉がけ
・結婚しない理由について執拗に聞かれる
・(女性のような/男性のような)仕草や服装などから「◯◯さんってゲイなんじゃない」などと噂を流される
・「◯◯にはこの仕事を任せられない」と性的指向を元に仕事を減らされたり、異動させられたりする

※「◯◯」にはゲイ、レズビアン、バイセクシュアルなどの性的指向に関する言葉が入ります。

「仕事に性的指向は関係ない」とよく聞きますが、職場のちょっとした雑談でも家庭や休日の過ごし方に話題が及ぶものです。そんな時に、居心地の悪い思いをしたり、意を決してカミングアウトした結果、悪意のある言葉にさらされてしまうことがあります。


「性自認」に関するハラスメント

また、「性自認」に関するハラスメントには以下のようなものが考えられます。

・トランスジェンダーだからと接客等の顧客と接する仕事から外される
・「男なら(女なら)◯◯しなさい」と性自認を理由に仕事を押し付けられたり、服装などを強制される
・「手術を受けないのであれば男(女)に戻ってはどうか」など、トランスジェンダーの在り方への基本的な理解のない言葉がけ

最近話題になったピクシブ社のハラスメント訴訟では、股間に顔を押し付けるなどのハラスメントを「男だからいいと思った」と加害者が発言したり、企業が「女性の被害とは重さが違う」と言うなど、トランスジェンダーであることを理由に被害を過小に捉え、二重・三重に精神的ダメージを与えるハラスメントが起こっています。


アウティング

また、カミングアウトをされた時に、許可を得ず他人の性的指向や性自認をばらしてしまうことを「アウティング」と言います。アウティングもSOGIハラに含まれます。

職場でも、部下から性自認や性的指向を打ち明けられた上司が、よかれと思って勝手に人事や管理部門に相談してしまい、本人は上司にだけ伝えたつもりだったのに、いつの間にか多くの人に知られてしまった……といったことが起こっていると聞きます。


法制度と、今から企業が取り組めること

これらの「SOGIハラ」ですが、パワハラ防止法(正式名:改正労働施策総合推進法)で防止策を講じることが企業に義務付けられました。大企業は2020年6月から、中小企業は2022年4月から取り組みが義務となっています。

従業員がSOGIハラにあってしまった時のための相談窓口設置や、就業規則などの規定にSOGIハラを禁止する旨の記載を行うこと、社員に正しい知識を身につけてもらうための研修実施など、企業がSOGIハラ防止のために取り組めることはたくさんあります。

厚生労働省から、性的マイノリティも働きやすい職場の事例集が出されています。こういうものを参考に、職場づくりを行っていくのもよいでしょう。

一つでもSOGIハラで苦しむ人が減っていくよう、環境整備が進むことを祈っています。

事例集:

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