詩:街灯
雨降る夜に咲く
色とりどりのたんぽぽ
色眼鏡をかけた私の
汚れすら流れ落とす淡い色
傘を片手に立ちすくみ
私の世界が佇んだ
雨足が 強くなる
ふわふわと夜に踊る綿毛の光
時が止まったあの光に
魅入った私は夜行蝶
ふらふらと
心が揺れる
その様を笑うようにふわふわと
揺れる光を追いかける
音が消えた
聞こえるのは綿毛の笑い声
傘より外は雨
りん と張りつめた空気が音を弾く
優しいような
どこか諦めたような
ぬるい空気が私を包む
背筋に水滴が落ちた
その冷たさに我に返る
もう
あの暖かさは感じない
けれども
私と綿毛の間には
確かに柔らかな日差しが存在していた