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PJCS2023(ポケモンSVダブルバトル)参戦記録

自己紹介


どうも、noteでは大変ご無沙汰です。シミチンです。
ポケモンVGC(Video Game Championship)の界隈では全く知られていないと思いますが、本職(?)はMTG(Magic:the Gathering)のプロツアー(世界大会)の上位入賞を目指して頑張ったりしていた人間です(とは言えそのピークは最早10年前w
コロナ禍や子供の色々などもありこれまでよりも更にMTGに触る機会が減ってしまう日々でしたが、娘(7歳)がアニポケを入り口にポケモンにドハマりしたので、せっかくだからということで実にポケモンBW(これも10年以上前w)ぶりにポケモンに手を出してみることにしました。

僕のポケモン知識は10年前に砂ガブリアスがオッスオッスしていたころの記憶で止まっており、辛うじて努力値とか個体値とか性格とかのルールは覚えていたものの、「フェアリータイプなにそれ最強やん」くらいのところからのスタートでした。とは言っても一度始めると徹底的にやりたくなるのが僕の性格なので、4月に開催されるポケモンの世界大会に向けた予選に参戦を決意するのでした。ちょうど、MTGプレイヤーとして20年近くの付き合い(!)になるあちゃます君が一緒に取り組む仲間を探していたこともあり、彼の伝手で様々な情報を得ることができました。情報は本当に大事。この場を借りてお礼させてもらいます。ありがとう!

…そして初めてのダブルバトルに手を出したのが、超久々に参戦した3月初旬のMTG大会(の敗北)の直後、というタイミングでした。MTGの大会が終わったら急にポケモン始めてなんなんやと厳しい視線を妻様から頂いたのは言うまでもありません。

…というのが僕の自己紹介で、ここからは今回使ったパーティをどのように考えて作っていったのかという思考の過程を記録するために記事にしてみようと思い立ちました。結論から言うと、今回は例の地獄の本戦において苦手なパーティを踏み続けるという不運、そしてお情けで巡ってきた再開催においてもひたすら相手の岩雪崩で怯む、こちらの岩雪崩は全く当たらない、麻痺はバグり続ける、こちらのポケモンは全身急所、という1回目を上回る不運もあり突破することは叶わなかったのですが、初の公式大会参戦でもある程度の結果には繋げられたということで無理やり満足することにしています。

。。。

できるわけねーだろちくしょーなんでだー!!

パーティ紹介(1回目)

レンタルパーティのコードもあります。

構築名:月牙

※以下、HP=H、こうげき=A、ぼうぎょ=B、とくこう=C、とくぼう=D、すばやさ=Sなどの略称を使います。(いつもの注意文言)

コンセプト

ダブルバトル初心者である僕としては、過去の対戦動画とか諸々の情報収集をしていく中で強い戦術だなと思ったのは以下の点でした。勿論経験の長い読者の皆さんからすればそんなものは当たり前だというものばかりかもしれません。
・全体攻撃技の押し付け:
地震、マジカルシャイン、ゴールドラッシュ、熱風等
・追い風による盤面支配
・いわゆる4災による全体デバフ
特に3点目は予選直前のレギュレーションCの導入によって使用が解禁される4災の存在そのものであり、いずれも単体で強力であることからどの構築においても入ってくるであろうことが想定されたので、単純に悪タイプの使用率が上がるんだろう、逆にエスパータイプはしんどい環境になるのだろうという考え方に至りました。

親の顔より見たかもしれない

だったら、悪タイプに抜群が取れるフェアリー、格闘を軸にするのが良いよね、というとても単純な発想でハバタクカミ、イダイナキバの採用を決めました。前者は言うまでもなくC135から放たれるマジカルシャイン、後者は地震・岩雪崩という全体技に加えて格闘技もタイプ一致で撃てる、さらにA131という優秀な種族値を買って採用を決定しました。しかしS135族であるハバタクカミはともかく、イダイナキバについてはSが十分ではないので、補助が必要であろうということで追い風でこれらをサポートすることにしました。そして、当初追い風要員として採用したのがこちら。

ヤミカラス(しんかのきせき)

特性「いたずらごころ」によりSに関係なく追い風を撃てる、更に黒い霧によって「合体寿司」対策が可能、更に更に「日本晴れ」によりハバタクカミとイダイナキバのサポートも可能という正しくこのパーティのためにいるようなポケモンなのですが、残念ながらこの動きは全てバレバレで、ある程度上位のランクにおいては基本的にヤミカラスは放置、横のアタッカーを2対1で処理するというプレイを受けることになるため、勝ちきれないことが増えました。とはいえ、日本晴れによる水タイプ半減でイルカマン対策が可能なことや他の天候パーティ(ノオーツツミ、バンギルガン)を対策することができるなどメリットは少なくないので、これからも環境によっては活躍の機会が出てくるとは思っています。

