ブランクのアーティストプルーフにペイントを依頼した話
はじめに
初めまして、イツキと申します。主にアーティストプルーフのコレクションをしています。最近はディスコードで専用コレクターサーバーのモデレーターもしています。
この記事はタイトルの通りアーティストにコンタクトをとってブランクのアーティストプルーフにペイントを依頼した一部始終を大体まとめたものです。今回の依頼で自分がどういう風に行動したか、どう思っていたのか振り返りたいと思ったので記事を書いてみます。多分、今回は特別なことはしていないので依頼する流れ的には通常通りの実例として誰かの参考になることがあれば良いなと思います。
今回の背景として、自分がアーティストプルーフを収集し始めたのは2年半前くらいで、Etsyを利用したり、アーティストのサイトから注文したり、慣れない英語を使ってエージェントに依頼したり…様々な手段でプルーフを集めていました。
その中で時折見る、アーティストに直接コンタクトを取ってブランクプルーフにスケッチを描いてもらったという話…うらやましいな〜いつか自分もチャレンジしてみたいな〜と常々思っていました。
きっかけ
ある日、いつものようにとあるフリマサイトを巡回していました。たまに掘り出し物が見つかるため気づいたら見るようにしていたのですが…
購入してしまいました。
ペンデルヘイヴンは本当にイラストが好きだしそのプルーフなんて次いつ手に入れられるチャンスが来るかわからないので仕方ないのです。
手に入れた時点ではとても満足していたのですが…ふと、もしスケッチが入っていたらもっと素敵だろうなという考えがよぎりました。同時にこれはちょうど良い機会なんじゃないかとも。そこからは行動に移すまで時間はかかりませんでした。
下準備
自分の場合は最初に依頼するアーティストの公式のサイトがないか調べます。なぜなら、
⚪︎アーティストプルーフを扱っているのか?
⚪︎依頼する場合の連絡先
⚪︎ポートフォリオ
など確認したいことが一度に見ることが出来ることが多いからです。もしサイトが無い場合はFacebookやInstagram、Xなどから連絡方法や今までの作品を辿ったりするのですが今回の場合はアーティストが直接運営する公式のサイトがあったのでそこで知りたい情報を確認することができました。
今回依頼するアーティストはBryon Wackwitzさん。担当したカードはペンデルヘイヴンの他にUrborgやLiving Planeなど黎明期のセットで活躍したアーティストで、今でも様々なイベントに参加されているようです。アーティストプルーフへのペイントもやっていることがわかりました!
コンタクト
サイトを見ると専用のコンタクトフォームがあったので名前や連絡先のアドレスなど必要事項を記入し、まずはサイトに明記されていなかったので現在ブランクのプルーフにペイントをしてもらうことは可能か確認をすることにしました。サイトに書いてあれば基本的に受けてもらえますが、アーティストの事情で実は今は受けることができないとかあり得るので確認はしておきます。もちろん、できないと言われたら残念ですがそこでストップします。自分の中でプルーフへのスケッチはアーティストの善意やファンへのサービスとして行われているという前提があるためです。
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それから1週間後、返信が来ました!
ブランクプルーフにペイントをしてもらえると返事をもらうことが出来ました!また、返信してくれればプロセスを開始出来るとも言ってもらえているのでさっそく依頼したい内容と今後どのように進めていけばいいか詳しい手順を教えてほしいと返信しました。
余談ですが、自分は英語が全然出来ないので、DeepLやGoogle翻訳など複数の翻訳ソフトを使いつつ文章を作成しています。ソフトによって作成される文章の意味合いが自分の言いたいことと違っている場合が結構あるので、例えばDeepLで作成した文章をGoogle翻訳で翻訳して問題ないか確認したりしてなるべく自分が伝えたいことが間違いなく伝わるようにしているつもりです。(2年ほどこの方法でやり取りしていますが、問題なく進められているので多少はやる意味はありそうです…多分)
ペイントの内容についてはお任せしたかったのでリクエストはしませんでした。(リクエスト自体は出来る)
連絡がついたのでこのまますんなりと依頼が進められると思っていたのですが…
それから2週間経っても返信が来ない!さすがにこちらから動いた方が良いかと思い調べたら別にコンタクト用のメールアドレスがあったのでそちらから連絡することにしました。(連絡先が複数ある場合レスポンスが良い連絡先があったりするので色々試すことにしています)
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こちらでも返事をもらうことが出来たので同じ内容で返信をしました。これで返信が返ってきてくれれば…!
