2015年頃の中国で配信されて人気になった話題になったその後に影響を与えた作品その1

中国オタク界隈の反応をまとめていたブログとは別に、こちらの方では不定期に個別の中国オタク事情や用語についての話や、昔書いたものを見ながら当時の中国オタク事情やその後の変化などをまとめていこうかと考えております。
 
とりあえず今回は2015年に中国国内で配信されていた日本のアニメの人気作や話題作、その後の作品関連の動向や現在の評価やイメージなどについて大雑把にまとめて見ようかと思います。
 
 
2015年前半
 
・東京喰種トーキョーグール
 
「東京喰種」はアニメの第一期から中国の女性のオタク層を中心に人気となり、当時の中国のオタク界隈におけるダークヒーロー系の作品への需要に応えネットで使い勝手の良いネタ要素を提供してくれる作品としても人気になっていきました。
この時期の中国では「進撃の巨人」が大人気となっていて、「東京喰種」はそれに続く作品として期待されていた所もあるそうですし、「東京喫貨」というあだ名や作品に関する様々なネタやパロディと共に人気が盛り上がっていました。
しかし「東京喰種」に関しては瞬間的な盛り上がりは凄かったものの人気が縮小する勢いもかなり速かったそうです。
 
この人気の縮小に関しては中国国内で2015年に日本のアニメに対して出されたブラックリストに入れられてしまうなど名指しで批判されたという中国特有の事情に加えて、中盤以降の展開が中国では評判が悪いことなどが原因として考えられます。
何かと毀誉褒貶の激しい作品ではあるものの、この作品が当時の中国オタク界隈に与えた衝撃が大きかったのも間違いないようで
「この作品を見て自分の好みや性癖を開拓してしまった人も少なくない」
「例え話として今でも名前が出てくる作品なので記憶に残っている人はかなりいるのでは」
などという話も一緒に聞こえてきました。
 
 
・黒子のバスケ
 
「黒子のバスケ」は反日機運の盛り上がる時代を潜り抜け中国国内で一時代を築いた大人気作品で「スラムダンク」、「テニスの王子様」、「おおきく振りかぶって」などに続く、新たな世代の日本のスポーツアニメファンを作った作品ですが、アニメ第三期になるこの頃には人気も落ち着いて定番作品といった扱いになっていたように思います。
2015年の時点で原作が既に最終回を迎えていることもあってか、アニメに関しては当時の中国オタク界隈でも「作品の終わりを見届けたい」というのが主なモチベーションになっていたという話がありました。
 
それにしても近年の中国オタク界隈では長編作品の終盤の展開で何かと不満が爆発して炎上することが多いですが、振り返ってみると「黒子のバスケ」は終盤大きく盛り上がったわけではないものの炎上もなく無事に終わった良い作品といった印象にもなってきますね。
 
 
アルドノア・ゼロ
 
新作アニメとして配信されていた当時は中盤頃まではロボ系作品の良作といった扱いでした。
再生数に関しては一般層にも強い作品と比べてそこまで大きく伸びなかったものの、当時の中国オタク界隈作品関連の話題はかなり活発に飛び交っていたようですし、第一期で注目を集めて手堅いファンを獲得、その熱を維持したまま第二期に入って伸びている作品といった評価もありました。
 
しかし終盤の展開、特にヒロインが誰とくっつくかという部分に関して中国オタク界隈の面々にとって予想外で全く歓迎できない展開があったことから、作品の評価が急落してしまいました。
この作品の終盤に関してはいわゆるNTR展開の話題になると今でも頻繁に名前が出てくるそうですし、ある意味では当時の中国オタク界隈に深い傷跡を刻み込んだ作品とも言えそうです。
 
現在の中国オタク界隈では「アルドノア・ゼロ」の内容やメカ、世界観などに関する話題は少なくなり、終盤の展開が残念な作品という扱いやNTR展開のある作品という話題や評価ばかりが目立つようになっているのは何とも残念に思えてしまいますね。
 
 
冴えない彼女の育て方
 
中国オタク界隈では丸戸史明先生の手がけたPCゲーム「WHITE ALBUM2」の評価が非常に高く遊んだオタクが変わらずにはいられない作品として「脱宅神作」の異名でも呼ばれています。
その丸戸史明先生原作のアニメということで当時は中国のラノベ読み以外の層からの注目も集まりマニア層を中心に人気となっていました。
 
内容に関してはメインとなるラブコメストーリーに加えて、当時の日本のオタク界隈の事情、特に同人ゲーム制作などをはじめとする同人分野に関するストーリーというのが「新鮮な日本のオタク事情に関する情報」と受け止められていました。
それに加えて作中に出てくるアニメやギャルゲーなどをはじめとする各種のオタクネタが当時の中国オタク界隈では手頃なレベルだったというのも良かったそうで、楽しみながらアニメでオタクの知識を学べる作品といった評価もあったようです。
 
そんな訳で「冴えない彼女の育て方」は、当時の中国オタク界隈においては「げんしけん」「らき☆すた」に続く、その先の時代の同人活動やアニメやギャルゲーなどをはじめとする有名所の作品関連のオタクネタを手頃に「学べる」、「語れるようになる」作品といった扱いにもなっていたようです。

 
2015年はアニメ配信の影響が良くも悪くも大きかった時代なので、何回かに分けてまとめさせていただこうと思います。
今回挙げた作品以外の当時中国国内で正規配信されていた作品に関してはブログの方の記事もよろしければご参照ください。
 
中国の2015年1月新作アニメ公式配信状況
 
暫定版中国の2015年4月新作アニメ公式配信状況


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