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フロイデ!歓喜の歌

いよいよ2024年も押し迫ってきました。
年末と言えば、第九「歓喜の歌」ですね。
日本ではおなじみですが、ヨーロッパなどでは、ベートーベンが神格化されているため、あまりに敷居が高いので演奏されることが少ないんだとか。

有名な第四楽章の合唱部分ですが、この歌詞が今の時代にぴったりとはまり、宇宙がベートーベンを使ってメッセージを残したのでは、と思うほどです。
彼が交響曲第九番を完成させたのが1824年ですから、今年はちょうど200年であり、この200年間に起きたストーリーが第一楽章から第三楽章に表現されています。
興味のある方はこちらを⇩
【第九解説】ベートーベンの最高傑作!交響曲第9番の魅力を解説!第九に込められたメッセージとは?プロがその魅力を分かりやすく解説!専門知識不要! - YouTube

そして最後の第四楽章が、合唱というメッセージ付の章であり、まさに今の私たちのための贈り物のように感じます。
(歌詞はウィキペディアから引用し、抜粋しました)

初めの歌いだしは、美しいバリトンが声をかけます。
おお友よ、このような旋律ではない!
もっと心地よいものを歌おうではないか
もっと喜びに満ち溢れるものを

そして合唱団が歌い始めます。
歓喜よ、神々の麗しき霊感よ
天上楽園の乙女よ
我々は火のように酔いしれて
崇高なる者(歓喜)よ、汝の聖所に入る

汝が魔力は再び結び合わせる
時流が強く切り離したものを
すべての人々は兄弟となる
汝の柔らかな翼が留まる所で

ひとりの友の友となるという
大きな成功を勝ち取った者
心優しき妻を得た者は
自身の歓喜の声を合わせよ

そうだ、地球上にただ一人だけでも
心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ
そしてそれがどうしてもできなかった者は
この輪から泣く泣く立ち去るがよい

一万人の第九の指揮者である佐渡裕さんが以前おっしゃっていたことで印象的な言葉です。
「歓喜の歌はどの部分も大きく強く歌うが、たった一か所だけディミヌエンド(小さく歌う)がある。それは“この輪から泣きながら立ち去れ”という部分。そう言わざるを得ない場面では伝える側も泣いているとベートーベンが表現した」

心を分かち合える存在が、ひとりもいないなんて、よっぽどのことだと思いますが、そんな奴は去ってくれ!と叫ぶとき、その叫びは涙声になっている・・・そんな人を見たことがあります。

歌はこの後も続き、自然界から受け取る恵みについて表現していきます。
それらは善人も、悪人も、同じく薔薇の道をたどり、恩恵は小さな虫けらでも与えられる、と。

なお、この歌詞はシラーという人が書いた詩で、それを読んだベートーベンが感銘を受け、曲をつけた、ということだそうです。
交響曲をつけてしまったあたりは、よほど感銘を受けたともいえますが、確実に後世に、力強く残す必要があったのかもしれません。
しかも、それを毎年の年末に大勢の人が耳にする日本、なかなかです!

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