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#26「過重労働対策のモヤモヤ」

産業保健もやもやハレハレ

この番組では、産業保健についてモヤモヤするけれど、身近に語れる人がいない!そんな孤独な産業保健職と一緒に、現場にありがちなモヤモヤを3人のパーソナリティと共に深掘りしてみます。


「過重労働対策」のもやもや🌥️

いが 今日は停車した車の中で録音してるんですけど、ちょっと今踊りながらオープニングをとったら、なんか周りの人から変な目で見られたというね笑

みずえ 仕事の合間にありがとうございます笑 

いが いえいえ笑

みずえ 今回はいがさんと私の2人でお送りします!そして、今日のテーマは「過重労働対策のモヤモヤ」です!

いが よくありがちなモヤモヤw

みずえ いっぱいありそうだよね笑そもそも面談って意味あるの?とか、いわゆる“面談マシン“みたいなモヤモヤを出しつつ、最後はハレハレするためのヒントを出せたらいいなと思います。

過重労働面談は面談マシーンになりがち

いが 確かに産業医目線の話で言うと、「この面談って本当にやる意味あるの?」とか“面談マシーン“の問題はやっぱりみんなモヤモヤしてるんじゃないかな

みずえ そうだよね、、いがちゃんもぶち当たった?

いが あったあった。企業によっても違うけど、ざっくりと言えば、過重労働面談って45時間越えと60時間越えと80時間越えと100時間越えみたいな、パターンがあるじゃないですか。45時間、60時間ぐらいだと面談しても「体調大丈夫です」とか、本人も「なんでやんなきゃいけないんですかね?」みたいなトーンで来るし、産業医側も「ですよね〜」って言いながら面談するから、この辺は“面談マシーン“と化しやすいですよね。

みずえ そうだよね。こんな面談してる時間があったら寝かせてあげたいなとかさ、仕事したしたいだろうなとか、こっちもこっちでモヤモヤするけどね

いが そうですね笑こっちもモヤモヤする面談したくないので。というかそもそも、事前のチェックリストで面談の希望調査をしたら9割ぐらいの人は面談希望しないっていうところもあって

みずえ ですよねー

いが うん、そうそう。で、健診の結果を見たりとか長時間残業の経緯や時系列を見つつ「あ、じゃあこれ大丈夫ですね」って対象者を分類していったら、やっぱり面談も9割ぐらい減って。で、本当にまずい人はその浮いた時間を使ってちゃんと面談して、、みたいな形でかなり変わった。それはすっきりした感じでしたね。

みずえ それ確認なんだけど、本人の希望は通ったから減ったのではなく、面談対象者の状態のアセスメントができるようになったから減ったんだよね?本人の希望で減らしてたらハイリスクの人を拾えなくなっちゃいそうだなと思ったんだけど

いが そうそう、ご指摘ありがとうございます!
元々は全員面談が絶対ってルール化していた状態だったんですよね。それを本人の面談希望と産業医のチェックで面談するかしないか決めれるように変えたってことです。
いつも僕は言葉がちょっと足りないんですよね笑 本当反省です笑

みずえ いや、意味はわかったよ笑 わかったんだけど、視聴者の誤解をねwでもそれは企業でやってる工夫だよね。いきなり全員面談じゃなくって、間にチェックリストをかませてちょっとスクリーニングするっていう、一つの技だよね?

いが はい

みずえ それを企業に提案したってことかしら?

いが そうですね、僕が提案しました。担当者も面談の調整だけでてんやわんやして困ってたんですよね笑

みずえ そうだよね。私、そういうの大事だなと思って。絶対面談やんなきゃいけないって思い込んでる企業とか担当者さんもいると思ってて。そういう時には例えば「運営でこういう風にできると思うんですけど、どうですか」って言ってみて、もしそれで「面談をしないとリスクって大きくなったりしませんか?」って言われたら「大丈夫です。その辺りはリスク管理します。」って言ってね。理屈もちゃんと説明できるのって結構大事だなって思う

いが 大事です。

集めた情報をまとめると「お宝」になる

いが みずえさんは過重労働関連の面談はされてるんですか?

