絵本作家/永井みさえさん
2022年8月26日&9月2日放送
今回のお客様は絵本作家の永井みさえさん!
ほっとこうちからは入社3年目の植田大輝さんが初登場です。
▶ 絵本作家を志した理由は?
子どもの頃から絵を描くのが好きだった永井さん。ですがその内容は今のような“ほのぼの系”ではなく、ちょっとダークでドロドロした感じの絵が多かったそうです。ちょっと意外ですね。
そんな中、魚とウサギがキスするような可愛らしい絵を描いて飾っていたところ、実家の飲食店に来ていたお客様から「この絵を欲しい!」と言われて「あっ、人を喜ばせられる絵っていいな✨」と思い始めたそうで、15歳下の妹の誕生もあって、子どもを楽しませる絵本へとシフトしていきます。
2015年には展示会を通じて知り合った方から依頼を受け【さぬき映画祭】に出品する映画用に『にんにく姫』というタイトルの絵本を製作。これは映画の中に出てくるお父さんが作ったという設定の絵本で、映画の冒頭を飾る大事な作品として使われたそうです。その映画『アヒージョ』は【さぬき映画祭】で審査員特別賞を受賞!永井さんが担当した絵本も出版されました。
さらに同年10月には、ボランティアで通っていた児童養護施設の子ども達と一緒に、みんなを笑顔にする絵本『てをつなごう』を製作。「たろ」と「きっつ」という主人公の名前は子ども達が考えてくれたそうで、社会福祉協議会の協力を得て、こちらも絵本として出版されています。
▶ 高知県との出会いは?
【さぬき映画祭】を通じて知り合った香川県の方から「高知にキレイな海があるから見に行かない?」と誘われて、幡多郡大月町を訪れた永井さん。
関東では見たことがないようなキレイな景色に目を奪われたそうです。
当時は東京・下北沢で暮らしていましたが「ずっと家に引きこもって絵を描いてるのに東京にいる意味あるのかな?」と考えていたそうで、大月町役場の方から「地域おこし協力隊という仕事があるよ」と聞いてこれに応募!見事選ばれて、高知と東京を行き来しながら、絵本をとおした地域活動に取り組むようになりました。人とのご縁で導かれた人生なんですね~。
▶ 企業とのタイアップ絵本を製作!
高知を拠点に活動するようになってからも、人とのご縁をとおして様々な経験をしてきました。その代表的なものが地元企業とのコラボ絵本の製作!
遠藤青汁高知センターさんとの出会いをきっかけに製作した絵本『ぼくとケールおに』を皮切りに、城西館さんの創業145周年を記念した銀不老豆の絵本『どうして? ぼくはまっくろくろ?』、坂田信夫商店さんが企画した絵本『しょうがのニョッキ ニャッキ ニュッキ』、ミタニ建設工業さんとのコラボ絵本『SDGsの絵本』など、多くの作品を手がけてきました。
また2022年には、宮城県山元町の苺農家さんとの出会いから生まれた絵本『あまずっぱいいちご』を製作。これは東日本大震災で壊滅的な被害を受けた苺農家さんが、ITベンチャー経営者と出会い、これまでの苺栽培のノウハウと最先端のIT技術を融合させて作り上げた「ミガキイチゴ」の誕生ストーリーで、クラウドファンディングでの支援を受けて完成に漕ぎ着けました。
出来上がった絵本は支援者の皆様へのリターンとして贈られたほか、山元町内の小中学校など教育施設にも寄贈されました。困難を乗り越えた人たちが紡いだ希望の物語をぜひ読んでみてくださいね。
◎永井みさえさんが製作した絵本の購入は「ゆめのかたち社」オンラインショップからどうぞ!
▶ 絵本製作以外の活動も!
このほど発表された、絵本の賞「第9回絵本出版賞」で奨励賞を受賞した永井さん。実はこれまでこういった賞は避けてきたそうですが、思い切って初めて応募し、いきなりの受賞となりました!おめでとうございま~す♪
最近では絵本の製作以外の活動も増えてきたそうで、絵本の読み聞かせイベントや、子どもたちと一緒に絵本をつくるワークショップも開催しています。コロナ禍でなかなかイベントが開催できない状況ですがこういった活動は続けていきたいと語ってくださいましたよ。
また学校のトイレに壁画を描くというプロジェクトにも挑戦!
高知市内の小学校からの依頼を受け、子ども達に喜んでもらえるような壁画を描きました。トイレのリニューアルを機にお声がけをいただき、現地の視察や、先生方へのヒアリングを経て、心を込めて描いたという壁画。子ども達の健やかな成長にも繋がりそうな大切な活動ですね。
▶ 最新作は女子野球の物語?
これまで様々な企業とコラボしてオリジナルの絵本を作ってた永井さんに最新作について伺いました。
間もなく発売となるのは、高知中央高校の女子野球部を題材にした作品。全国大会では未勝利だった高知中央高校の女子硬式野球部が2021年の全国大会でどんどん勝ち上がり、女子野球としては初めて甲子園で行われた決勝に進出したという“奇跡の実話”を絵本化したものです。
高知中央高校卒業後、消防士として働いていた男性が、YouTube配信番組『令和の虎』に企画を持ち込んで資金を獲得し、その製作を永井さんに依頼したもので、取材をとおして女子野球のリアルな姿を描いています。
この絵本は『令和の虎』のECサイトで販売される予定だそうです。
興味のある方はぜひチェックしてみてください!!
▶ 今後の目標は?
永井さんに今後の夢や目標を伺ったところ、
■ シリーズ絵本をつくってみたい! とお答えいただきました。
永井みさえといえばコレ!というようなキャラクター、
さらには作品名で呼んでもらえるような絵本を作っていきたいそうです。
目指せ、ぐりとぐら! (by 中川李枝子さん&山脇百合子さん)
永井さんにとって「絵本」とは「人生そのもの」なんだとか。
様々な出会いを一つ一つ大切にしてきたからこそ繋がった人とのご縁。
それに対して真摯に向き合っていくことで、運命の歯車が動き始め、また新しい出会いへと繋がっていく ─ 。
自分の周りに起こることをポジティヴにとらえ、楽しみながら進んでいくことで、自らの人生をより豊かにしてきたんですね。
これからも絵本をとおして多くの方を喜ばせ、たくさんの笑顔をつくり出していってください。期待しています!!