驚いたときの逃避行動


🌾こちらは映画「悪は存在しない」の 
がっつり目のネタバレを含む個人的な感想と考察です。今後見る予定のある方は鑑賞後にご興味がわきましたらご覧ください。

わたしのコンディションについて

本日、観たばかりホヤホヤの状態です。加えて今週はブランキージェットシティの過去の映像LIVEプレミア配信、サカナクションのオンラインLIVEを2日間続けて鑑賞し、感受性が非常に高まっており、精神的な作品の受け取り態勢が整った状態でした。

この作品を知ったきっかけ

旧Twitter(現X)のタイムラインに流れてきたプロモーションで知りました。少し残業でお疲れ気味だったわたしは、「長野」「山の風景」この設定に惹かれ、あらすじや予備知識は全く入れない状態で映画館にのこのこやってきました。
映画館に向かう途中、駅前でポケットティッシュを配っていたので受け取り、「感動モノで泣くかもしれないしね。」なんて考えていて、心を弾ませていました。

(ここからあらすじと、わたしの心の声を含みます)

冒頭の森林の風景。あー、こういう感じ。癒されるわあ。
…ん、やけに長いな?森が深いってことかな?なんか眠くなってくる(雪の踏みしめる音などが心地よい)
女の子かわいいなあ。でもしっかりしているというか。
お父さんが車での学童のお迎えを忘れて、待ちきれず先に徒歩で帰ってしまうところとか。
もう、本当に忘れっぽい。…忘れっぽいだけなのか?
舞台はかなり山奥。街の中心部が近い田舎とはまた違う、自然の領域が広い方の田舎の風景。そう、危うい。

作品内では車のシーンが頻繁に出てきます。
東京組の車内での会話劇は、なぜか一緒に乗車して後部座席に乗っているような気分に。なんというか共感できるところもあるし、よくある会話だと思いました。

鑑賞後、異変。「うわああああーーーー!!!!」

こんな調子で観ておりましたが、最後は語彙をなくす結末で、
「ああ??…ああああああああー!!!うわあああーーーー!!」
でエンディングを迎え、びっくりしすぎて館内が明るくなった瞬間に立ち上がり、映画館の外に飛び出してしまうほどでした。
(ミニシアターのため外まではすぐ)
外に出たのは良いのの、動揺が治まらず、行きがけに通りがかり気になっていたお弁当屋さんでのり弁を買いました。
しかし隣で先にお弁当を購入した方が、わたしの目の前でお弁当を袋ごと落としてしまい、それにまた驚き、二重の動揺をしながらも毅然と振る舞う落とした方。
手元が汚れていたので、映画館に来る前に貰ったティッシュを渡してきました。
そこで少し落ち着きを取り戻し、この映画で言いたかったことはこういうことだったのかもしれない。と悟ったのでした。

もしやここ見逃してた?

(ここから「しいたけ占い風」の書き方です)
映画の時系列でいうと時期はコロナで自粛が吹き荒れた少し後、もしくは渦中と思われます。
これを書いている途中で気づいたのですが、
先ほどお父さんが忘れっぽいって言いました。この「忘れっぽい」って最近なにが起きているかというと、コロナワクチンの後遺症が真っ先に浮かびました。ですがそれなら病院通いが出てきそうだし、なんだか腑に落ちない。
で、もうひとつ浮かんだのがすぐ忘れるということは習慣になっておらず、これまでは別の誰かが迎えにきていたのでは。
それは、映画には登場しない自宅の写真立ての中に映るお母さん、つまり妻はごく最近亡くなったのではないか?それもコロナで。
一緒に写っている女の子も演じている姿とそれほど背格好が変わらない印象。

そんな時、東京からパリピみたいな人が急にこの村の山にグランピング施設つくるからね!文句いうなよ!うぇーい!!ってやって来ます。目的はコロナの企業助成金を受けるため。
2、3年前ですがコロナ助成金って色んな話題がありましたよね。

これは、君の話になる

再びラストに話を戻しますが、わたしが最後に抱いた感想としては、ラストシーンにわたしが出ていたということです。そして、一度死んだと思います。「あ、わたし死んだ。」
ただ、わたしが言いたいのは、ラストシーンは映画を観た全員が出演していたということです。
実はチラシもきちんと見ておらず、「これは、君の話になる」と書いてあるのに気がついたのは

この主人公には、ふたつの怒りがあるように思います。
表に出すわずかな表現が、怒りを溜めに溜めていることがうかがえます。
ひとつは都会に対して。ふたつ目はコロナ全てにおいて。
どこまでもお父さんの地雷を踏んでいく、東京から来た男女のふたり。

これは想像ですが、田舎からすると
「都会疲れたから自然の中で暮らしたいな。あー空気美味しい!」
は観光では思いがちですし、当然抱く感情ではあると思います。本当に違いますからね。これは都会に住んだことのある人にしかわからないしんどさです。
しかし、その旅先では日常です。実はここに大きな溝、温度差、底なしの沼が存在することを都会からやってくる人は理解していません。でも悪意がない。この描写が赤裸々に綴られていて、怖くなりました。
そこで、「一度来てみたら意外といいところだから、ノリで移住しちゃおっかなー!名案!」という雰囲気が、お父さんにもわたしにもトドメを刺します。

今、わたしどちら側なんだろう?と揺さぶられました。


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