そんな中対戦相手として遭遇したのが物理耐久に特化したトドロクツキでした。

圧倒的にカッコいい

パラドックスポケモンの中でも圧倒的に高い種族値を持つものの、物理耐久に難があること、フェアリーが4倍弱点で刺さってしまうことなどが理由で活躍しきれていない彼ですが、ある日対戦で対面したとき、「どうせ物理で押せば落ちるやろ」とパオジアンでアイススピナーを放ったところ、「ワイドブレイカー」でAを下げられ、余裕を持って耐えられてしまったのです。
皆トドロクツキに対しては物理技で向かってくる、そこを逆手にとって耐久することにより、大きなアドバンテージを得ることができることが明らかになりました。
ヤミカラスのように確実な先制はできないものの、ブーストエナジーでSを上げれば同様にブーストエナジー発動してくるパラドックスポケモン以外は上を取ることができるということで追い風要員としても悪くないですし、飛行テラスタルによるアクロバットは言うまでもなく高火力が出せるということでヤミカラスとは全く異なる活躍ができる!ということで、トドロクツキでワイドブレイカーを連打して相手の攻撃をコントロール・或いは追い風+高火力アタッカーで殴るというコンセプトが決まりました。

個体紹介

H252 B202 S52 D4 性格:ようき

コンセプトの1体。4枠目の技としてはアクロバット一撃では落とせないモロバレル・チオンジェン対策、不意のトリックルームをちょっとでも対策できる挑発を採用していますが、この部分は環境によって使い分けが可能かと思います。
飛行テラスタルについてはブーストエナジー消費後のアクロバットとのコンボがあまりにも有名で読まれやすいですが、物理耐久の薄いポケモンに致命傷を与えられる、よく見る草テラスタルにも有効ということで変えることはありませんでした。
トドロクツキのA種族値が高いことが圧力になり、よくウィンディに威嚇+鬼火を受けますが、このツキの役割は攻撃ではなくワイドブレイカーなので、そうしたミスリードも大きなアドバンテージになっていました。実際、予選のときはそのおかげで多くのイルカ・ウィン・バレルの組み合わせを狩る事ができたと思います。

【S調整】
無振りのAを1上回る調整 

【火力目安】
ブーストエナジー消費後:飛行テラスタルアクロバット
H4ハバタクカミ:確定1

【耐久目安】
(物理)
A252陽気パオジアンのアイススピナー確定耐え
A252陽気ガブリアスのドラゴンクロー確定耐え
災いの剣下A252意地ノーマルテラス鉢巻カイリューの神速確定耐え
A252意地イダイナキバ(A1ランクダウン)のインファイト確定耐え
(特殊)
C252臆病テツノツツミのフリーズドライ確定耐え(54.7~65%)
↑D方面は硬いので、フェアリー技以外ならほぼ何でも耐える

H20 A252 B4 D84 S148(実数126) 性格:いじっぱり

メインアタッカー1号。どこからでもウィンディやギャラドスがシャシャり出てくるのでクリアチャームを持たせていたが、本戦ではほとんど見ることはなく残念な結果に…。毒や炎のテラスタルを切りがちなディンルーに対してもインファイト・ぶちかましのプレッシャーはとても有効でした。
威嚇をあまり見ない環境であればこだわりハチマキやスカーフを持たせても良かったかもしれないです。ただパーティの構成上まもる持ちが少ないため、トリックルームに対して無力すぎるということでこの形に落ち着きました。
テラスタルは炎と悩んで岩。特にカイリューによくテラバーストを打たれるので、飛行の半減が偉いと考えていました。岩雪崩がタイプ一致になるのもメリット。
地震不採用については最後まで悩みましたが、今回のパーティでは飛行タイプを採用していないため、味方を巻き込む負担が耐えきれないと判断して見送りました。

