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ユメニカケル
「終わっちゃったね(笑)」
私の後ろに立っていたあやちゃんがそういった。
6年前に加入し、活動をしてきたこの場所。
酸いも甘いも経験したこの場所を、私は今日旅立つ。
「ね~(笑) なんかあっという間だったな~(笑)」
「・・・ほんとにいなくなっちゃうんだね。」
「そうだよ~!明日からレイ仕事場とかいないんだよ~?」
「あやちゃん寂しくて泣いちゃうんじゃない?(笑)」
「・・・」
「・・・あやちゃん?」
「・・・寂しいよ。信じられないくらい。」
普段明るいあやちゃんのこんな顔、初めて見た。
私が卒業を伝えてからずっと笑顔で一緒にいたのに。
私まで寂しくなっちゃうじゃん。
「寂しいけどさ、私の気持ちでレイちゃんのこと止められないから。」
「レイちゃんの夢、応援するって決めたし!」
「あやちゃん・・・」
「ねぇレイちゃんまで悲しい顔しないでよ!(笑)
レイちゃんらしくないよ!(笑)」
私は知ってる。
あやちゃんのこの笑顔が強がりだってこと。
あやちゃんがこんなに私のこと考えてくれてたんだ。
気づいたら私は、あやちゃんを抱きしめていた。
「レイちゃん・・・」
あやちゃんは私の胸で泣いていた。
私も気づけば、涙を流していた。
「ごめんねレイちゃん泣いちゃって(笑)」
「いやいや私も泣いちゃったよ~(笑)」
私たちは笑っていた。
たくさん泣いて、すっきりしたのかな。
「ねぇレイちゃん」
「レイちゃんはこっから離れちゃうけどさ、絶対一人じゃないからね!」
「いろんなことにぶつかったりすると思うしさ、大変だと思う。」
「でも私たちずっと友達だしさ、ちゃんと相談してよ!」
「一人で抱え込むなんて許さないからね!」
あやちゃんのやさしさが身に染みる。
やっぱり私も寂しかったんだな。
「・・・ありがとうあやちゃん!」
「やっぱりあやちゃんは」
「親友だよ!!!!!!!!」
明日から私はここを離れる。
臆病になってしまうこともあると思う。
でも私は1人じゃないから。
みんながちゃんと見てくれてる。
私はそう信じて
ユメニカケル
「よっしゃ~~~!がんばるぞ~~~~!!!」