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オーピーはハイパー偏食ボーイ

オーピーはハイパー偏食ボーイである。
離乳食が始まってからしばらく、食物との関係は良好であった。
しかし、成長と共に増えるはずの食べられる物の種類が、逆にどんどん減っていき、2歳の頃には、
白米(炊き込みご飯NG、ふりかけNG)
うどん(素)
ヨーグルト(プレーン)
牛乳
以上。になっていた。
スースも色々試してみたんだよ?スースなりに頑張ったんだけど、食べないもの食べないの。
オーピーに一体何が起こっているのか。
そしてお気づきかもしれないが、食べる物は全部白い物である。
わからない事や、困っている事、不安な事は、1人で悩まない、誰かに相談してみるのが1番良い、ということを、キャノンという未知の生物を育てた経験から学んでいたスース。
その頃、1歳半検診で、地球語の習得の遅さがひっかかったオーピーは週一で療育教室に通っていた。
スースはオーピーの超偏食の事を療育教室の先生に相談してみた。
先生は「うーん。」と考えてから、
「偏食って無理矢理食べさせて治るものでもないしねえ‥‥。」
と言った。
それから、とある偏食ボーイの話しをしてくれた。
むかーしむかしあるところにとある偏食ボーイがおったとさ。そのとある偏食ボーイはものごころついた頃から急におっかあの作ったお好み焼きしか食べなくなってしまったんだと。ただのお好み焼きじゃない。おっかあの作ったお好み焼きだ。
出かけるとなると、おっかあの作ったお好み焼きを弁当にして持っていき、旅に出る時にはお好み焼きの材料とホットプレートをスーツケースに詰め込んで持って行ったんだとさ。
だが、中学生になった途端、突然なんでも食べるようになったそうな。めでたしめでたし!
先生は、おそらく体の成長と共に成長に必要な栄養を自然と欲するのではないか、と言っていた。
おっかあのお好み焼きはなかなか衝撃だった。でもお好み焼きは炭水化物、肉、野菜も入ってる完全栄養食なのでは?!とも思ったり。
中学生までなかなか長い道のりではあるが、食べるようになるならまあ‥‥いい‥のか??
など、色々な事が頭に浮かんだ。
スースの幼馴染も元偏食ボーイである。
幼馴染のお母さんにもオーピーの偏食について話してみた。
お母さんは「えー!そんだけ食べれるんなら上等やん!」と言うのだ。
「あの子は『うなぎのタレ』をかけたごはんしか食べへんかったから、どこ行くにも『うなぎのタレ』持ち歩いてたわー!」
『うなぎのタレ』!!!まあ美味しいけども!!!
「飲み物も麦茶しか飲まへんから喫茶店行っても飲むもんないのよー!」
と色々教えてくれた。
当の幼馴染は今も好き嫌いが多いが、今は『うなぎのタレ』や『麦茶』だけで生きているわけじゃない。
もう1人、
「俺、突き詰めたら好きな食べ物『調味料』かもしれん。」
とか真剣に言い出す元偏食ボーイの友人がいる。
彼いわく、味が嫌とかだけではなく、見た目、匂い、口に入れた時の食感がどうしても無理な場合があるらしい。
それをきいた時、スースは、確かにスースも、虫やドリアン、臭豆腐などなど、食べたことはないから味が嫌いかどうかわからないけど、見た目と匂いで食べてみようという気にはなれないな‥‥思った。
「ちょっと!大丈夫だから!一回騙されたと思って食べてみて?絶対美味しいから!!」と虫を目の前に突きつけられても‥‥なあ。スースはちょっと食べられないかも。
偏食ってこの無理の範囲が異様に広いから起こるのか?
ひょっとしたら今のオーピーにとって白い物が安心して口に運べる物なのかも知れないなー、と思った。
スースはオーピーの偏食を治すのではなく、偏食が治るのを待ってみよう!と心を決めた。
そして現在小2のオーピーは、白い物以外に
カレーライス(白米に素ルーがけ)
コロッケ
焼肉(牛)
ラーメン(素)
カロリーメイト
ホットケーキ
お茶(なんでも)
オレンジジュース
チョコレート
クリームパン
など食べられるようになった。
先日はお寿司屋さん(キャノンの好物、寿司とマクド)で「マグロって美味しいの?食べてみようかな?」と言ってひときれチャレンジしていた。(食べた後、「もう、いいかな‥。」とは言っていたが)
なかなかの成長ぶりをみせているオーピーだ!
ところで、これは、偏食の弊害なのかはたまた別の原因かわからないが、オーピーはお箸が使えない。いまだに補助箸のお世話になっている。学校の給食でも補助箸を持っていって使っている。
別にオーピーが何も言わないからスースもいいか、と思っていたのだが、小3の背中がうっすら見えてきた最近、急にスースに焦る気持ちが芽生えた。
そこでオーピーに
「お箸の練習しようよ!いつまでも補助箸じゃちょっと恥ずかしくない??」
と言ってみた。
すると心底不思議そうに
「恥ずかしい?なんで?全然!!」とオーピー。
「え?じゃあずっと補助箸使うの?大人になっても?」
「それいいじゃん!!大人になっても補助箸いいじゃん!!!俺らしくてめっちゃいいじゃん!!!」
と、『君!いいね!そのアイディアすごくいいよ!』と部下を褒める社長のノリで言われたので、それ以上何も言えなくなったスースであった。





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