モンテッソーリ教育について

話題のモンテッソーリ教育。
私も本を読み、概念は理解したつもりでした。
しかし、実践しようとなると難しい。
一つの側面を切り取り、点として実践する分にはいいのですが、モンテッソーリ教育を理解し系統性を考えて子供に落とし込む…が難しいのです。

今は運動教育の中の「日常生活の練習」について考えています。
意味は理解できる(テキストを読むと理解できる)けど、
いざ自分の言葉で説明は難しく、本当にすべて理解できているのか自信がありません。

1.日常生活の練習とは
粗大運動や微細運動で獲得した運動を、社会の一員として実践する活動のことを日常生活の練習といいます。
粗大運動で獲得した自分の体を思い通りに動かす力(平衡感覚)と微細運動にて獲得した手指と目の協応の2つを活かし、さらに複雑な動きとして社会で生きるために必要な運動・知性・精神を獲得していきます。

例えば、朝起きたらトイレに行き、朝食を食べ、顔を洗い、歯を磨き、着替えて、髪の毛を整えて保育園に行きます。また、保育園についたら、上履きに履き替え、先生に挨拶して、上着を脱ぎます。
同じ場所で同じ動作をくりかえすことで子供は秩序を学び、保育園という社会に順応するために必要な動きを獲得していきます。

2.日常生活の練習 5つの分野
①基本運動
動詞の終止形に相当する動作。
例えば、あける・貼る・切る・縫う・閉める等の活動で、ひとつの動作に重点を置きます。

②セルフケア
衣服の着脱(着替え)、手を洗う、髪をとかす、顔を洗うという身だしなみを整え自分をケアする作業を獲得します。

③環境への配慮
過ごしやすい環境を整備したり、美しくする作業を獲得します。例えば、下駄箱のすのこが砂で汚れていて、保育士さんが毎朝砂をはいていたとします。子供は、砂で汚れていたらはくという動作を学びます。
他にも、玄関で靴を脱ぎっぱなしにせず、下駄箱にしまうことで周囲が気持ちよく使えるということを学び、靴をしまうということを理解します。

④社交的なふるまい
自宅を出発するとき、玄関でいってきますと挨拶をします。また、登園中であった近所の人、保育園でお友達とあった時など、その場に応じて他社とのかかわり方を学んでいきます。この学びは大人が見本となります。

⑤運動調整
路上歩行と静粛練習です。自分の意思で運動をコントロールする力を養うのです。

3.いつから日常生活の練習をさせる?
こういった行動を無理に覚えさせようとする必要はありません。
月齢目安としては1歳6か月過ぎ、粗大運動と微細運動の獲得が進んだ頃に子供がその動作を吸収したいという敏感期がやってきて(ボタンをつけようと繰り返す等)いるとき、親の真似をしたがる(模倣)時期がやってきたら、その時を逃さずに、適切な環境設定をすることで、子供は自ら日常生活に必要な動きを獲得していきます。

4.目的は子供の自己肯定感・自立心を育むこと
こうやって日常生活の練習を続けることで、親のサポートを借りなくても子供ひとりでできるようになります。
この時、子供は「自分のやりたいことが自分一人でできた」という達成感を味わい、「自分ならできる」という自己肯定感が生まれます。
親は適切な環境のもと子供を見守り(子供が求めてきたときにサポートする)、こどものやればできる、次もやってみようという気持ちを支えることで、向上心や探求心を磨くことになり、非認知能力の向上につながります。
非認知能力の向上は、親に設定された環境下から、徐々に子供の社会が広がっていき多様な環境下で社会生活に順応していくときに役立ち、社会で役割を持ち社会の一員として生活を送る基盤を作ることができるのです。
つまり、日常生活の練習は単純な動作の獲得だけが目的ではなく、「一人でできた」「やればできる」「やってみたい」という気持ちを育み、最終的には社会の一員として社会生活を送るための能力も養っていくことなのです。


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