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tomekantyou1
代償
救いを求める手に
慈悲も無く手を取らなかった君には
あからさまな自己への庇護欲しかなくて
笑ってしまいそうになる
救いを求めた人へのせめてもの贖罪にと
自由を謳歌することが
回り回って助けになるのだと信じ
生き抜いてきた君への
救いの手は必要ないのだろう
季節は巡る
巡り巡って君の番
君には何がある?
君は何を持ってきたの?
人生をたどった末に見えてくる
唯一無二の君のその自信が
誰かを傷つけていることに
なぜ気づかないのか
しかしながら
君がたとえ気づいたとしても
たとえ救いの手を差し伸べていても
たとえば底なし沼に沈みかけている小鳥を救う手立てにはなりもしないように
誰かを救うにはすでに遅すぎる
君は
黙って
見ていることしか出来やしない
偽善から生まれた善に
羽が付き飛び去っていく様を
ただ指を咥えて見ているがいい