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こころ

星空に押しつぶされそうな僕らは
下ばかり見つめている

がらんどうの心はいつ見ても滑稽で
多分にたぶん笑っている様を
僕はじっと見つめていた

心が泣いている
そんな風に思えるのは
決まって僕が笑っている時で
否応なく作った笑みに感化された人を見下していた

さようならと
君は言う

はじめましてと
僕は言う

地平線に見つめられて
恥ずかしくなった僕らは
ためらいながらも帰路につく

いつだってそう
気づくのが遅すぎて
僕は笑ってしまう

泣いているのは君のせいなんかじゃない
泣いているのは心が屈したからでもない

つくりかけの心に
誰かが入ってこないように
厳重に鍵をかけたあの日
僕は初めて僕を見た

はじめましてと
君は言う

さようならと
僕は言う

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