企画・ど久礼もん企業組合/清岡晃司さん
2022年7月15日&22日放送
今回のお客様は、高岡郡中土佐町「企画・ど久礼もん企業組合」の理事長、清岡晃司さん!
▶ カツオの町・中土佐町に生まれて
清岡さんは青柳裕介さんの漫画『土佐の一本釣り』で有名な高岡郡中土佐町のご出身!お父様はカツオの一本釣りの漁師さんだったそうで、子どもの頃からカツオに囲まれて過ごしました。
17歳の頃から、お父様の船・盛漁丸に乗り組み、カツオの一本釣り漁師となりますが、若き日の清岡さんを待ち受けていたのは … 強烈な船酔い😱
穏やかなときで2m、少し時化ってくると4~5mの波に揉まれ、常に身体が揺さぶられている状態。休もうと思っても船上に逃げ場はなく、3回目の漁まではとても仕事にならない状態だったそうです。
その後、船にも慣れて一本釣りにチャレンジすることになった清岡さん。竿の先に疑似餌を付けて海に放り込むと、瞬く間にカツオが食い付き、それを腕の力でグイッと船に上げる ─。船の上ではそんな一連の行動を1時間近く続けるそうで、漁が終わる頃には血気盛んな若者も疲れ果ててしまうそうです。ただベテラン漁師さんには様々なコツがあるようで、大きなカツオを無駄なく、無理なく次々と上げる姿はまさしく海の男!凄い人は2秒に一匹のペースで釣り上げるというから、これはもう職人技ですね♪
▶ 漁師から漁協職員、そして専門学校教員へ!
カツオ一本釣り漁船に3年ほど乗ったあとは地元漁協の職員として勤務。魚の競り人を務めたほか、競りの結果をまとめて、漁師さんへの支払いや、魚商への請求などをしていました。当時はパソコンなども普及しておらず、計算は電卓、書類は手書きの状態。非常に手間がかかっていたそうです。
その様子を見た地元「田中鮮魚店」の田中社長が一言!
「おまん、まだ手書きでそんなことやりゆうがか?
やる気があるならノートパソコンを貸しちゃおか?」
すぐにパソコンを借りた清岡さん。表計算ソフト「Lotus 1-2-3」(懐!)を使って計算すると、これが驚くほど便利!本格的に勉強しようと、高知市内の専門学校に通うことにしたのでした。
─ 元漁師がパソコンを習いに来た!
そんなプロフィールが気に入られたのか、学校卒業後はパソコンを教える教員として働くことになった清岡さん。
生活の拠点を高知市に移して漁とは全く関係のない毎日を送ります。
そんな中、待望の第一子となる娘さんが誕生!出生届を提出しようと、本籍地の欄に「高知市」と書いた途端、清岡さんの胸に突如として複雑な感情が湧き上がったのでした。
◇ このまま高知市で子育てをしてていいのか?
◇ 中土佐町で育てた方がいいのでは?
◇ 自分も地元へ帰りたい! ⇒ やっぱり帰ろう!!
そんなタイミングで地元・中土佐町の商売人の集まりである「企画・ど久礼もん企業組合」から声を掛けられ【地元の活性化】と【雇用の創出】という目的に共感して参加を決意、地元・中土佐町に戻ったのでした。
やはり清岡さんには久礼が似合いますよね♪
▶ 企画・ど久礼もん企業組合とは?
「企画・ど久礼もん企業組合」は 2007年、中土佐町で商売を営む
「スナック論吐奈唖」の川島昭代司さん、
「田中鮮魚店」の田中隆博さん、
「くれ天・岡村かまぼこ店」の岡村宣昭さん、
「ところ天・高知屋」の本井康介さんの4人で設立。
その後、専任スタッフとして清岡晃司さんが参加しました。
漁師と流通が共に潤うことで地域の活力を取り戻し「漁業を基盤に一つの共同体として生きていくまち」を作ろうという思いで活動しています。
◎活動その1「地場産品を使った商品開発」
ど久礼もんといえば個性的な加工品で有名です!
