「人の痛みをわかってあげられる人間になりたい。」爆速でS帯に駆け上がった共感系ライバー- さっぴ🐰🍓さん
全国のライブアプリ配信者(通称:ライバー)を応援する事務所「PRIME」です。辛い鬱病を乗り越え、現在Pococha内で最もランクの高いS帯で活躍するさっぴ🐰🍓さん。日々の配信やリスナーさんと真摯に向き合い日々改善を積み重ねるその姿に迫りました。
※「Pococha(ポコチャ)」は、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する、スマホでライブ配信ができるアプリ。
きっかけは、主治医のカウンセリング。
ライブ配信を始めたのは、2020年2月頃からでツイキャスからスタートしました。当時、鬱病で人とお話することが困難になってしまっていたのですが、その時の主治医さんからの勧めで、人と話すことのリハビリを目的として配信をはじめました。正直、最初は全然楽しくはなかったです。ツイキャスでの配信を続けているうちにちゃんとしたサポートが受けたいなと思い、たくさん来ていたスカウトDMの中から、サポートの実績などを調べてPRIMEに所属をすることにしました。そのタイミングで他の配信アプリからPocochaへの移籍もしました。
配信中のさっぴ🐰🍓さん
最初はリハビリ目的だったので全く楽しくなかったですが、今は少しずつ楽しめるようになってきています。配信の楽しいところは、普段はなかなか会えないような様々な人とお話ができるところです。元々、アパレルのお仕事をしていたこともあるくらいファッションが好きで、今は自分のブランドを成功させることが目標なのですが、同じような取り組みをしているリスナーさんに来てもらったりしてお話ができるのが楽しいです。
もともとアパレル、特に古着が好きだったので、古着屋で働いていました。自分でリメイクをするのが好きで、古着を買ってきては自宅で染めたり、切ったり、縫いつけたりしながら新しいものにしています。古着屋は辞めてしまいましたが、今は自分のブランドをつくって販売しています。
苦手だからこそコツコツと。振り返りと改善を積み重ねてリスナーさんの心をキャッチ。
典型的な一日の流れは、朝7時に起きて、9時頃まで炊事・洗濯・掃除のような家事をして朝ごはんを食べます。9時くらいからは1時間くらいじっくり時間を取って、前日に来てくれたリスナーさんのお名前や誕生日、趣味などの情報を暗記する時間を毎日必ず取っています。2日連続で来てくれる事も多いので、この習慣は大事にしています。
お昼くらいは、イベントに出ている場合はその状況確認と、前日の配信の反省会をします。前日の配信での良かったところと良くなかったところを毎日書き出しています。例えば、前日は、体調が良くなかったのに無理して長時間配信してしまったことが反省点です。自分からあまり話しかけられなかったり、話を振れなくなってしまいました。ただ、たまたまかもしれませんが体調が悪いことも影響してなのか、いつもより自発的に応援してくれるリスナーさんが多く、ありがたかったです。
配信時間も試行錯誤を繰り返しています。今は20時〜24時の時間は、必ずおしのび配信→通常配信をしています。メーターのデータや、他のライバーさんの配信タイミングを見ながら試行錯誤を繰り返しています。もともと、こういったことが得意だったわけではありませんが、苦手だからこそ習慣づけて毎日やっています。
配信に関する研究や前日の反省は毎日の日課とのこと。
耳触りのいい言葉だけじゃ意味がない。リスナーさんがふとした時に思い出してくれるような言葉を。
雑談が中心ではありますが、私の配信は変わっていると思います。根底にあるのは、「夢の後押しがしたい」という考え方です。(鬱病になってしまった)私みたいな人でも配信できるんだ。ということを通して、リスナーさんの夢も応援したいとおもっています。リスナーさんの中には、心や身体に病気を抱えていて、やりたいことや夢があっても諦めてしまっていた方もいます。そんな方に、勇気を出してもらって前に進んでいくための後押しをしています。夢の後押しをした結果配信枠からいなくなってしまう場合もあります。もともと勉強を頑張っていたのに病気で研究を諦めていた人がいたのですが、配信を見て元気になった結果、イベント前日に枠を卒業してしまった人がいました。ライバーとしては困ってしまいますが、応援できた結果、前に進んでくれたことが本当に嬉しかったです。