【S調整】
追い風下で最速スカーフ100族(主にイーユイ)抜き 

【火力目安】
インファイト:HB特化ディンルーを確定2
ぶちかまし:H4ハバタクカミを確定1
※追い風下においてSブーストのハバタクカミを狩るのが主な役割です。

【耐久目安】
(物理)
A特化水テラスタル神秘のしずく持ちイルカマン(マイティ)のジェットパンチ 高乱数(81.3%)で耐え

(特殊)
C252臆病ハバタクカミのマジカルシャイン(ダブルダメージ)確定耐え

H148(実数149)、B84、C252、D12、S12 性格:ひかえめ

メインアタッカー2号。基本的に追い風前提でトドロクツキと並べて初手に出します。相手視点ではブーストエナジーがツキに発動するということでこだわりメガネを警戒してくるところなのですが、そこで「守る」が有効に働きます。例えばディンルーやテツノカイナ、イダイナキバ等耐久の強い物理アタッカーとの対面で有効で、一旦追い風ターンを犠牲にすることで次のターンにワイドブレイカーを放つと、一撃で倒されるようなヘビーボンバー等を打たれてもハバタクカミが攻撃を耐えることができ、結果相手にテラスタルを強要することができますます。この点、きあいのタスキでも似た動きが可能ではあるのですが、後述のパオジアンにタスキを譲っていること、及びどうしても火力が必要である(特にハバタクカミミラーのときにシャドーボールで相手を飛ばせるかはかなり重要)ことから、命の珠の採用としています。テラスタルは水にすることで、鋼弱点を半減、更にイルカマンやヘイラッシャの水高火力物理攻撃を耐えるという意図があります。

【S調整】
追い風下でブーストエナジー発動後のテツノツツミ抜き

【火力目安】
シャドーボール:H252ハバタクカミを高乱数1(81.2%)
10まんボルト:HD252ギャラドスを確1、
      無振りイルカマン、ヘイラッシャを高乱数1(75%、68.7%)
マジカルシャイン(ダブルダメージ):
       H252ディンルーを確定2 チョッキ持ちは確定3
       イーユイの横に出てくるテツノツツミを確定1(これ重要)

【耐久目安】
(物理)
A252パオジアン(陽気)の不意打ちorアイススピナー確定耐え、
A252イルカマン(意地)のジェットパンチ確定耐え

(特殊)
余りなので特に意図はなし 等倍なら大体1回は耐える

H252 C252 S4 性格:ひかえめ

アタッカー3号。追い風環境下でゴールドラッシュをブチかます機械のような存在。とは言っても重要なのはトリックで、追い風を前提とした動きをするパーティなのでトリックルームには非常に相性が悪く、ひたすら負けを重ねていたので投入しています。(挑発でも対策できないことはないですが、マジックミラーで跳ね返してくるブリムオンやそもそもメンタルハーブ持ちに無効化されると涙で前が見えなくなるということで対策として不十分でした)
トリックでメガネを押し付けることができれば、トリル始動役は当然交代せざるを得ず、その後の展開でもほぼ死に札にすることができます。あとはトリルの有効ターンが切れるまで守るを駆使してどうにかして粘る、というのが対トリルの唯一の勝ち筋です。(そんなPJCSシーズン後半に、トリル持ちのハバタクカミが異常なほど繁殖し大変苦戦しました)
無論、そのような搦手のない相手には基本的にゴールドラッシュを追い風下でぶっ放します(大事なことなので2回目
こちらもテラスタルは水を採用し、イーユイをテラバーストで返り討ちにするプランを組んでいます。ところが本戦ではまさかのこちらの水テラバースト一点読みで相手のイーユイが草テラスタル・草テラバーストという動きを取り、ここから圧倒的な敗北が始まりましたorz

【S調整】
追い風下でS252臆病テツノツツミ抜き

【火力目安】
控えめ+メガネ+ぶっぱなので最大火力です
ダブルダメージとは言え等倍以上で入ればそれだけで大きなアドバンテージが取れます。

【耐久目安】
(物理)
A252パオジアン(陽気)の不意打ち耐え

(特殊)
特に意図はないが、等倍なら大体1回は耐える

H4 A252 S252 性格:ようき

寿司対策枠。パオジアンミラーやイーユイへの対策としてどうしても聖なる剣が切れなかったので止むなく守るを切っています。その他は一般的なパオジアンではないかと思います。
合体寿司に対してはワイドブレイカーで攻撃を下げつつ、黒い霧によって合体を無効化することが勝ちルートです。
予選で、ドドゲザンに睨まれたサーフゴーの横にこいつを展開し、サーフゴーのトリックでドドゲザンにこだわりメガネを押し付けたあと、更にトリックでパオジアンの持つきあいのタスキをサーフゴーが奪うことでドドゲザンの不意打ちを突破したという思い出がありますが、まあ普通のパオジアンです。