◇ 鰹の辛焼き味噌「カラヤン」(辛焼、激辛、山椒)
◇ 久礼の鰹に、四万十町の生姜を合わせた、ご飯の友「しょうがの恋」
◇ 地元の鰹がたっぷり入った「漁師のラー油」(いか大王、濃辛)
◇ 美味しい海鮮どんぶりのたれ「俺のたれ」などなど
いずれも「ど久礼もん」の通販ショップで購入できます!
◎活動その2「市場食堂 ど久礼もん」
大正町市場内にある市場食堂「ど久礼もん」では、漁師町ならではの新鮮な魚介類を使ったメニューが大人気!
その日に水揚げされた鰹を使った「かつおどんぶり」や、マグロ・カツオ・イカ・シイラ・国産野菜を使ったトマトベースのヘルシーカレー「なぶらカレー」も大好評です!
【住 所】 高岡郡中土佐町久礼6526
【営業時間】 午前10時~午後4時
【定休日】 毎週水曜日
【電話番号】 0889-52-3822
◎活動その3「鰹乃國水産」
久礼漁港に揚がったばかりのカツオを目利きして、隣接の加工場で藁焼きタタキにし、シャーベット状の氷「スラリーアイス」を使って高い鮮度のまま発送しています。
高知工科大学・ものづくり先端技術研究室が開発した「スラリーアイス」はシャーベット状なので魚全体を包み込み、鮮度を長く保ちます。
港で食べるタタキの味を再現した、まさに最強の藁焼きタタキなのです!
◎活動その4「鰹乃國 陣や~藁焼きたたき伝承館~」
2018年7月からは、一般客を対象にした藁焼きタタキの体験施設「陣や」を運営しています。学校の遠足や修学旅行など団体客の利用が多く、魚が苦手という方にも美味しく召し上がっていただいています。
タタキ未体験というアナタも是非一度体験してみてください!
▶ カツオの町・中土佐町の「かつお祭」
コロナ禍で2年連続中止となっていた中土佐町恒例のお祭り「かつお祭」が2022年5月、3年ぶりに開催されました。例年のように2万人の来場とはいかず、事前に申込を済ませた約160人が対象でしたが、カツオの町・中土佐町に久々に活気が戻りました!
大正町市場周辺でも関連イベントが行われ、市場食堂「ど久礼もん」では通常メニューと比べてカツオの量が3倍、ご飯は1.5倍という「豊漁かつおどんぶり」を提供、あっという間に完売する大盛況でした。
中土佐町とは切っても切れない関係のカツオ。
大正町市場のホームページでは、久礼のカツオのアレコレについて紹介した【カツオHANDBOOK】が公開されています。久礼のカツオが美味い理由、大正町市場の見どころ、中土佐町のカツオ関連スポットなどが紹介されているこの【カツオHANDBOOK】、是非ご覧ください。
▶ 今後の目標は?
最後に、清岡さんの今後の夢や目標を伺いました。
■ まだまだ道半ばの「ど久礼もん」の事業を、形になるまでやりきりたい!
■ そして、それを未来ある子どもたちに繋げていきたい!
清岡さんのお話を伺っていて感じたのは、とにかく今の活動が楽しそうだということです。これは清岡さんに限らず「ど久礼もん」の他のメンバーも、そして、もしかしたら久礼の皆さんがそうなのかもしれません。
子どもたちは、そんな大人の姿を見て成長していきます。
大好きな地元で、楽しそうに仕事をする大人たちを見ていれば、一度は町を出たとしても、将来きっと久礼に戻って来てくれるはず。
清岡さんは「そのときに地元に雇用先があるよう、もっともっと久礼を元気にしていきたい!」と語ってくれました。
元気で、行動力があって、大きな夢を持っている久礼のおんちゃん達 ─。
そんなおんちゃん達の集まりである「企画・ど久礼もん企業組合」の活動から今後も目が離せません!
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