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タカミハルカさんに紹介していただいた「死ぬ気まんまん」読み終わりました

タカミハルカさんから、佐野洋子さんの「死ぬ気まんまん」を紹介していただきました。

まず「ラブ・イズ・ザ・ベスト」それから「死ぬ気まんまん」の順で読むほうがいいと教えていただき、読み終わってなるほどと納得しました。

「ラブ・イズ・ザ・ベスト」は、佐野洋子さんが出会った様々な方たちが登場します。まずはお母さんのこと、友だちのこと、中野の本屋さん、仕事仲間、お父さんのこと、電車で会った人、下宿人、友だちのお父さん、愛犬のことまで、それはそれは出会った様々な人や動物が登場します。

それが皆、人間臭くて愛らしいのです。
佐野洋子さんが描くと人間て、生き物って、こんなにも愉しくて可愛らしいものなのかと思う。
さすが「百万回生きた猫」の作者さんね(この絵本は愛読書で、ほとんどの絵本は大阪の孫にあげたけれど、この本は残しています)

読んでいると、人間ていいなって思う。まさに、私が宝物みたいに探している「可愛らしい可笑しみ」そのものだわね。

読んでいると、バレエやヴァイオリンやピアノの発表会に向けて、毎日真っ青になって練習に励んでいる自分がなんだか可笑しくなってくる。
この前なんか、振り付け覚えや譜読みで頭がいっぱいいっぱいになって、「私はこのままではダメだわ、覚醒しなくては」なんて考えていた。

一体何に覚醒するのだろう。そして、そんな時はだいたい夫に冷たくなる(笑)
だいたい必死になっている時って、突飛な考えに取り憑かれてるし(笑)

「舞台で頭が真っ白になって忘れたらどうしよう、、」と真剣に悩んでいる60代の私。
トゥシューズが痛いと思いながら、リボンを縫い付け、クタクタになるまで練習している60代の私。

この小説に登場できるほど面白いわよね(笑)
特に好きだった台詞は、「私たち、ただ産まれてきただけなのね。」というお友達のえりちゃんの言葉。

そう、私たち、みんなただ産まれてきただけなのかもしれない。

それぞれに産まれてきて、多分天から決められた(自分で産まれる前に決めてきた?)なんらかの使命を懸命に果たして生きているだけかも。

みんな、人間も動物も、それぞれ一生懸命に生きている。愛のなかで。

それはみんな健気で可笑しく、可愛らしい。

きっとすべては可愛らしい

そして、続けて「死ぬ気まんまん」を読み始めました。
テーブルの上の「死ぬ気まんまん」の文庫本を見て、夫はちょっとギョッとしていたわ(笑)

さて、、
「死ぬ気まんまん」ですが、「ラブ・イズ・ザ・ベスト」を読んでいたから余計に深い想いで読めました。
タカミハルカさん、ありがとう。

作者の佐野洋子さんがほぼ70歳くらいの頃のエッセイ。
癌が転移し余命2年と宣告される。

あと、6、7年もすれば私も70歳。いつ、癌が再発しても不思議ではないし、他人事ではないなと思う。

佐野洋子さんはすごい。余命宣告されてもその日常は変わらない。
毎日煙草を吸い、愛車ジャガーに乗り、ジュリーにときめいている。
なんて素敵。

佐野洋子さんは72歳で亡くなられた。
病気との戦いは壮絶であったようだが、「ラブ・イズ・ザ・ベスト」の精神で入院中の出来事なども、細かい人間観察を交えて愉しく書かれている。

佐野洋子さんは1938年、北京生まれ。8歳の時に引揚げ船で日本に帰る。

彼女のエッセイには、大陸的なおおらかさを感じるのはそのせいかしら。

一番多感な時期を北京で暮らし、ソ連軍の侵入で難民となり、妹のおしめをとりかえ、南京豆を売り、ロシア人に煙草を売って食糧に変えて生きてきたらしい。。壮絶すぎる。

彼女のエッセイから、たくましい生命力と鋭い観察眼を感じるのはそのためかもしれない。

私も友人の薦めでキューブラー・ロスの「死ぬ瞬間」という本を読んだことがあるけれど、佐野洋子さんは死ぬ前の5段階のどれにも当てはまらないとおっしゃる。
さすがだ。

人生とはこんなものだという死生観が確立していると何にも怖くなくなるのかもしれない。
そして、毎日出会う人、一人一人が愛しく、起こる全てが面白く思えるのかもしれない。

大切なのは、ありふれた毎日の暮らし。大切なのは、ありふれた毎日に登場してくれる人や生き物たち(お人形もね)

いつ余命宣告されるかわからない年代になってきたけれど、「死ぬ気まんまん」でいれば、恐れることはないわね。。

別れはみんないつか通る道じゃんか、と風くんも言っている。
やっぱり風くん、わかっているんだなぁ、

風くんも言っていました!

見出しの写真でポポちゃんの横にあるのは、カルテットをしていた頃の写真。

最初、前のヴァイオリンの先生に「誰かにピアノ弾いてもらったら?」と言われて、、
お向かいのH子さんにピアノをお願いし、「マロングラッセ」というデュオ(その頃、チワワのマロが元気だったので、マロが輝くって名前つけてしまいました)を結成し、二人で発表会にでたら、獣医のS先生が、チェロとしてメンバーに入りたいと、、翌年三人で発表会にでたら、フルートのN子さんが是非いれて欲しいと。

カルテット「マロングラッセ」楽しかった。前のヴァイオリンの先生が指導してくださっていたので、やめてからマロングラッセも解散状態に、、

また四人で演奏できたらいいな。
素人の集団だけど、楽しかった。
カルテットでピティナのコンクールに出たら、「四人それぞれの個性が強すぎ」と審査員の先生から書評をいただき、笑ってしまったっけ、、

話がそれてしまいましたが、
そんな毎日の楽しみ、可笑しみを大切に暮らしていきたいな。。

いろいろ考えさせられた「死ぬ気まんまん」でした。
タカミハルカさん、ありがとうございます。
あやのんさんも、風帯ありがとう。


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