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【独立・起業のリアル】<序の章 No.13>起業アドバイザー便りとウェブでの発信

 この「起業アドバイザー便り」も、二〇一五(平成二十五)年十月に一二〇号となり、十カ年継続し、それを冊子としてまとめ上げて終了しました。

 思い起こせば、この「起業アドバイザー便り」のスタート時は、新興上場企業やその若手の代表者が株式市場で我がもの顔で振る舞い、それをマスコミなどのメディアが面白おかしく報じていた騒がしい世相でした。

 また、書店には若手実業家と称する人の虚実が混ざったHow to 本や、サクセスストーリーの書籍が平積みされて、本来的な実業としての経営のあり方を求めて歩む私にとって、少なからず疑問と違和感を持っていた時期でした。

 なぜなら、経営とは地道に一歩一歩の前進が基本ですし、その入口たる独立・起業においては、自分の将来を見越して、より冷静に処していくべきと、私も創業以降考えて実践してきましたので、なお一層の強い思いでした。

 そして、冷静に考えてみますと、まだまだ知識の浅い若い人たちが抱く独立や起業というものに対して、テレビや新聞、雑誌などのマスコミ全体が正しい情報を伝え切れていないと気付きました。また、これまで書店に平積みされている出版社の濫造気味のITビジネスやM&A関連誌の数多くのサクセスストーリー本では、アントレプレナーを目指す若い方々の真摯なニーズに応えていないと痛感しました。

 その理由は、起業や事業経営を十分理解していない「書き手」のスキルの欠落と、これから独立・起業を目指す人たちの熱い想いとのミスマッチがあると分かったのです。

 そこで、自分にできることは何かと問い、当時スタートさせたばかりのメールマガジン(S/magazine)に、私の起業と経験から学んださまざまの事柄と、これから起業を目指す、また事業をスタートさせる人たちへの道標になるアドバイス・メッセージ『起業アドバイザー便り』として掲載を始めました。

 それから多くの歳月が経過したわけですが、当時に比べ若い男女共にアントレプレナーは日増しに出現し、サポートする環境も大いに整備され、独立・起業の手段も多岐多様な世の中に推移してまいりました。
(続く)


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