【S調整】
最速ぶっぱ

【火力目安】
ぶっぱ 無振りならハバタクカミをアイススピナーで確1

【耐久目安】
紙耐久なので殴られると大体タスキが発動する 考慮不要

H60 D4 C156 D156 S92 性格:ひかえめ

最後のピース。トドロクツキとイダイナキバを使う以上、どうしても構造上ハバタクカミ+イーユイが重くなるので、その対策として採用。とつげきチョッキを持たせることによってフェアリー技を牽制しながら、キラースピンで殴ります。横にトドロクツキを置くので追い風展開後は毒の入った相手に止めを刺していくイメージです。
基本的にはイーユイ+ハバタクカミの組み合わせに対して投げるポケモンになりますが、相手の展開がイーユイ+テツノツツミだった場合、テツノツツミに勇気のハイドロポンプを当てられてしまうと残念ながら一撃で落ちてしまいます。こうした点を重く見て、本戦の2回目ではキラフロルに代えてとつげきチョッキのテツノドクガを採用しました。テツノドクガのほうが特殊耐久は高く、耐久調整によって、イーユイが横にいたとしてもテツノツツミのハイドロポンプを耐えることができます。

【S調整】
調整の同志であったPokePapaさんのキラフロルを参考に、準速ペリッパー抜き。事前にまん延していたCobaltさんのキラフロルのSをわずかに抜く調整、とのこと。ポケモンはこういうことが普通に起こるのが怖い。

【火力目安】
Cは耐久優先で残りを振ったもの。ただ、草テラスエナジーボールは水系に対して十分な火力が出る。大体、横のトドロクツキでワイドブレイカーしていたり、キラースピンを入れたりしているので無理に確1を取りに行く必要はない。
草テラスエナジーボール:無振りヘイラッシャを高乱数1(93.7%)
            無振りイルカマンを確定1
パワージェム:無振りイーユイを乱数1(68.7%)
       無振りテツノツツミを確定1

【耐久目安】

(調整意図は特殊のみ)
テツノツツミのハイドロポンプを(イーユイがいなければ)耐え
C252キラフロルの大地の力耐え

回し方

基本選出は トドロクツキ+パオジアン以外の何かを展開します。
相手の初手を予想しつつ、、地面・格闘・岩が有効な相手や物理アタッカーに対してはキバ、カミイーユイなどの特殊アタッカーが予想されればカミやキラフロルを合わせていきます。キラフロルの場合、仮に物理アタッカーで来られても毒化粧が有効に働くので裏目になりにくい選択になります。

基本的には相手の素早さをすでに上回っていればトドロクツキは最初からワイドブレイカーを連打、ハバタクカミに対してはテラスタルを切った上で追い風を放ちます。ただし、稀にハバタクカミがトリックルームをカウンターで仕掛けてくるケースがあります。この場合には飛行テラスタルアクロバット+味方の攻撃を初手でハバタクカミに叩き込むのが正解となります。相手のパーティ内にテツノカイナ、ディンルーがいる場合その可能性が増しますので、頭に入れておくと良いと思います。

それ以外で、トリルが見えている場合のみ、キバ or ハバタクカミ+サーフゴーを並べてトリル役へのトリックを狙います。
ただし、グレンアルマ+イエッサンなど、どちらがトリックルームを押してくるかわからない上にトリックをこの指とまれで曲げられてしまうケースもあります。これに対してはトリックでの対策は有効ではないので、トリックルームを通されるのは覚悟しましょう。残念ながらこの構築ではこういった形のトリックルームパーティには完全な回答は用意できず、実際本戦でも何度か辛酸を舐めさせられました。こういったところも解決できるようにするのが今後の課題かなぁと思います。やはり経験豊富なプレイヤーは特にトリックルームや天候への対策が本当に上手だな、と動画等見ていて思います(感想)

再開催編…につづく!

今回のPJCS本戦は、「一度始めると対戦を終われないSAO彷彿のデスゲーム方式」「順位やレーティングが全く見えない」という競技として終わっとるレベルの不具合のため再開催が決定しました。もともと突破できるような成績ではなかった自分は完全に棚ボタのチャンスとなったわけで、それに向けてこの構築も大きく変更を加えることになっています。
結果的には再開催でも結果を残すことはできなかったのですが、そのパーティについてもその変更点を後日また公開したいと思います。

今回初めてポケモンの記事を書いてみたので読みにくい点や不足などあったかもしれませんが、ここまで読んでいただきありがとうございました!

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