ちゃんと返信が来ました!この時はよかったとホッとしていたのを覚えています。こうなれば順調に話は進み…
Bryonさんの元へプルーフを送り、後は待つのみとなりました。海外郵便を利用するのは初めてでしたが、思ったより簡単で拍子抜けしました。(たまたま上手くいっただけかもしれませんが)
他のプルーフを依頼した後もそうですが、すぐにできるものではないので気長に待つことになります。実際何日間かはどれくらいでできるかなと気になってはいましたがいつしかほぼ気にならなくなり時間が経っていきました。
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1年後
時が経つのは早いもので依頼してから1年が経過しました。この時点では何も連絡は来ていませんでした。なので、とりあえず1年を区切りとして改めて連絡することにしました。
1年ぶりなので忘れられてる可能性があることも念頭において相手をなるべく急かすことがない様に進捗どうですか?とメールを送りました。自分のメールが原因でアーティストの気持ちを害してしまうのは本当に避けたかったので何回も文章を確認した覚えがあります。
すると
なんとタイミングがちょうど良かったらしく、今週には出来上がる予定とのことでした。この時は早くて半年後くらいに着手するくらいかなと思っていたので予想外の嬉しい知らせにテンションがかなり上がっていました。
2日後には出来上がったとの連絡が来たのですが
ガッシュを塗った後に写真を撮ったので数字が読みにくく、52番だと思うのだけど、そちらでシリアルナンバーがいくつだったかわからないか?と聞かれました。
62番だとわかったのでこの写真を添付してこの写真を見る限り自分は62番だと思うとメールを返しました。あちらもわかったようですぐにAwesome, thank you so much!と返事が来ました。何でも写真を撮っておくものですね…
そして次の日、完成したものの画像が送られてきました。また、今回の料金を計算するために送料が知りたいので住所を教えて欲しいと連絡が来ました。海外の住所の書き方は日本とは違うので最初は戸惑いますよね。
送られてきた完成品の感想と早く手元で実物を見たいとコメントを添えつつ住所を書いてメールを返しました。
自分は住所を書くときは見やすいように項目ごとに分けて書いてます。間違えられてしまう可能性を極力減らしたいですしね。具体的には
Full Name: 名前
Street Address:番地
City: 市町村
State: 都道府県
Zip Code: 郵便番号
Country: 国
Phone number:電話番号
みたいな感じですね。大体これで通じています。
今回の依頼料とpaypalのアドレスが送られて来てここに送金してねと連絡が来たのですぐに送金の手続きをしたのですが…
アドレスが古いものだったみたいです。すぐにキャンセルして送金し直しました。こういうこともたまにあります。
今回は送料込みで$370支払いました。ペイントの依頼料としては普通くらいだと思うのですが、最近周りで聞くペイントの依頼料が値上がって$400だったり高い人だと$800とかするので相対的に見てかなり良心的に感じます。でもやっぱり高い…(7月15日時点で58,515円)
こういう場面では円高になってくれないかなぁと思います。
そして、次の日には発送と追跡番号の連絡が来ました。お礼と到着したら連絡すると返信しました。ここまでくれば本当にあと少しです。サイトで追跡情報とにらめっこする日々が続きます。どれくらいで着くかは運送のサービスとかどこから発送されたかとか色々な条件でかわるのですが、今回の場合は6〜14日の範囲で到着する予定と知らされていました。
到着
無事にプルーフが到着しました!途中4日間くらい追跡情報が止まったことがあったので心配していましたがまた動き出したあとは特に問題なく届いたので本当によかったです。
写真で絵の雰囲気はわかっていましたが、細かい絵の具の重なりとか筆の跡がわかるので実際に見るとかなり印象が違いました。自分のために描いてもらったものだと思うと感慨深いものがあります。
自分はプルーフが届いたあとに必ずアーティストに無事に届いたこと、絵についての軽い感想と感謝の言葉をメールやMessenger、Xのポストなどで伝えるようにしています。
あるアーティストから「特に海外へプルーフを送った時は送ることが出来たか心配しているので、無事に到着したことの連絡があると嬉しい」ということを聞いたのがきっかけでそれ以来出来るだけ連絡をしようと思っています。
(当たり前のことなのかもしれませんが…)
まとめ
今回、思いつきで直接アーティストに依頼をしてブランクのプルーフにペイントをしてもらったことを振り返ってみましたが、我ながらかなり時間をかけているなと思いましたし、実際プルーフが手元に届くまで1年と少しとかなりかかっています。
でも、時間をかける価値はあると思います。理由は自分の好きなカードのプルーフに自分のために絵を描いてもらうこと、メールや海外への郵送などのアーティストとのやり取りをすることなどの体験を通して自分だけのかけがえの無い特別な宝物を手に入れることが出来るからです。自分はそこにプルーフをコレクションをする上で他には無い特別さを感じています。
最後に、ここまでこんな長い記事につきあってくださり、ありがとうございました。
少しでも共感することがあったり、この記事が直接アーティストへ依頼することのハードルをちょっとだけ下げることができればとても嬉しいと思います。
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