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【体験記】一夜漬けで行政書士試験を受けてみた
2024年11月10日の行政書士試験を受けてきました。
開業する予定はないのですが、会社業務への理解を深めるために取り組んでみました。
あまり勉強のための時間が取れなかったので、11月8日(金)の午前、11月9日(土)だけで全てを補いました。
総勉強時間としては20時間くらいです。一夜漬けは少し誇張しすぎました。
筆者のバックグラウンド
経済学部を学部まで卒業しています。
法律関連科目としては、
・会社法(企業法務)
・国際法(国際司法裁判所や武力紛争)
を履修しました。
利用した教材
テキスト
メルカリで安く買えたので「合格革命」を使いましたが、イマイチでした。
伊藤塾のテキストの方が判例に即して法学的に本質的な議論が展開されているので、こっちを使った方がいいと思います。
万が一落ちたら、来年はこっちを使おうと思います。
結果的に『合格革命』を使いましたが、あまりいいテキストではないです。
もっと優先的に記載すべき、法学的に本質的な内容があると思います。
行政書士試験本試験の作者は、重箱の隅をつつくような悪問は作りません。
過去問
伊藤塾の本は判例を幅広くカバーしていて素晴らしいです。解説もまさに必要十分を満たしています。
過去問はこれを使いましょう。
補助教材
憲法、商法や民法の家族法関連はテキストを読んでいる時間がなかったので、『1分マスター』を使いました。
法学的に本質的な論点が綺麗にまとまっていて、素晴らしい教材でした。
アウトプットの練習として使いました。
当日の午前中に40字記述の模範解答だけ丸暗記しましたが、「こんなくだらない問題が本試験で出るわけないなぁ」と感じました。
作問者は法律の本質的理解をもう少し深めてください。
受験生は、これをやる時間があるなら本試験の過去問をやった方がいいと思います。
ロードマップ
民法(7時間)
完全に初見だったので、『合格革命』のテキストを丸暗記しました。
過去問をやる時間がなかったので、『合格革命』の40字記述の問題集の模範解答を暗記しました。
行政法(9時間)
完全に初見だったので、『合格革命』のテキストを丸暗記しました。
民法よりは軽かったので、過去問は2年分だけやりました。記述の模範解答も暗記しました。
初学者にとっては、行政法に最初に取り組むことで「法律的思考法」を早く体得できると思います。
憲法(3時間)
中学・高校の授業で違憲判例はなんとなく知っていたので、あまり時間は割きませんでした。
『1分マスター』をざっと流し読みした後、条文と判例だけ『合格革命』で抑えました。
会社法(1時間)
『1分マスター』を流し読みしただけです。
大学の企業法務の授業と関連した内容が多かったので、ちょっと細かい内容(取締役の人数など)だけを抑えました。
一般知識(0分)
やらなくていいです。
一夜漬けで行政書士試験に臨もうとする後輩への実践的アドバイス
法学的バックグラウンドの重要性ーー法学的思考法
大学の法学部を卒業しているか、それ以外かで難易度が大きく変わります。
普通の資格試験と違って、法学特有の「法学的思考法」をインストールする必要があります。
具体的には、「一般人の直感的な感覚」と「判例」が大きく変わるのが「法学的思考法」です。
従って、本試験で出題されるのも、「一般的な感覚では正解が導けない判例」です。
一般的な資格試験(簿記とかIPA資格とか)は、正解や解き方を覚えれば一夜漬けで合格できますが、法律資格はこの「法学的思考法」をインストールしないと、学習効率が著しく落ちます。
「行政書士の仕事内容」から、学習内容を逆算する
初学者にとって大変なのは、「馴染みのない内容を勉強すること」です。
行政不服審査とか国家賠償とか時効の援用なんて、一般人からしたら一生縁がないのが普通です。
では、どうやれば馴染みのない内容を理解できるようになるのか?
おすすめのやり方が、「『行政書士の仕事内容』から学習内容を逆算する」方法です。
行政書士の仕事内容はおおざっぱに言えば以下の2つです。
市民(法人含む)と国の仲介役
市民同士で揉めた時のアドバイザリー
そして、1に対応する法律が行政法で、2に対応する法律が民法です。
なので、勉強するときは漫然とテキストを眺めたり蛍光ペンで線を引いたりするのではなく、
「買った不動産が実は不法に転売されたものだったらどうなるんだろう?」とか、
「いきなり生活保護の支給を停止された人は、どうやって異議を申し立てられるんだろう?」
という風に、実務で起こりうるケースを想像しながらテキストを読んでいくことで、文章だと全く自分に馴染みのないようなお話が、急にリアリティを帯びてきて楽しく勉強できるようになります。
本試験とテキストのギャップを認識する
テキストは法律の初学者のために作られているので、単語の定義や説明に紙幅の大部分が割かれています。
(e.g. 「物上代位」とはどういう意味なのか、「心裡留保」とは何なのか)
その一方で、『合格革命』のようなテキストでは、実運用上の判例ではどうなるのかという点は、端っこの「参考欄」に押し込まれています。
しかし、本試験で問われるのは、「これまでの判例に即して考えれば、どのような結論が自然なのか」という実運用上の思考法です。
つまり、テキストの本文に書かれている部分よりも、端っこの「参考欄」に書かれている部分の方が、本試験では重要なのです。
もちろん初学者なので、わからない単語の意味を理解するのは必要ですが、そこが1番大切なポイントではないです。
覚えるべきなのは言葉自身や、その定義ではなく、「その概念を実社会で運用したらどうなるのか」という判決の部分です。
この点で、『合格革命』のテキストや、40字記述の問題集は、言葉や概念を説明することに注力しすぎで、行政書士に求められる能力を全く履き違えています。
対して、伊藤塾のテキストや問題集は、実運用上ではどうなるのかという点の説明に重点を置いており、行政書士に必要な能力を育むために効果的な構造で作られています。
終わりに
今回の記事は以上です。もし、気になる点などがありましたら、弊社のメールアドレス(info@primeseed.net)までお気軽にご連絡ください!
Prime Seed合同会社 代表:宗片吉史
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