みずえ うんうん、結構するよ。前職では大企業のアウトソーシングを受けてたんだけど、そこでは産業医が全部やるっていう風にはしてなくて、産業医面談の前の一次面談として看護職が入る、で、さらにその一次面談の前にチェックリストも書いてもらうっていう形で面談をしてたね。

いが へえ。

みずえ 意外とそれは良くって。実際、産業医の工程は削減されるし、産業医にしかできないのって意見を述べて就業制限をかけたりすることじゃない。だからそういう人たちだけは産業医面談になるのね。一方でそうじゃない人たちは、過重労働のチェックもするんだけど、一緒に健診結果見て「気になるとこないですか?」って聞くとか、職場の小さな悩みとかモヤモヤを聞く機会になったり、ストレスチックの時と似てるけど、自由相談の場みたいになることもあるんだよね。

いが いいですね〜

みずえ そうそう、面談の機会をさ、過重労働の質問項目聞いて終わり、とかじゃなくて割と情報収集の場にしたりさ笑

いが いいですよね笑 過重労働面談の対象者って、ある種の選択バイアスがかかってて、忙しいし、比較的企業の中での不満もあったりとか問題点を考えている人も結構多いから、そういう人たちだからこそ得られる情報ってあるなあと思ってて。だから情報収集の場としてもすごくいいんですよね。

みずえ そうそう。めっちゃいいよね。彼らの意見をまとめていくと「どうやらここの部署のここの課が何かあるらしい」とかわかるし、もう少し丁寧に情報収集重ねれば産業医とか安全衛生委員会に出すことできたりさ。

いが うんうんうん

みずえ 会社によっては産業医が事業部長レベルの会議に呼ばれるからフィードバックもそこでもらえるし、結構活用の幅は広がるよね

いが いや、ほんとほんと。僕らだけしか得られない情報がたくさん収集できて、それを上手くまとめて経営層にフィードバックもできるしかなり貴重なお宝物になると思う

みずえ うん

過重労働面談スキルは看護職の活動の幅を広げる

いが 実際さ、看護職でみずえさんみたいに一次面談みたいに過重労働に絡んでるって人って結構少ないと思うんですけど、どうなんでしょう?

みずえ それはあるよね。多分、私は中小企業が多いからだと思う。あとね、私は「訓練をしたから過重労働の面談できますよ」って自分から産業医にお伝えしてる。「どうする?」っていつも相談するんですよ

いが おお、かっこいい!👏

みずえ でも、「これは産業医が面談することに意味があるから大丈夫」っていう人もいるし、「どうしても時間合わない時だけ頼むわ」とか「何かできそうだったら頼むね」とか色々ある。でもね、割とアウトソーシング機関では「看護職に余計なことさせるな」っていう教育もあるから、、、

いが ああ、でも確かにリスク管理としてね

みずえ だからさせてもらえないっていうのもあると思う。

いが 確かにあえてさせないっていうところもあるもんね。

みずえ うん、大企業は特にあるんじゃない?メンタルは全部産業医がやりますとか、復職系は全部産業医で、看護職は健診事後措置のみにしましょうとかもあるからね

いが ああ、確かにねー。「やれます」って言ったほうが仕事の幅も広がるし、産業保健ももっと楽しくなるし、個人事業主とかで独立した時には、それができた方が、すごいビジネスチャンスにもなるじゃない

みずえ そうだね。やっぱり訓練は必要だし、ある程度のリスク管理ができないといけないけど、でも可能性は割と広がるよね。

いが これってどこで訓練受けれるんですかね?

みずえ わかんない笑 私はやっぱり前職の影響が大きいよ。前職で教育もしてたし、その知見が重なってたんじゃないかな。中小大企業も含めていろんな企業で効率よくやるのはどうしたらいいのかなって考えた結果の賜物だったと思う

いが いいねー。僕もやっぱりやっぱ段階(看護職→産業医)を踏んだほうがいいと思うし、過重労働面談って教科書や教育動画がいろいろ出てるから、あとは面談に100件ぐらい同席すればもうできるようになるでしょう。OJTじゃないけどさ笑

みずえ うんうん、そう思ってる。ロールプレイでちゃんと練習して、同席をしていくと、暗黙知も入ってきていけると思うんだよね。というか、産業保健看護職向けの教育を作ってもらえばいいんじゃない?学会で笑

いが こういうのって専売特許というか、産業医でしかできないって、あえてやりたい人もいるから、意見の出し方の工夫は必要かもしれないけれども、できるようになったほうがいいよね。スキルとしてね。

みずえ そうだね。ストレスチェックでも一次面談で同じようなことが起こるじゃない。復職面談でも同じで一次面談できるっていうのがあるから、全部考え方同じなんだけど、でもこれは産業医と看護職と、あと会社の方針が一致しないと難しいね。

いが うん。でもこういう話って、とにかくスキルを磨き続けて、いつかそういう場面になった時に「はい!できます!」って言えるかどうか大きいじゃないですか。

みずえ うん、そうだねえ、

いが いつかやろうと思わない限り、絶対当事者意識は持てないからね。できる可能性はあるんだっていう気持ちは持っていて欲しいよね リスナーの方にはぜひそういうマインドになってほしいというか、自分の活動の幅を無意識に狭めてる。「それはもう産業医の仕事です」ってなっちゃうと、とてももったいないからね。

