風工房/清岡章浩さん
2022年8月12日&19日放送
今回のお客様は、高岡郡中土佐町「風工房」の代表取締役、清岡章浩さん!
▶ カツオ一本釣り漁師にはならなかった…
中土佐町久礼でカツオの一本釣り漁師をしていた父親のもとに生まれた清岡さん。地元では家業を継ぐのが当たり前でしたが、清岡さんのお父さんは「他人様に値段を決められる商売よりも自分で値段を決められる商売をせんといかん。これからはカツオも英語を話す時代やから勉強が大事」と話し、
不安定な漁師の仕事よりも堅実な仕事を進めたそうです。
そんな父親からの話を聞いて18歳で中土佐町役場に入庁し、税務課などの窓口業務を担当した後、地域振興課に配属されて企画係を拝命。高知自動車道の中土佐町までの延伸に備えて、交流人口の受け皿となる拠点施設の整備を推進し、住民の方々や専門家などから様々なアイデアをいただきながら、やり甲斐ある仕事に没頭していきます。こうした仕事の中で整備されたのが温泉宿泊施設「黒潮本陣」やスイーツショップ「風工房」でした。
その後、50歳で役場を退職し、何か新しいことをするべく充電期間に入った清岡さん。しかし元々がじっとしていられない性分で「道の駅なかとさ」の開業に合わせて店舗を移転することになった「風工房」の手伝いをしているうちに、いつのまにか会社運営の中枢へ。代表取締役として会社の舵取り役を務めることになるのは自然な成り行きだったのでしょうね♪
▶ 農家のお母さんたちが設立した風工房!
カツオの町・中土佐町に「カツオに負けない名物を!」の思いで始まった苺づくり。いちばん美味しい苺を目指して、完熟になるまで畑で大切に育てた中土佐町の苺は実が柔らかいこともあって流通には適しませんでした…。それでも何とかこの美味しさを知ってもらいたいと農家のお母さんたちが始めたのが苺を使ったスイーツづくり。クッキーすら焼いたことのないメンバーもいましたが、著名なフードプロデューサー・大原一郎さんからみっちりと指導を受け、数々の商品が完成!こうして1997年に誕生したのがスイーツショップ「風工房」です。
中土佐町の【風味】【風情】【風土】を活かした店づくりを!というコンセプトで「風工房」と命名されたこのスイーツショップは、たちまち人気となり、やがては「中土佐町といえばカツオと風工房」と言われるまでに!
設立25周年となった今も、町内外から多くのファンが詰めかけています💗
▶ どんどん増え続ける商品
2017年、「道の駅なかとさ」の開業と共に移転オープンした「風工房」。
木材をふんだんに使った開放感たっぷりの店内からは、久礼湾や太平洋を眺めることができ、日常を離れてリラックスした気分で寛いでいただけます。
【住 所】 高岡郡中土佐町久礼8645-2
【営業時間】 午前10時~午後5時
(カフェの営業は午後4時30分まで)
【定休日】 毎週火曜日(祝日の場合は翌日)
【電話番号】 0889-52-3395
「風工房」では季節によって提供するメニューに工夫を凝らしています。
毎年11月中旬頃から6月中旬頃までの地元産の苺が採れる時期は生の苺を使った商品が数多く並ぶほか、生の苺が採れない時期は小夏やブルーベリーなど季節のフルーツを使った商品が人気です。
夏の一番人気は「かき氷」や「苺のソフトクリーム」🍓
「かき氷」は定番の【苺】【抹茶】のほか、今年からは西岡酒造さんの梅酒の梅を使った【梅】が仲間入りしています。梅酒と言っても、アルコール分は飛んでいますのでドライバーの方も美味しく召し上がっていただけます。
冷たいかき氷で猛暑を乗り切りましょう!!
また秋になると、地元でとれた栗や芋、カボチャなどを使った商品が季節限定で登場!「栗のモンブラン」や「芋トルテ」、秋の味覚を詰め込んだ「秋のゴロゴロタルト」など、秋だけの味をお楽しみに。
▶ 地元企業とのコラボ商品が次々と誕生!
