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別離

幼いころ見上げた空は広大で
どこまでも飛んで行けると思った
君を連れて飛んでいきたいと思った

2人のつながりを示すものを大事にしながら
時には失くしそうになりながら
共に歩んできたこの人生
いつのまにか君は僕にとってかけがえのないものになった

喧嘩もしたし一方的な言葉で拒絶したこともあった
そのたび君は悲しそうな目で僕を見つめていた
その眼に心打たれて僕は我に返ったことが何回もあった
助けられていたんだ
君という存在が僕のそばにいて
僕自身の成長は君がいてこそだった

君がそばにいることが当たり前で
幼いころからの付き合いで一緒にいる期間はもう長いけど
どんなときだって君は輝いていた
一生一緒にいられるような気がしていた

別れは突然だった
いや
少し前からその兆しはあった
わかっていたんだもう長くないことは
別れるのにそう長いことはかからないということに

物事の終わりというのはあっけらかんとしたもので
現実味のないひどく空虚なものだ

君がいないこの心の隙間は
何物にも埋められない
終わりのない終末感が僕を襲う

あの時ああしておけば
君を傷つけずに済んだのに
後悔しても始まらないのはわかっている
だけど考えられずにはいられない

後悔だけが残る別れより
最後の別れは笑顔で
悲しくて泣いたとしても
僕の心はきっと晴れることはないだろう

雨が降っている

始まりはいつも雨
ほのかに匂い立つアスファルトを踏みしめ
僕は今再び歩き出す

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