アリスは再び眠る
毎日記憶がポッカリと落ちていくような気がしているので
文字を自分で考えて打つ。これは 脳トレかな。
みんな忘れていく。必要ないことだし、使わなくても生きていけるから使わなくなったのかもしれないけど、忘れなくても良いものも、モヤの中にぼんやり消えていく。
目が覚めたら アリスの夢は全て消えていて 眠ると再び思い出すのだろうか。父が病床でだんだんと身体の自由がきかなくなってきた時、よく夢を見ていたらしい。夢のなかでは身体はよく動く。きっと自由に動き回っていたのだろう。その時、父の中では現実と夢の中にいる自分の比重は、どちらが強かったんだろう。
モルヒネを打ったその日の晩、父はそのまま夢の中に旅立ってしまった。
父を見送り六文銭を握りしめた私は、三途の川で待ち合わせできるように自分に苗字をつけることにした。