詩:散歩
わくわくしながら家を出た
振り返ると家がある
目の前には道
何かに追われるようにとりあえず一歩を踏み出した
何も考えず道を歩く
横を見れば塀がある
目の前には光
前は見えないままになんとなくそのまま進んだ
駆け足そのまま分かれ道
後ろを見ても何もない
目の前には天秤
秤が示した重い方に仕方なく進んだ
準備万端に登り坂を気負いもせずに登りきる
気が付けば頂
目の前には何もない
何も考えずにそのまま進んだ
塞いだ気持ちで空を飛ぶ
下を見ればきりがない
目の前には首輪
説明書通りにかけたら引っ張られた
地に足つけて帰路につく
上を見れば重圧
目の前にはハリボテ
気が付いたら家に戻っていた
視界に入る大きな扉
見上げると門番に笑われた
目の前には思い出
ここぞとばかりに背に羽つけて歩き出した