自分も、元々病気のリハビリがきっかけで配信をはじめました。その時に出会ったリスナーさんに本当に救ってもらえて、それでこうやって配信を続けることができています。当時助けてくださったリスナーさんには今も配信に来てくださっています。そうやってリスナーさんに色々与えていただいたので、Pocochaではなるべく「与えられるライバー」を目指したいとおもっています。ランクやメーターはリスナーさんに与えていただくものですが、それに見合った対価、自分が与えられるものを追求して上がっていきたいです。
Sランクまでマイナスを一度も取らずに成長できたのは、一人一人のリスナーさんとの出会いを大切にしたから。
Pocochaを始めてからは色々なことに悩みながらですが、順調に成長できています。最初の3週間でA帯に突入し、1.5ヶ月でS帯までいきました。その間一回もマイナスを取らなかったです。ここまで順調に成長できたことは、ツイキャスのころから配信に遊びに来ていただいたリスナーさんとの関係が途切れなかったことと、一人一人のリスナーさんの名前や性格を覚えていったこと、あとは配信に対してきちんと勉強したことが挙げられます。配信初日に10万ポイント以上の応援ポイントを頂いたのは、とても嬉しかったのですが今思い返せばちょっともったいなかったです。メーターは+2になりきってしまっていたので。笑
自分は、少数のコアファンの方に助けてもらいながら、S6までいったのでリスナーさんに負担をかけてしまっていました。なので最近はPRIMEのマネージャーさんとの相談しながらおしのび配信も積極的にしています。
月に一回髪型をチェンジ。いつも新鮮な状態に。
昔から、ヘアショーやカタログのヘアモデルをよくやっていました。多いときは月に5−6回髪型を変えることも。なので、今もよく髪型を変えています。おしゃれやファッションが好きで、元々原宿のアパレルで働いていました。個性的で、奇抜で、人と被らない、何をしても似合うかっこいい女性を目指しています。アパレルのときはメンズの担当をしていたくらい、好きなものにこだわりを持っていきたいです。
あくまで、自分のために髪型を変えているのですがリスナーさんも喜んでくれています。美容院にいくのは結構時間がかかってしまうので、切ったり、染めたり、刈ったりは割と自分でやってしまいます。キッチンばさみで前髪とか切っちゃいます。笑
リスナーさんから好評だったピンクカラーの髪型。
ライバーで変わった人生。これからはみんなと自分のために。
元々、子供の頃は外科医の先生になりたかったんです。家庭の事情もあって諦めてしまったけれど、それからも介護の勉強をしたりとか人を助けられる、それによって感謝されるようなことをしていきたいんです。自分も病気で苦しんでしまったので人の痛みをわかってあげられる人になりたい。配信でも人の痛みを理解する事を心がけています。ただ、配信の大人数の場で痛みを開示してもらって寄り添っていくことは難しいです。なので無理に開示を求めず自然に寄り添っていけるような配信をしていますし、これからももっとできるようになっていきたいです。ただ、耳障りの良い言葉を言うだけではなくて、その人のためになるようなことであれば、たとえ耳が痛くてもしっかり言ってあげたいです。その人の人生の場面場面で少しでも残るようなことを伝えていきたいです。
また、自分自身を表現する場として、やっぱりアパレルブランドは更に広げていきたいです。そのためには、メディアやイベントで自分を売り込んでいくことが必要で。ライバーとして成長しながら、更に力をつけてメディアでも露出していきたいと思っています。
人生を変えるには、見えないところに飛び込むしか無い。
きっかけは人それぞれだと思いますが、あんまり深く考えないで初めてみるのがいいと思います。なんとなくこうなりたいとか、こういうことしたいって思っていたことがだんだん具体的になってチャンスを掴めるかもしれません。私だって、最初は主治医さんに勧められたただのリハビリの一環でした。それが、諦めていたアパレルを始めるところまで変わりました。人生の転機だったと思っています。ぜひ飛び込んで見てください。
リハビリからスタートされて、S帯で活躍されるその秘訣は、自分自身と、リスナーさんに真摯に向き合うことでした。
(取材・文:杉山 信弘)
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