みずえ そうだね、独立したい人はちょっとその辺考えといてほしいね。

面談は「時間」をうまく使おう

いが 過重労働面談って、「就業制限かけるか、かけないか」という場面が一番シビアになってきますが、みずえんさはその辺りどうですか?看護職でも瀬戸際だなとか、やばそうだなと思う人がいたときに、どういう風に対応するとか、どうやって見極めてるのかなっていうのを教えてもらえれば

みずえ そこはやっぱり産業医との違いで、私は意見は述べられないんですよ。で、産業医面談が必要っていう判断をするだけであって

いが うんうん

みずえ このまま就業継続して問題ないかどうかっていうのをアセスメントするっていうところかな

いが 僕らも一発でストップかけることはほぼなくて。すぐドクターストップって相当レアじゃないですか?笑

みずえ それはドクターストップはないかなあ笑 それだったら受診勧奨をかませて、そこから産業医面談とかね

いが 産業保健の面談ってやっぱ「時間」をめちゃめちゃ武器に使うじゃないですか。結局僕らも最初に面談して「あ、やばいな」と思えば、1ー2週間後にもう一度会うし、もしくは「一か月後にそれ以上悪くなってたら、やっぱり休みましょう」とか「受診しましょう」とかそういう風によく時間を使うんですよね

みずえ うん

いが 一回目の面談で一発アウトってほぼなくって、「次は上司呼びましょう」でもいいんですけど、2回目の予告というか「こうなったらダメですよね」とかを伝えておいた方が、本人の納得感が得られやすいので、これはよく使えますよね

みずえ うん、そうだね。血圧測定して、後日その結果を見てとかね。

いが だって本人もさ、突然面談ですって言われて、案内されていったら、「ドクターストップです」って言われて、そんなの納得しないし、ちょっとこじれるしね笑

みずえ そうね笑 上司もびっくりじゃない。そんなことされたら

いが そう笑「いやいやいや、引き継ぎとかあるし!」みたいな感じになるからねw

みずえ その辺はコミュニケーション力っていうのもあるかもね。過重労働対策で上手くいくかいかないかの差

いが そうですよね

上流にアクセスすることを忘れない

みずえ 今日はあんまり話には出なかったんだけど、上流にアクセスするっていう、忘れがちっていうか当たり前すぎて言語化しない部分だけど、そこはいつも持っておきたいなと思ってる。

いが なぜ残業があって、どう減らすかってことかね。でも大事だよね。こう過重労働面談って、やっぱり残業が生まれる温床・源みたいなところにアクセスして、元から断つ様にどうできるかっていうのはあるので、まあ単にね、個人だけの話とか、面談にモヤモヤしてるだけじゃなくて、そこの上流にフィードバックして減らしていくんだっていう意識があるだけで、だいぶ面談のモヤモヤは減ってくるんじゃないかなっていうふうには思いますよねね

みずえ 本当だね、もうハレハレしてきたんじゃない?笑

「過重労働対策のモヤモヤ」のはれはれ🌞

いが じゃあお互い一言ずつ過重労働対策のハレハレをしていきましょうか。はい、どっちから行きますか?

みずえ 私から行きます。

いが お笑 お願いします。

私たち産業保健職の可能性は広い

みずえ はい、私は看護職に向けて。「私たちの可能性は広い」です。

いが それは何のモヤモヤをハレハレしてるんだろうね笑

みずえ わかんない笑 モヤモヤが倍増したかも?ごめんね🙏

いが でも、ひょっとしたら産業医面談に同席して、そこでモヤモヤしてる看護職を少しハレハレさせたかなとはちょっと思いました。こじつけかな?笑

面談は情報の宝庫

みずえ じゃあいがちゃんお願いします

いが 僕は、「情報収集としてしっかり活用しよう」だね。最初に喋っちゃった部分もあるんですけど、“面談マシーン“と化しやすくてモヤモヤしやすい部分もあるんですけど、とはいっても、情報収集の貴重な機会ではあると思うし、実はそういう対象者っていろんなことをしゃべってくれる方なんですよね。お宝ですよ。なので、情報提供者だと思って、上手く活用することで、産業医としても、産業保健職としても、バリバリ活躍していただくといいんじゃないかなと思います!

みずえ はい、ありがとうございます。では今回はこの辺りでエンディングにしようと思います。今回も聴いてくださりありがとうございました。また次回お会いいたしましょう〜!またね〜!

いが またね〜!👋

音声ソース

Spotify

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次回は


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