「私にとって、歩くのは痛いこと」難病を抱えながら、ファンとワンチームでトップライバーを目指す − 🐾🍭青田奈々未@ぽんぐ🐾🍭さん
全国のライブアプリ配信者(通称:ライバー)を応援する事務所「PRIME」です。
PRIME所属ライバーである🐾🍭青田奈々未@ぽんぐ🐾🍭さんは、芸能界で子役としてデビューし、ミュージカル出演やイベントMCを経験。しかしそのかげで、全身に刺すような痛みを伴う原因不明の難病・線維筋痛症と闘ってきました。
「障害を持っている方を笑顔にできるような、バラエティタレントになりたい」という夢を叶えるために、「Pococha」のライバーになった彼女。初のライブ配信でどのような部分につまずき、それをどう乗り越えたのでしょうか。
※「Pococha(ポコチャ)」は、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する、スマホでライブ配信ができるアプリ。
コロナ禍で配信アプリに出合って、お笑い枠でデビュー
コロナ禍でイベントMCのお仕事がなくなり、この先どうするか迷っていたときに、Pocochaを知りました。
配信をのぞいてみると、私のやりたいお笑いっぽいバラエティジャンルのライバーさんは一人もいない。持ち前のトーク力を活かして、有名になるチャンスだ!とライバーになることを決めました。
(額に「おもいやり」の文字を書き、熱唱するぽんぐさん)
ライブ配信をサポートしてくれる事務所を探すなかで、さまざまなスカウトをいただきました。私には「元グラビアアイドル」「闘病中」みたいな、分かりやすい検索キーワードがあるせいかもしれません。
ところが、PRIMEからはスカウトが来なかったんです。PRIMEは、表側の検索キーワードじゃなくて、中身を見てスカウトしていて、信頼できる事務所だなと思い、自ら応募しました。
そうして、2020年2月に所属ライバーになって、配信を始めました。初めのうちは、誰が配信枠に来てくれるか分からなくても、よそ行きのメイクと服を準備して、しゃべり続けなければならないのが、すごくしんどかったですね。
(コスメを集めるのが大好きなぽんぐさん。独学でメイク講師も務める)
爆投げさんとさよならする勇気を持てたのは、ファンのおかげ
駆け出しライバーの頃、特に困ったのが、リスナーさんがコインを使ってアイテムを投げてくれたときの対応。自分のパフォーマンスに、その場で値段をつけてもらうなんて、初めての経験で戸惑いました。
人気ライバーさんのなかには、応援ランクを上げるために、莫大なお金をつぎ込むリスナーさん(通称:爆投げさん)に頼っている人もいます。
ただ、ほかのリスナーさんにとっては「この配信枠は、爆投げさんがアイテムを投げてくれるから、自分たちは無料で視聴して大丈夫なんだ」と他人ごとになってしまうんですよね。
たとえば、サッカーの試合では、ゴールした選手が目立つけれど、他のメンバーもみんなでパスを繋げてますよね。一人だけが活躍しているわけじゃない。
それと同じように、一人の爆投げさんだけじゃなくて、複数人のファンにチームとして支えてもらえる配信を目指したい。だから、爆投げさんが来ても頼らずに、配信枠から追い出すようにしようと決心しました。
リスナーさんには、チーム内でオリジナルの役職を担って支えてもらっています。配信中にリアルタイムでタグをつける「タグづけ専門家」とか、コメント欄でリスナーさんを迎え入れてくれる「受付嬢」とか。
爆投げさんとさよならした今、リスナーさんの役職には「アイテムを投げる係」はありません。それでも、リスナーさん同士で「応援ランクが更新される0時まで、アイテム合戦しようぜ」と呼びかけてくれる様子を見ると、もっと期待に応えなきゃと思いますね。
(ぽんぐさんが指差す先には、プロフィールのアイコンをぽんぐさんの変顔
に設定して、配信枠に入ってくるリスナーさんが!)
自信をなくしたときも、PRIMEとファンが手を差し伸べてくれた
リスナーさんの応援のおかげで、しばらく順調に配信を続けていました。それなのに、8月に入って、初めてランク帯が下がったんです。何がいけないんだろうと落ち込んでいたら、PRIMEのマネージャーから「少し話しませんか」と誘われました。
「自分なりに準備をかさねているけれど、リスナーさんの応援が増えないんです」と悩みを打ち明けたら、マネージャーに「やっていることは、何ひとつ間違っていないので、そのまま頑張ってください」と励まされました。
PRIMEは、伸びるためのロジックを大事にしながらも、私なりの表現を許してくれるところが安心できるんですよね。
(ぽんぐさん(グレーの💬)の相談に対して、
PRIMEのマネージャー(ブルーの💬)がアドバイス)
ランク帯がいったんガクンと落ちたことによって、リスナーさんとも「さらに上のランクを目指していこう」と結束力も強まりました。
実際に、9月開催のイベント「ないすぅ〜のコアラプロップス」では、トップをとることができました!
もともと、リスナーさんたちから、1千円未満の小さなアイテムを集めながら、トップになることが私の夢のひとつでした。最終的には20万円分の応援になって、一緒に乗り越えてくれたリスナーさんに感謝ですね。
ライブ配信では、誰もが個性と夢を売ってチャンスを掴める
最近、自分の配信アーカイブを見返したら、「嬉しいな」「幸せだなあ」が口癖になっていて驚きました。イベントでもなんでもない日も、リスナーさんのおかげで、いきなり特別な日に変わるんですよね。
難病・線維筋痛症と付き合いながらの配信なので、もちろん体調面でしんどいときもあります。
けれど、闘病する姿をライブ配信でありのまま見せて、線維筋痛症の存在をもっと多くの人に知ってもらいたい。病を押して、頑張って配信枠を開けた瞬間に、リスナーさんからコメントが来ると、「良かった〜!」と笑顔になります。
(応援するファンのグループ(通称:ファミリー)が一丸となって、
ぽんぐさんの配信枠の未来を支えている)
健康なときの私は、やりたいことに気づけなかった。障害のある今の自分だからこそ、「人の笑顔を生み出すバラエティタレントになって、障害のある方を励ましたい」という夢を持てました。その夢を実現するべく、まずはトップライバーになって、有名になりたいんです。
ライブ配信は、個性や夢に対して、値段がつく場所です。誰にどう言われても、諦めずに自分の決断を貫いたら、夢を一緒に叶えてくれるファンも絶対現れると思うんですよね。
ぽんぐさんが話を聞いてみたいライバーさんは、4人のお子さんがいるママライバー「あいられちゃん🐻🌈」。「同じPRIME所属で、日夜励まし合っている」とのことで、お話を伺うのが楽しみです!
(取材・文:村上 未萌)
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