「風工房」では地元・中土佐町をはじめ、高知県内の企業とコラボした商品の開発にも力を入れています。
例えば県内で最も歴史のある蔵元「西岡酒造」さんの”酒粕”を白あんに練り込んだ「酒蔵チーズケーキ」に、“日本酒”を使った「酒蔵レアチーズ」。
夏バージョンは、小夏と檸檬が爽やかなさっぱりした一品になっています。
また「広井茶生産組合」さんの“しまんと紅茶”と、「馬路村農協」さんの“ベルガモット”が出会った【あうんアールグレイ茶葉】を使用した新商品「紅茶チーズケーキ」も登場!ロイヤルミルクティーのような甘くて濃厚な味わいをお楽しみください。
ほかには、同じ「道の駅なかとさ」内にある「岩本こむぎ店」さんとのコラボ商品や「宇井農園」さんのフルーツミニトマト“くれまるこ”を使った商品、ドリンクでは「下村農園」さんの“しょうがシロップ”を使った「しょうがアイス」や「ジンジャーエール」などもあります。
そんな中、満を持して登場するのが、須崎市安和にあります「竹虎」さんの“竹炭パウダー”を使った新商品「しふぉん de サンド(竹炭)」♪
完成したばかりの商品をお持ちいただき、試食させていただきました!
見た目真っ黒で、一瞬ドキッとするようなルックスですが、シフォンのもっちり感と、酸味のある苺クリームがベストマッチングな一品になっています。しかも竹炭にはデトックス効果も期待でき、美味しさの中にも身体への労わりが感じられる商品です。ぜひ一度ご賞味ください!
▶ スイーツづくりは若い世代へと
農家のお母さんたちが集まってスタートした「風工房」も今年で25周年。
時が経ち、スイーツづくりは今、町の若者たちへバトンタッチされてます。
2021年8月を以て創業者である苺倶楽部のお母さんたちはスイーツづくりから引退。長い間〔苺づくり〕と〔スイーツづくり〕という二足のワラジで頑張ってこられましたが、そんなお母さんたちが育ててくれたのは苺だけでなく、「風工房」の未来を担う立派な若者たちでした。一方、そんな若い従業員たちも、自らが受けた愛情に応えるべく、柔軟な発想で商品開発や販路拡大、広報活動などに活躍しています。人口減、少子高齢化、雇用の減少など、課題の多い高知県において「風工房」の健全なサイクルはひとつのモデルケースとなりそうですね。
また「風工房」では、県内の量販店やイベント会場に出かけての出張販売にも積極的に取り組んでいます。これは外出を控える方が増えたことで、お客様から出張販売してほしいという声が届いたことがきっかけでした。
とはいえ、これまで店頭販売のみで来ていたこともあって出張販売のノウハウがなく、当初は苦労したそうですが、手探りの中にも持ち前のホスピタリティを発揮して徐々にファンを獲得。羊羹パンで有名な宿毛市の「菱田ベーカリー」さんから保冷車を安く譲ってもらったことで機動力も手に入れ、今では真っ赤な苺がラッピングされた可愛い車に乗って県内あちこちに出かけています。ここにも清岡社長の積極性や人脈の豊富さが表れてますね。
出張販売のスケジュールは「風工房」のInstagramに掲載されています。
皆さんもお近くに来た際は是非お買い求めください♪
▶ 今後の目標は?
清岡さんが常に意識しているのは「土佐の一本釣りの心意気」!
一本一本、大切にカツオを釣り上げる一本釣りの精神は、苺を一粒一粒大切に育て、一つ一つの商品を丁寧に製造していく「風工房」の精神にも通じています。そんな地道な一歩一歩を積み重ねることが、やがて大きな高みへと続いて行くのでしょう。これはどんなお仕事にも通じそうですね。
最後に、清岡さんの今後の夢や目標を伺いました。
■ 変わらぬ安心感を与えられる店づくり
■ 先代が築いてきたものを後世に引き継ぐ “つなぎの役目”
■ 職場環境の整備
■ 販路の拡大
■ 生産者さんの応援
などなど、実現したいことはまだまだ沢山あるそうです。
これからもスイーツづくりをとおして、多くのお客様を喜ばせ、地元・中土佐町、そして高知県を盛り上げていってくださいね。
あー、「風工房」のケーキが食べたくなっちゃいました🍰😁
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